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Terry Callierの魅力について

こんにちは、YAMAHANです。今年もゴールデンウィークがやってきましたね!
昨年同様、緊急事態宣言が発令されて安易に外出ができませんが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今しかできないこともあると思いますので、是非憂鬱にならずに自分のできることを着実に、コツコツとこなしていきましょう。

今回は表題の通り、『Terry Callier』について語っていこうと思います。テリー・キャリアーは主に1970年代に活動していたアメリカのシンガーソングライターで、近年になって再注目・再評価を受けているアーティストです。

筆者もここ最近(約1年程前に)知ったばかりであまり詳しくはないのですが、読者の皆様に是非とも紹介したい"知る人ぞ知る"名アーティストなので、今回の題材にさせて頂きました。

まずは、テリー・キャリアーの簡単な人物像と経歴を述べたのちに、特殊な音楽性とその魅力についてご紹介いたします。最後には筆者オススメの3曲をピックアップしていこうと思いますので、興味のある方は是非最後まで読み進めて頂ければと思います。

Summary

・Terry Callier の概略
   ー 人物紹介
   ー 経歴

・Terry Callier の魅力とは?
   ー 音楽性について
   ー 再評価について

・筆者オススメの3曲
   ー『Ordinary Joe』
   ー『Dancing Girl』
   ー『Hold'in On(To Your Love)』

Terry Callier の概略

・人物紹介
名前 : Terry Callier(テリー・キャリアー)
出生地 : 米国 イリノイ州 シカゴ
生涯 : 1945年5月24日 - 2012年10月27日
担当楽器 : ヴォーカル・ギター・ピアノ
職業 : シンガーソングライター他
共同制作者 : George Benson,Nujabes他

アメリカ、イリノイ州の北部シカゴ出身の彼は「Cabrini–Green Homes」と言われる20世紀半ばに建設された、「都市計画公営住宅」で生まれ育ちました。幼い頃からピアノを習い、なんと同級生には作曲家兼プロデューサーの「Curtis Mayfield」(以前の記事で紹介しています。)がいるという、偶然。奇跡としか言いようがありませんね。

また学生時代から既に音楽に魅了され、主にR&Bグループ(ドゥーワップグループ)のボーカルを務めていました。また、大学時代にはJazz界の大物サックス奏者「John Coltrane」の影響を強く受けていたのだとか。

後ほど紹介しますが、彼の作り出す楽曲にはサックスが多用されていて、影響を受けていたということがとても考察できると思います。

・経歴
1962年、彼が17歳の頃にChess Records(Cadet)のオーディションに合格し、デビューシングル「Look At Me Now」を録音することから始まり、1983年の一時引退までに6つのアルバムを発表しています。

デビュー後はフォーククラブやカフェで下積み時代を経験していますが、彼の全盛期である1972年〜1973年の間も当時ではあまり人気は無く、1990年代の再評価を受けるまでは商業的には成功してこなかった過去があります。

70年代にはJazzギタリストのGeorge Bensonのツアーに参加するなど、意欲的に音楽活動を行なっていたことは確かですが、裏方の仕事を担当することが多く、日の目を見ることはあまり無かったとのことです。

その後90年代に入り再び活動を再開しますが、2012年には癌の為、67歳でこの世を去りました。

Terry Callier の魅力とは?

・音楽性について
彼の創る楽曲は非常に複雑で、Folk、Blues、Jazz、Soulというカテゴライズに当てはまることはありません。

幼少期からピアノを習っていたという過去があることから、クラッシックな曲調を主軸としていますが、時にJazzの要素(即興演奏)を含んだり、Soul(黒人独特なリズム)な一面を見せたり、曖昧な音楽性を兼ね備えています。

やはり当時はジャンルで括ることが難しいという観点から、商業的に成功を収めることができなかったのでしょう。売り込む側からしても、扱いにくい商品であったことは確かです。

しかし時を経てオリジナリティ溢れる楽曲の数々は、多くの人の目に留まり再評価を受けることとなります。

・再評価について
再評価を受けることになったキッカケとしては、1990年代のDJブームが深く関係しています。

90年代のイギリスではアシッド・ジャズ(Acid Jazz)と言われる80年代のクラブシーンから派生したジャンルの音楽が流行し、DJ達を中心に"ジャズ・ファンク"や"ソウル・ジャズ"が多く選曲される流れとなりました。

