子ヤギの放牧についての諸々(野球少年観察記8)
蝉もだまり蚊も葉陰に引きこもる…名古屋は猛暑の季節です。
屋外に出ると、空気が体温を超えているのを感じます。これは危険だ。
こうも暑いと、逆にウールのセーターが実力を発揮するのではないかという気はするのです。
少なくともウールのニット帽は良いようだし。
最近は時々あれよあれよと勝つこともある6年生のチーム。市内ブロック大会を勝ち抜いてしまいました。偶然や幸運がいくつか重なった上の事です。
運も実力のうちです。
平日開催の軟式少年野球の県大会には父ヤギ氏が休みを取り、ヤギ家3人出て行きました。ボールボーイ等でキビキビ動く3年生の子ヤギ君も選手登録してもらったみたいです。
結果は昼過ぎてすぐに散々な結果のスコアを見ました。父ヤギは翌日会社で別ルートからしっかり情報が入りバッチリ弄られたそうです。いわく「13-0で負けたんだって?」そりゃ、休みを取ったなら周りは楽しみにしているでしょう。
野球はみんな大好きなんですから。
兄ヤギ12歳と父ヤギは中学時代を過ごす場所について絶賛悩み中のようです。
身は一つしか無いから選べない場所もあるけど、そこだってきっと素晴らしいんだろうし、どこに行っても…やるのは自分なのですから。
できれば、彼の身体や心の主導権を彼から奪わないでいてくれる場所が良いなと思います。
彼は、強制しなくても促せば練習し、練習した分、成長できる子なので。
自分の今の身体の現状にしっかり視線を合わせていられるから、彼は昨日より強くなれます。
できない事も多いし、本人もわかっているけれど、今まだできないって事の認識に「だからダメ」だとか「だから無理」だとかそういう余計なネガティブが乗っていないのです。
だからできない事をしない言い訳にはしない。
だって、ちゃんとお稽古しての今だもの。
本人が一番知っているのです。
ひどかった試合のホームランを打たれてしまった、そのボールを追いかける走りの必死さに、その後のプレーのタフさに、日頃の誠実な稽古の積み重ねが出るようです。
日々の努力で育つ身体と、それを認める周りの眼差し。
毎日毎日の汗が浮かび、息が上がるような稽古と牛乳と米と…玉子と肉と野菜。
静かな夜の公園。空気が揺れる彼の素振り。空気の切れる音のする投げ込み。
街のざわめきが遠くに聞こえる。空は明るく星はわずか。
走り込みの足音と息づかいが木のざわめきと共にある。若い子の身体が焦点を合わせて動くときの清まるような空気感を眺めているのは面白いものです。
子どもは寝る時間だとわざわざ呼び戻しに行くのは、面白がっているからです。
ところで、その競技を続けていく事と学業とのやりくりを考え、将来を見据えた時に、時間の使い方が問題になってくるのです。
公園の梢に住まう妖精さんが分けてくれる祝福を受け取るような彼の時間は(つまり、空を眺めてぼーっとしている)父親からは時間の使い方として叱られているようですが、子どもの育ちのためにはすごい大事だと思うので、身体と心をニュートラルに戻すためのランニングやストレッチについて教えておかないといけないなと思っています。
年相応に、子どもらしい動画を見たりゲームをしたりもしたいし。
弟の憧れのまなざしもきっと、兄ヤギ君の頑張る糧になっているのでしょう。
なんだかんだで優しい兄です。
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