リーダーシップについて

リーダーシップと聞くと、多くの人が組織のトップや管理職に必要なスキルとして考えるかもしれませんが、実際にはあらゆる立場や経験年数において非常に重要な能力です。これは仕事だけでなく、日常の家庭や友人関係においても役立つ能力であり、特定の地位や権限には関係なく、誰もが日々磨き続けるべきスキルです。

ではリーダーシップとは何なのか。リーダーシップとは、他者を指導し、影響を与え、共同作業を促進する能力のことを指します。これら堅苦しい言葉で表現されていますが、つまりは他者を自分が望む方向に向かせるスキルだと言い換えることができます。そしてそれは、一人で事を成すことが難しい場合に不可欠な能力です。その影響力を持っているだけで、あらゆる場面で個人の発展や成功に貢献できるのです。

リーダーシップは、特別な場面だけでなく、日常の些細な瞬間にも表れます。例えば、先日息子が友達を自宅に招いた際、一人でゲームに興じている友達たちに「一人じゃなくて一緒にできる遊びをしようよ」と呼びかけていました。これは、立派なリーダーシップです。このような小さな行動が、人を結びつけ、共通の目標に向かわせる力を持っています。

私は20代前半のころ、何に関しても、どんな小さな事であっても、自分で決めることにこだわろうと決めました。例えば、唐揚げとハンバーグ、どちらを夕飯に食べたいかと聞かれた時に、どっちでもいいという気持ちの時もあるかと思います。でも絶対にどっちでもいいという判断はしないように心に決めました。一方に決められる理由が見つかればなおよし、見つからなかったら鉛筆転がして決めるということでもOK。とにかく他人に流されたり決められる前に自分で判断するということに決めました。これは自身のリーダーシップを育むことに大きく貢献しています。なぜなら自分でどの方向に進むかを決めることが、他者を同じ方向に向かせるための第一歩だからです。他人から与えられた方針を鵜呑みにしているだけでは、絶対に他者はあなたについてきません。

難しいのは、これほど重要なスキルなのに、リーダーシップだけで成り立つ仕事はないということです。世の中にリーダーシップ屋さんというものが存在しないことからもわかります。そのため、リーダーシップを持っていなくても何となく世の中に流されて生きることは可能です。しかし、自分で主導権を持って他者をうまくコントロールしながら自分の物語を作っていくことこそが、自分の人生を生きるということであるはずです。日々の忙しい仕事に追われていると、自分の人生は自分で作っていくものだという当たり前のことさえ忘れがちですが、自分の人生を自ら切り開くことを忘れないようにしてほしいです。

リーダーシップを意識することは仕事もプライベートも自分事として豊かにしていくための最重要スキルである事に少しでも気づいてもらえれば幸いです。どんな小さな瞬間でも、他者を引っ張り、共通の目標に向かわせる能力が、個人の成長や成功に繋がることを忘れずに、日々の生活に取り入れていきましょう。リーダーシップは特別な資格や地位がなくても発揮できるものです。あなたの日常において、今日からリーダーシップの種を蒔いてみてください。