【14】勇者と魔王 3
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「待って!」
マーシャが止めに入った。
「グルルゥ……」
ドラゴンもマーシャのほうを見ている。
アインは慌てて視線をドラゴンに戻し構えたまま
「君は!? 下がってて!」
混乱気味のアインは疑問と要求をマーシャにぶつけた。
「大丈夫。この子は私になついてるの」
冷静に言い放った彼女はビードロを口元に運ぶと……ボゥ、ペェン♪ ボゥ、ペェン♪
ビードロ特有の音色が突風と共に駆け抜けた。
「グルルゥ」
ドラゴンはその大きな体を伏せた。
マーシャはビードロをお手伝い妖精に渡してゆっくりとドラゴンの方へ歩いていく。
アインは目の前の出来事に目を丸くしながら「はぁ!? 君は、魔王なのか!?」
「私は王でも無いし悪い者でもないわ」
マーシャが近づくと
「ゴロゴロゴロゴロ」
ドラゴンは喉を鳴らした。
アインと彼のお手伝い妖精は驚いた。
「ドラゴンもにゃんこみたいに喉をならすの!?」
伏せているドラゴンの頭はマーシャの胸くらいまでの高さがある。
その頭をポンポンするマーシャ。アインに切られた所に目をやり
「かわいそうに……明日お薬持ってきてあげるね」
アインは事の成り行きに納得はしていなかったが、危険がないことを悟ると剣を納め
「ここは街にも近い。ドラゴンを遠ざけないとーー」
そう言いかけると遠くのほうで声がする。
「レウリア殿、あそこです!」
小太りの行商人がこっちを指差している。赤い髪の女性と一緒だ。
「あの髪の色は…レウリアさんだ!」
アインは知り合いのようだ。
「知ってるの?」
問いかけるマーシャ。
「グルルルルッ」
ドラゴンが起き上がり赤い髪の女性を睨んでいる。
「知ってるよ!レウリアさんは【ガーネット支援組合】の組合員なんだ!レウリアさんは組合内でもトップクラスのーー勇者だよ!」
言い終える頃にはレウリアは間近に迫っていた!
「グォォォーーーーッ!!!」
咆哮が響いた!
「待って!」
「危ない!」
アインはマーシャを抱えた
「アイン、下がってな!」
レウリアが叫んだ
ドラゴンがレウリアに襲いかかる!
「遅いっ!」かわすと同時にーー
一閃!!!
大きなドラゴンの体から血が吹き出した!
「すごい……」
「やめてぇぇー!!!」
呆然とするアインと叫ぶマーシャ
レウリアは止まらない
更に一撃! 二撃! 三撃!!
「グォォォーーーーッ!!!」
夕陽が辺り一面に飛び散った血痕を更に真っ赤に染め上げている。
レウリアと行商人の姿はもうそこにはなかった。
「なんで……生き物を傷付けて……何が楽しいの?」
泣き崩れているマーシャ。
アインは何て声を掛けていいかわからず、ただ傍にいた。
レウリアさんのした事は正しい。あのままドラゴンを放っておいたら住民に被害が出たかもしれない。
「モンスターは追い払わないといけないんだ」
「焦土の近くに住まなければ良いじゃない!」
叫ぶように言った。
(確かに……)
そう思うと何も言い返せなかった。
「なんでアンタは勇者なんかやってんのよ!」
「なんでって……」
アインは過去の"記憶"をたどった。
店主 アイン
創業108日目
有名道具屋で信頼の勇者
店主 マーシャ
創業115日目
無口な本屋で孤高の魔王
店主 レウリア
創業675日目
紅蓮の武器屋で伝承の勇者
読んで頂きありがとうございました!
登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
気になるレシピがあれば実際に作って頂いても構いません(作ってもらえたら飛んで喜びます)
作中に出ても良い店主募集中。
店主名、オーナー番号
をTwitterでDM下さい。
普段のプレイスタイル等入れてもらえたらなるべくそれに沿って書かせて頂きます。
登場する話は事前にDMで確認して頂いた後掲載させて頂きます。
各物語のイメージ画像募集します!募集させて下さいー!
物語を読んでみて浮かんだイメージがあればそれをお願いします。
又は次の物語の画像書いて頂けるというのであれば掲載前に物語をDMで送信します。
もしくは既にオリジナルのキャラ等の画像あれば、その画像を元に物語を考えます。
名前、職業種の設定あれば教えて下さい。
提供して頂いた方のお名前はその物語内の1番上に紹介させて頂こうと思ってます。
例「イメージ画 ~様から提供」みたいな感じで。
よろしくお願いしますー!
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