見出し画像

【雑感】定点観測

今日は、WTルームに立ち続ける毎日の中で感じていること(雑感)を綴ってみます。

今日の内容を一言で表現すると【定点観測】です。

おかげさまで、複数のチーム指導、口コミから繋がる多くの工房会員に対する個人指導など、ほぼ毎日、相当な時間をWTルームで過ごし、選手にトレーニングを指導する機会に恵まれています。
そして、多くの場合、数年単位、中には10年以上に及び同じチームや選手を担当させて頂けており、そのおかげで私の中(組織としては工房)には多くの選手の有形無形のデータが蓄積されています。

そして、今回は無形のデータの話です。
私の仕事は、WTルームでウェイトトレーニングを教えることです。
空き時間がある時は、少しでもグラウンドの練習や、先に綴ったように球場に足を運んで試合を観たり、あるいはLIVE配信や動画を観るようにはしていますが、大半の時間はWTルームで完結します。

トレーニング指導と言えども、常に選手に付いて手取り足取りフォームを見せたり、動きの修正をかけたりするわけではなく、観察する時間が多くを占めます。
その中で、大局的にWTルーム全体を見渡し、周辺視野でまずは安全管理ができているかを察知しつつ、フォームのチェック。エラーがあれば、口頭で指摘を加えたり、状況に応じてキューイング(coarching cue)したりします。
また、チーム全体を観ながら、個々にアプローチし、話をしたりします。その内容は、コンディションの把握、今の技術的な課題とトレーニングがリンクしているかなど専門的な話、またコミュニケーションを図ることが目的の他愛もない雑談(いじり笑)もあります。
もっとも、契約形態によっては月に1度か2度、あるいはそれ未満の頻度で指導に行くチームもあり、その場合はレクチャーがメインの一方通行に近いコーチング(コミュニケーション)になることもあります。

各チーム、選手に接する頻度に違いはあれど、WTルーム(あるいは工房)という、私と選手との接点となる【定点】で、そこで起こる現象や雰囲気を感じ取ること(【観測】)を大事にしています。

そうやって、ある一定期間、選手を観ていると「この選手は活躍しそうだな。頑張って欲しいなぁ。」
「この選手は良い選手なんだけど、まだ活躍できないだろうな。惜しいなぁ。ここを直さないとなぁ。」
「なんか最近、雰囲気が変わり、取り組み方が変わってきたな。グラウンドでの様子はどうなんだろう?監督・コーチにも聞いてみよう。」

こんな風に色々なことを感じます。
そして、それが往々にして当たることがあります。
また、選手個々ではなく、チーム全体に流れる雰囲気もあります。
勝てそうな雰囲気、何だか浮ついた雰囲気、負の雰囲気など。
※ちなみに、この雰囲気のことを量子力学をベースに脳力開発として活かしている村松大輔さんの言葉で言うと、『フォトン』と言うそうです。

こんな風に書くと、預言者でもあるまいし、と批判を受けそうですが…
もちろん、100%当たるわけではないです。活躍にはまだ早いと思った選手が試合で活躍することもあります。良い意味での期待を裏切るケースです。(このような場合、長くは続かず一過性に終わることが多いですが)

ただ、根拠なく当てずっぽうで言っているのではなく、「根拠のある第六感」とでも言うべきか、そのようなものがあることは確かです。
なぜなら、相当数、成功していく選手とそうでない選手を観てきているからです。

WTルームというのは、グラウンドやコートなど専門競技を行う練習場とは違い、選手の素が出やすい場所です。
何気ない会話や表情、立ち居振舞いなど、練習の緊張感から離れたところで、その選手の本質が見えてくることがあります。
もちろん、寮生活や私生活ではまた違った一面もあるのでしょうが、そこまでは介入もコントロールもできないので、選手の全人格を見ているわけではないことは一応断っておきます。

練習場とWTルーム、場所や雰囲気(緊張感)は違えど、同じ一人の人間(選手)が動いているわけです。
練習はキッチリしていても、トレーニングはそうではない選手、トレーニングは真面目にやっているように見えても練習においては積極性や工夫に欠ける選手など、チグハグがあります。
そこに違和感のようなものを感じると、たいていの場合、試合での活躍には繋がらないわけです。
良い選手、良くなっていく選手は必然的に両方がリンクするように上がっていきます、整っていきます。
それは、トレーニングをしっかりやっているから活躍する、というようなそんな単純な話ではありません。トレーニングコーチとしてはそういう選手の活躍を望みたいですし、そういうバイアスにかけがちです。
しかし、あるレベルまでいくとトレーニングをしっかりやることは当たり前になっていき、一見すると差が見えなくなります。
それでも、試合で活躍するか否かは、また違うのです。

書けば書くほど、それってあなたの主観ですよね?となってしまうのですが、そうでもあり、そうとも言えないのです。

では、具体的にどういう選手が活躍するのですか?と問われそうですが、それは結論づけられませんし、それが分かれば、監督・コーチをはじめとした指導者は苦労しません。

だから、雑感として綴りました。
私個人としては、もっと指導者として経験を積み、力をつけて、こういったことをきちんとまとめて言語化できるようにしていけたらと思います。

なお、上記のようなことは長くその競技の監督・コーチをされている方には、共感を得られるのではないかと思います。
私のような立場の人間では到底及ばない程、多くの時間、選手と接し練習・試合を観ているわけですから。

その一方で、私のような立場の人間も、そういう見方をしていることは事実です。
中にはそういった所感を、上手く情報としてキャッチアップする監督やコーチの方もいらっしゃいます。そういう指導者のもとで、スタッフとして働くことができると、また違った面白さを感じるものです。

さて、まとまり切らない話はここまでとします。
いつかうまくまとまったら、また改めて書きます。

今日も多くの時間をWTルームで過ごします。
よく観て、より良い指導できるように日々積み重ねていきたいものです。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?