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グアテマラ一人旅 #6

ガイドから隣のフエゴ火山までは行き2時間、帰り1時間半くらいと伝えられる。念のため自宅からから持ってきていたヘッドライト、水、防寒着を持ち5時半頃出発。

最初続いた緑の中の緩やかな道を歩く中、フエゴ山を傾いた夕日が照らしていた。あまりにも美しく、雄大な自然に感動した。

アグア山と夕日

だんだん暗くなっていく中、1時間弱ほどで緑道を抜け、フエゴ山の麓に着いた。緑がなく、岩場と砂しかない、急に霧が濃くなり全てが灰色の景色。日がほぼ沈む中、まるで違う惑星に着いた様な景色だった。

実際は落ちた夕日の余韻で紫の様な色だった

目の前には急な傾斜の岩場。まさかこれを登るのか?死人出るだろ。なんて思いながら、先頭に続き登り始める。
案の定ものすごく滑りやすいうえに、傾斜が激しく、言葉通りよじ登るという感じで少しづつ登って行った。勿論写真なんて撮る余裕はない。

早くも後悔しまくるが、真っ暗になった今、一人で引き返す選択肢はないので、一歩一歩登る。あまりにもつらそうな私にガイドのお兄さんが気にかけてくれる。「既にこの急な崖を降りることを心配してる。」と言うと、なぜかハニカム兄ちゃん。下を見ると、小さな明かりが沢山動いている。違うグループも続々と登ってきていた。

1時間ほど登り続け、やっと頂上らしき場所に着いた。
真っ暗。凄い風。死ぬほど寒い。ウルトラライトダウンを2枚重ね着して、ウィンドブレーカーを羽織るも、少し止まっているだけでブルブルと震える。

想像していたのは、火山口から赤い溶岩が解け出る光景だったが、近づくも全く何も見えない。うっすら煙らしきものは見えるが、霧で10M前も良く見えない。そういえばペンション田村の息子山、今溶岩ないよーゆーてたな。人の話はちゃんと聞ききましょう。

とりあえず風が少しでもしのげるようにと傾斜を少し降り、座り込む。疲労と寒さはピークだが、不思議とおなかは減っていなかった。

疲労と寒さで写真ゼロ。真っ暗だったし。

30分くらいは座っていただろうか、寒さもピークのところ、ガイドが”Let's go"と声をかけ始める。やっと帰れる!と思ったら違うグループだった。もう限界だったので、自分のガイドを見つけて、帰りません?と提案。皆に声をかけ始めてくれた頃にはおり始めていた。

実際は真っ暗

降りるのもまたつらいし、かなり怖かったが、帰りたい一心で、無心で足を動かした。来た道を戻る道中は皆無言だった。キャンプに戻ったのは10時半だった。顔を拭くと真っ黒だった。皆疲労困憊顔だが一体感があった。

前に見たブログでは深夜12時過ぎまでかかった人もいたそうなので、スムーズにいった方だろう。

休む間もなくガイドさんたちが夕食の準備をしてくれる。持ってきたパスタのタッパーを渡す。テントの入り口からちらっと見えたが、そこに温めたトマトソースを入れ、シャカシャカ振っていた。あじが全く感じられず、疲れているのに全然食べれなかった。食欲がないのも高山病の一種らしい。
ホットチョコレートが本当に染みて、お代わりさせてもらった。

テントの外から見えるフエゴの噴火や、街の明かりの中心に見えるアグア山を眺める。

テントからの夜景

ペルーの山を登った時の教訓で防寒をしっかりし、衛生面が気になるので、薄いライナー寝袋の様なものに先に入り、寝袋に入る。

一睡も出来なかった。




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