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共通テスト直前アドバイス①

▼2022年度の共通テストまであと10日ほどとなりました。そこで,英語リーディングとリスニングについて,直前アドバイスをいくつかご紹介します。

【1】リーディング/リスニング共通

① 試験開始と同時に問題冊子の最初から最後までをごく短時間でチェックし,問題構成を確認する。

▼2021年度と同じ形式・分量・構成とは限らないので,まず問題冊子を最後までざっと通して見て,大問の数を数えておきましょう。なお,リーディングの場合,試験時間の配分をその場で決定しなくてはなりませんから,事前に問題構成を確認して全体像を把握することは非常に重要です。

▼ちなみに,リーディングの問題冊子は,2021年度第1日程(本試験)が37ページ,第2日程(追試験)が38ページでした(途中,白紙ページを含む)。単純計算で,1ページ2分とした場合,第1日程では以下のように時間配分を考えることができます。

第1問 4ページ分×2分=8分
第2問 7ページ分×2分=14分
第3問 4ページ分×2分=8分
第4問 4ページ分×2分=8分
第5問 5ページ分×2分=10分
第6問 8ページ分×2分=16分
    合計 64分

▼もちろん,これはあくまでも単純計算にすぎません。第1問の1ページ分の情報量と第6問の1ページ分の情報量ではかなり差があります。また,第3問などでは複数の情報を複合的に把握して解答する必要があるために,どうしても時間がかかりますから,前半の大問ではなるべく目標時間を短めに設定し,余った時間を後半の長い問題に回せるようにしましょう。

② 設問をよく読んで,問われている内容を正確に理解すること。

▼あたりまえのことに思うかもしれませんが,試験本番では緊張して設問を読み間違えたり,焦って「早とちり」したりすることも往々に見られます。たとえば,「正しくないものを選べ」という問題なのに正しいものを選んでしまうといったミスをしないよう,注意しましょう。

③ 難度の高い単語については,どこかにその単語の意味のヒントになる表現がある可能性がある。

▼共通テストは,センター試験と同様に,高等学校の学習指導要領の範囲内から出題されることになっていて,文章の難度は CEFR の A1~B1のレベルで設定されています。そのため,やたらと難しい単語の意味を問うような問題は出されませんし,出されるとしても,本文の内容から必ず推測できるように作られています。

本文中に語彙レベルが高い語,例えば,“concussion”や“spotter”などが見受けられるが,それぞれの語に対して本文中に前者は“A concussion is an injury to the brain that affects the way it functions;”と定義があり,後者は“two concussion spotters, who had no medical training, monitored the game in the arena.”と説明があり,特に問題となる点はなかった。

大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書 令和3年度試験(1月16日・17日),p.361

▼もちろん,単語の意味を推測するためには,前後の表現を知らなくてはなりませんし,二次や私大の試験も控えている以上,語彙の知識は多ければ多いほど良いのですが,100%完璧な単語の知識を備えて試験を受けることは不可能です。もし未知の単語に出会ったとしても,「どこかで説明しているのではないか」「どこかに言い換えがあるのではないか」と考えながら先に進みましょう。そこで考え込んで時間を浪費しないように注意してください。また,どうしても意味がわからない場合,せめて品詞だけでも特定し,単語は訳さずにそのまま受け入れて先に進みましょう。

④ 選択肢と本文の「言い換え」に注意しよう。

▼共通テストはセンター試験と同様に,正解の選択肢も本文の表現をそのまま使っているとは限らず,かなり巧妙に言い換えることが多く見受けられます。そのため,「本文の内容は理解できたのに設問に正解できなかった」というケースが多く見られます。

いずれの問いにおいても, 選択肢が英文中の語から言い換えられており,単に選択肢の英語を英文の中から探すような読みでは正解にたどり着けない問題である。

大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書 令和3年度試験(1月16日・17日),p.364
※太字引用者

各方面からのコメントはおおむね肯定的なものであった。特に高校教員からは,「ただ単に読んで内容を理解するだけにとどまらず,発展的に情報を発信したり,誰かに情報を伝えたり,表現する」内容である。「答えは本文に直接的には書かれておらず,内容全体を理解して,思考しないと解答できない問題」「読んだ上でその後あなたはどうするか,という将来の行動について考えさせる問題」「より現実に近い設定を与えることで,読む技能を試すだけではなく,発展的に思考して判断する力を問うものであった」など評価が高かった。

大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書 令和3年度試験(1月16日・17日),p.365
※太字引用者

▼上に引用した文章の太字部分のように,単純な言いかえ問題ではない,ということに注意して,選択肢を吟味するように注意しましょう。

(続く)

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