写真で描写『ふさぎこむ』
近頃ずっと外に出ていなかった。
だからなのか、なんとなく生活の勝手が分からなくなっている。道を行く人も、車も、電線の鳥も、自分より少し先の時間を進んでいるような、そんな感じがする。いや、自分が置いていかれただけか。
刺激がないから面白みがない。どんどん心が腐っていくから、少しの刺激じゃ面白みを感じない。何もしちゃいないのに、何かに飽きてしまった。
それにしても、空ってこんなに暗かったっけ。時計を意識しなかったせいで、今が朝なのか昼間なのか夕方なのか、自信がない。そういえば、そのうち雷雨になるんだっけ。天気予報で言っていた気がするけど、いつのことか曖昧だ。
見上げると飲み込まれそう。晴れじゃないなら、いっそ全部覆い尽くしてしまえばいい。
この町まるごと、ふさぎこむ。
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