台湾に3泊4日でプレミア12を観に行った記録 その①
コロナ禍の最中にプロ野球を好きになって、「いつか海外で野球を観たいな」と思ってはいたけれど、そのチャンスは案外早くやってきた。私が特に応援している、中日ドラゴンズ・髙橋宏斗投手が第3回WBSCプレミア12の侍ジャパンメンバーに選出されたのだ。グループBの日本は、オープニングラウンドの初戦以外の4試合を台湾で戦う。
というわけで、2024年11月15日から18日の4日間、プレミア12オープニングラウンドを観戦するべく、台北へ行って来た。
もともと頻繁に海外旅行をしてたわけじゃないし、語学にはまったく自信がない。言語、台風、ローテなどにいちいち「大丈夫か、これ」となりながら、手配を進めた。特に試合のチケッティングに関してはわからないこともたくさんあったけれど、ジャンル違いの先人たちがインターネットに残してくれた台湾遠征記に助けられた(主にアイマスPの皆さん、本当にありがとうございます)。楽しかった旅の記録を残しておきたいのはもちろん、私同様にいつかの困ってる誰かに多少なりと有用な情報があれば、という思いで以下、書き記します。
※とても長くなったのでその①から④まで分けて書いています。
旅の準備 ホテル、飛行機、チケッティング
まず8月末にホテル、航空券の手配を済ませた。安くしたかったので国内旅行と同様に早く予約したけど、結局安上がりになっていたかどうかは比較していないのでわからない。台北ラウンドの日本戦は11/15(金)〜11/18(月)の4試合。すベてナイターだ。この時点では代表メンバーも決定しておらず、当然先発ローテもわからない。それでも、今の髙橋投手が選ばれるなら要所を任されるだろう&ファイナルラウンドの日程から逆算で、台湾ではおそらく11/15か11/16のどちらかで投げる、と予想。11/15韓国戦、11/16台湾戦、11/17キューバ戦の3試合を観て月曜昼には帰国できる旅程を組んだ。ひさびさの海外ひとり旅、台湾華語はもちろん簡単な英会話も怪しいので、びびって日系ホテルを予約。航空券は安さを優先して、チャイナエアの往復便に。機内食がおいしいらしいと知り、期待が高まる。
9月に入ってすぐ、日本で開催されるオーストラリア戦やファイナルラウンドのFC先行販売が始まった。でも台北ラウンドのチケット発売情報は一向にわからない。侍ジャパンの公式サイトにも記載なし! これはかなり困る! 仕方ないのでこまめにSNSを検索、毎日やきもきして過ごす。9月も終わりに差し掛かる頃、台湾プロ野球(CPBL)有識者の方が記者会見の内容を投稿してくれたおかげで、ようやくチケット発売日を知ることができた。
10月上旬、台北ラウンドのチケット一般発売が開始。チケットは会場ごとの発売で、まずは11/15韓国戦と11/16台湾戦の台北ドーム分が売り出された。チケットサイトはtixcraft。海外でライブを観る際にはだいたい使うことになるticketmasterの台湾版サービスで、めちゃくちゃ使いやすい。謎の絵合わせとか課されない!
tixcraftは国外からも購入可能で、会員登録には電話番号認証とパスポート番号(登録フォームの表記は「身分証明書番号」)が必要。10桁の入力を求められるけど、頭に「0」を付ければOK。クレジットカード決済の上、発券を台湾国内のファミリーマートですることになる。
事前に会員登録を済ませて、現地時間正午のチケット発売に挑む。tixcraftは座席指定ができるんだけど、この段階では座席が確保されないので、決済手前で何度も弾かれてはアワアワしている間に台湾戦はさっさと完売してしまった! 韓国戦は座席指定せずで希望のエリアを確保。2019年の第2回プレミア12台湾ラウンドでも台湾日本戦は完売だったと聞いていたけれど、想像以上だった。涙目になりながら、数十分後に決済エラー戻り分をなんとか確保。tixcraftは一定期間払い戻し可能なので(すばらしすぎる!)、渡台までこまめに復活分が出ていないかチェックを続け、最終的には希望のエリアの座席を買うことができました。よかった〜! 別日に発売された天母スタジアムのキューバ戦を含め、旅の懸案事項だったチケッティングは無事完了。
出発まで 代表メンバー発表、台風発生
10/9、プレミア12を戦う侍ジャパンメンバーが発表される。そこにはしっかり髙橋投手の名前があった。しかも背番号は19番! 髙橋投手にとってはこれが3回目の代表入りだけど、ドラゴンズで背負っているのと同じ19をつけるのは初めてだ。これはとてもうれしい。さらにトミー・ジョン手術からの復帰登板をバンテリンドームで観て以来、他球団ながら好きで注目しているタイガース・才木投手も初の代表入り!
