日本人が意識すべき自分磨き

日本人ほど自己研鑽に熱心な国民はいないのではないかと思います。

ビジネスの場で役立つスキルや情報についての動画は、今や日本のYouTubeでは人気コンテンツのひとつですし、日本の本屋に行くとビジネス書や自己啓発本に大きなスペースを割かれています。

しかし一方で、欧米人のように様々な人との対話や体験を通じて自己研鑽に取り組む人は少ないと感じます。欧米も日本と同じく、ビジネスにおいてチームワークやコラボレーションが重視されます。日本と大きく違うと感じるのは、積極的な欧米人はそのカルチャーをそのまま自己研鑽にも活かし、様々な人と実際に交流することで得られる学びを大切にしていることです。

日本人が画面に向かって自己研鑽に取り組む姿勢は、一見すると積極的に学ぶ姿勢として評価されるかもしれません。しかし一方で、わかった気になってしまったり、頭でっかちになってしまう危険性もあると感じます。一人で学んだ知識は、あくまでも机上の学問です。実際に仕事や生活の中で活用するためには、実践的な経験や、他者からの客観的なフィードバックが不可欠です。

また、問題を解決するためには、まず一歩踏み出して行動してみることが大切なことが多いです。ちょっとしたことでも自分からアクションを起こすことで案外すんなり解決した、なんてことは誰しも経験があるのではないでしょうか。そんな中、自分の中で机上の学びだけで理解した気になってしまうと、恐れずに行動に移すことができなくなってしまったり、行動に移すチャンスを逃してしまったりする可能性があるのです。もちろん、画面に向かって自己研鑽に取り組むことも、一つの有効な学習方法です。しかし、それだけでは不十分であるということを認識しておくことが大切ではないかと考えています。

また、学びと実践を繰り返すことで、新たに得られた知識やスキルを定着させることができます。実践を通じて得られた他者からのフィードバックをもとに、さらに学びを深めることもできます。これらは一人で知識をインプットしただけでは不可能で、他者との交流があるからこそできることです。一人で自分磨きをするのは、実はあまり効率が良くないというのが理解してもらえるかと思います。

日本人、欧米人と、ひとくくりにするのはあまり良くないとは思いつつも、私が実際に日本と海外の両方で働いた経験上感じたことを書きました。自分の経験から感じることなので、私は頭でっかちにならないようリアルな人との交流や経験の中で学びを深めていこうと常に意識しています。自己研鑽に熱心な日本人のエネルギーを、できるだけ効率の良い方向に向けて、成果を最大限に発揮するための気づきになれば幸いです。