結果として、ソウル・ジャズ・フォークをクロスオーバーさせる独自のスタイルを確立していたTerry Callierの楽曲が、改めて評価を受けることとなったわけです。

特に1973年に発表した「What Colour Is Love」を中心に、70年代の名作アルバムが大きな注目を集め、98年には18年ぶりのニューアルバム「Timepeace」をリリースして、完全復活を果たします。

・筆者オススメの3曲

① 『Ordinary Joe』

Cadetレーベル3部作1枚目のアルバム「Occasional Rain(1972)」の代表曲。彼の作品といえばこの曲のイメージが真っ先に浮かびますね。「Ordinary Joe」は「どこにでもいる一般人」という意味合いで、「普通の人間の意見(主に批判)に振り回されないで、自分を持って気楽に生きよう」という彼の主張が表現されています。

筆者はこの曲を聴いてTerry Callierの虜になったと言っても過言ではなく、何というか、どこにもカテゴライズできない曖昧さと、研ぎ澄まされた独自の音楽性が癖になりました。

Apple Musicのプレイリストでよくジャンル分けをしているのですが、何処に入れるべきか迷った思い出があります。笑

なぜか春〜夏にかけて聴きたくなるような曲調で、暖かくて優しい声と少し哀愁を感じさせるような独特なリズムと歌詞、まさに"たまに降る雨"を表現したような素晴らしい曲だと思います。今の時期にピッタリな名曲だと思いますので、是非チェックしてみて下さい!

ちなみに日本人DJの「Nujabes」は、Terry Callier本人を招いてこの曲をリメイクしています。近年LP化も果たしているので、そちらも合わせてチェックして頂ければと思います。


②『Dancing Girl』

Cadetレーベル3部作、前作と同年発表の「What Color Is Love」は多くの人を魅力した名盤です。そのアルバムの導入曲である「Dancing Girl」は独自性全開で、最もテリー・キャリアを表したような作品に仕上がっています。筆者もこの曲を聴いて彼の魅力に引き込まれてしまった、お気に入り曲でもあるんです。

曲の構成としては、約3分間にわたるFolk調の長い序章からスタートして、突如トランペットを駆使したジャジーな展開が2分間続きます。その後は少し憂鬱なリズムを兼ね備えたニュー・ソウルな展開に変わっていき、最後はバイオリンを使用したClassicなFolk調で締め括るという構成になっています。

特に本曲のメインディッシュでもある03:00〜のジャジーな急展開は本当に魅力的で、何度聴いても鳥肌が立ちます。ジャズ・ファンクでもなく、ソウルでもない。感情に直接訴え掛けられるために、言葉では表現することができないのでしょう。

1人のアーティストの曲を聴いているとは思えない何とも不思議な展開は、是非とも読者の皆様にも一度は体験して頂きたい作品に仕上がっています。またこのアルバムには名曲が勢揃いですので、1曲目以降も必聴です。


『Hold'in On(To Your Love)』

3部作から一つ外れた1978年発表の「Fire On Ice」からの一曲。勿論3部作である「I Jast Can't Help Myself」も良いのですが、ただ3部作を紹介するようではつまらないかなと思い、本作品を選曲しました。

「Hold'in On(To Your Love)」は当時の流行を取り入れたのか、シンセサイザーを導入することによって、さらにR&B・ソウル・ファンク調に磨きがかかっています。

しかし、所々にTerry Callier感が残っていて、バイオリンやサックス、クラッシックギターを駆使して独自性をしっかりと保っていることが分かります。

本作も合わせて70年代の"4部作"にして頂きたいのですが、まだまだ知名度は低く、今後も積極的にさまざまな方面の方々にご紹介していきたい次第です。

最後に

いかがでしたでしょうか。今回はTerry Callierの魅力について語ってみました。彼の詳細はまだまだ分からないことが多く、翻訳記事になっていることも少ないので、情報を集めることが非常に大変でした。

唐突ですが、知る人ぞ知るアーティストってまだまだ存在すると思うんです。彼もその中の1人だとは思うのですが、そういったアーティスト達を発見しては、皆様に都度ご紹介できればいいなと思っています。

これからも音楽について週一で情報提供していくつもりです。コメントや意見等、お待ちしております。

ではまた。

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