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【自由詩】空をなでる


海のそばへ 森の中へ
空の青は遠く
まぶしくてすぐ背ける

夕焼けを見ていたい
君を心に置いていたい

きっと感傷的になりたいだけ

何かに満足したくないだけ

欠けた胸に手を当てる
物悲しさで満たす

今の先で夢見る
輝きは鈍く

ひとつ

主人公らしくなれない自分に
物語を刻む

ひとつ

都合のいい言い訳を
説いて悔やむ

ひとつ

君は歩みを止めないで
背中を押す手は届かない

またしても悩む

傘があれば
雨はどうってことない
ほら晴れた朝

葉の雫に反射しあって
消えてしまいそう

ひこうき雲を見上げて
反対に歩く
水たまりをよける

忘れない
離さない

君が笑えなくなっても

そばにいて
触れていて

空があまりに綺麗だから
恥ずかしげもなく



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