髙橋投手と才木投手の対戦は、2023年7月の阪神中日戦(甲子園)が最初で最後になっているため今季も再戦を願い続けてきたけど、まさか同じチームの先発として並ぶ両投手を先に見ることになるとは…! 当然ながら「台湾でふたりが先発するところを見れたらどうしよう!?」とか考えてめっちゃあがる。才木投手の他にも、巨人・戸郷投手、大勢投手など、普段観ているセ・リーグでも特に好きなピッチャーが大集合でうれしい。
11/13、第3回WBSCプレミア12 オープニングラウンド初戦がバンテリンドームナゴヤで行われる。台湾行きを控えているので、この日は自宅でテレビ観戦。今季中日戦での鮮烈すぎるピッチング(=打てない!)が印象深い巨人・井上投手が先発で8奪三振の快投。日本は無事白星スタートとなったのだが、私は不安でいっぱいだった。なんと11月だというのに台湾付近で台風が発生している。しかも、同時に4つ。すごい、そんなことある!?
・11/14 朝の報道 ドーム1日2試合開催…?
・11/14 夜の報道 中止もありうる…?
こういうとき、国外だと一次情報にあたるハードルがグッと高くなる。そもそも天気のことなので、最新情報がオンタイムでわかったとて、何ができるわけでもないんですが…。
「ウサギ」と名付けられた台風25号は、14日になってもまだ台湾の南の海上をのろのろ進んでいた。羽田から台北への航路を確認して、往路はまだ影響がなさそうだと判断。復路は飛ばないかもしれないし、停班停課ですべて空振る可能性もあるけど、それでも行かないよりは行ったほうがきっと面白い。まあ最悪、おいしいご飯を食べて帰ってくればいいや…と気楽に考え、予定どおり出発を決めた(念のため、海外旅行保険に遅延費用補償特約を追加した)。
台湾へ向かう11/15の朝、ようやく髙橋投手の韓国戦先発が中日スポーツで報じられる。一部のTVでは予想が出ていたけれど、中スポに出るまでは信じられないのが中日ファン。今夜なら台風の影響もまだ大きくはなさそうだ。ホッとして、だいぶ足取り軽く羽田へ向かう。
初めてのチャイナエアは、定刻どおりの運行。シートに着くなり、CAの方がふかふかの大きな枕とブランケットを手渡してくれた。この枕、首はもちろん腰に入れたりで腰痛持ちの私はめっちゃ助かった。評判どおり機内食もおいしかったし、今回は値段で選んだけど、次も台湾へ行く際には是非ともチャイナエアにしたい。
台北1日目 Famiポートと再会
4時間のフライトを経て、台北・松山空港に到着。出発前から天気がどうなるかと心配していたけれど、飛行機は特に大きく揺れたり遅延することもなく、あっけないほどスムーズな往路だった。
松山空港はとてもコンパクトで、日本の地方空港に雰囲気が近い。スタジアム内は現金しか使えない店が多いと事前に調べていたので、普段キャッシュレス派の自分にしては少しだけ多めの現金を両替所で台湾ドルにした。
空港からMRT(地下鉄)に乗り換える一瞬、外に出たらモワッと暑い! 「うわー、台湾に来たぞ!」と俄然盛り上がる。
改札に入る前に、東京から持参した悠遊卡(交通系ICカード)に自宅で眠らせていたTWDの小銭たちをチャージする。かなり昔に台北旅行をした際の残りで、どうしたものかと困っていたのでめちゃくちゃスッキリした。空港で両替した現金からも1000TWDをチャージ(これは今回の旅程には多かったかも。交通費以外もコンビニやフードコートで使ったものの、少し余った。クレカ併用)。
MRTに乗り、忠孝新生駅にあるホテルへ向かう。今回は台北ドームへのアクセスがいいことを条件に宿泊地を選んだ。キャリーケースを預け、やらねばならぬことのためファミリーマートへ赴く。そう、まずは今夜の試合のチケット発券だ。
Famiポートのトップ画面から「票券」→「售票系統」→「tixcraft」を選択
チケット決済時に発行された引換コードと引換票番号を入力するとレシートが2枚出てくるので、それをレジに持っていけば店員さんが発券してくれる。手数料は1件につき30TWD。発券に際して、パスポートは(番号含め)不要だった。
無事、チケットが手に入った。やったー!
この時点では雨が降る様子もなく、天気は問題なし。それでも明日以降、台風での試合中止・振替で払い戻しが発生する可能性に備え、面倒だけど毎日その日の試合のチケットだけを発券することに。
チェックインまでまだ時間があるので、昼食を食べがてら少し散策する。忠孝新生駅の周囲は電気街になっていて、高架下にある「これぞ台湾」な風情の路地が入り組む市場はランチを求める人々ではちゃめちゃに賑わっていた。近くのオフィスで働くサラリーマンや地元住民と思われる皆さんが、店の軒先でテイクアウトを待っている。牛肉麺やら炒飯やら、どう考えても間違いない店構えばかりだけれど、あまりにローカルな雰囲気で初日の私にはハードルが高かった。
昼食を食べながらSNSで検索したところ、台北ドームは15時開門らしい。
ホテル近くの雰囲気がいいコーヒーショップで時間を潰し、再びMRTに乗って台北ドームのある國父紀念館駅を目指す。
その②へ続きます。