共通テスト直前アドバイス③
▼共通テスト直前アドバイス①・②はこちらからご覧ください。
▼最終回の今回はリスニングについて扱います。
【3】リスニング
▼共通テストのリスニングは，センター試験の時に比べて問題が複雑化・多様化し，さらにセンター試験の時は全て2回読みだったのが，第1問と第2問のみ2回読みで第3問から第6問は1回読みとなったため，全体として問題の難度もセンター試験より高くなっていると思われます。1問あたりの配点もセンター試験の時より高くなっています。
▼また，共通テストのリーディングでは文法を直接問う問題が姿を消しましたが，リスニングでは文法の知識と音声の知識をリンクさせる問題が出題され，さらに，センター試験の「筆記」で出題されていた第3問C問題（意見要約問題），第4問A問題（グラフ・図表読解問題），第5問（イラスト＋複数の話者による読解問題）などに相当する問題が，共通テストの「リスニング」で出題されています。こうしたことから，共通テストのリスニング問題は，センター試験の「筆記」で問われていた問題が音声で問われている，と考えることができます。
▼リスニング問題で最も大切なことは，問題冊子に書かれている情報を使った「聞く前の準備」です。特に，第3問以降の「1回読み」の問題では，長く複雑な文章が読み上げられるため，問題冊子に書かれた情報を事前にきちんと把握することが欠かせません。英文が読み上げられる前に，少なくとも，以下の点について必ずチェックしてから音声を聞けるようにしましょう。
① 「対話の状況」と問題文があれば必ず読む。
▼「誰と誰が」「どのような状況で」「何について」話しているのか，さらに，「どんなことが問われるのか」を事前に把握しましょう。なお，設問に probably（おそらく）と書かれている場合，読み上げられる本文では直接言及されず，読み上げられた情報をもとに「推測」する必要がある可能性が高いことにも気をつけましょう。
② 選択肢については，最低限「名詞」だけでもチェックする。
▼あらかじめ選択肢を全文丁寧に読むことができなくても，最低限，「名詞」だけでもチェックしておくことで，読み上げられる英文の内容を予測したり，関連する表現が登場するであろうと予測することができる問題もあります。また，固有名詞があれば必ずチェックしておきましょう。固有名詞は音声だけに頼ると，何のことかが全くわからないことがあるためです。
③ 第5問のワークシートとグラフを含む問題では，読み上げられる前に設けられた時間内にどれだけ多くの情報を把握できるかがカギを握る。
▼試行テストおよび2021年度の第5問は以下のような構成になっています。
(a) ワークシート：読み上げられる英文全体の前半3分の2程度の内容の要約
(b) 設問＋選択肢
(c) グラフ・図表：(a)・(b)に関連した内容のグラフ・図表
(d) 設問＋選択肢
▼このうち，(c)と(d)は次のページにあるためついチェックを忘れがちですが，(a)と(b)の内容に連動しているため，(a)と(b)をチェックしたらすぐに(c)と(d)もチェックしてください（(a)・(b)で読み上げられた内容を把握していないと(c)・(d)で読み上げられる単語の意味がわからない場合もあります）。
▼チェックする時間が短いため，第4問の問題を解き終えたらすぐに第5問の設問を確認するように心がけましょう。
【4】最後に
▼リーディング／リスニングともに言えることですが，センター試験の時と同様に，共通テストについても，設問の形式や分量が前年度と全く同一ということはなく，おそらく，2021年度の問題と異なる形式の問題も出題されるはずです。なにしろ，出題者である大学入試センターは「パターン化」を極度に嫌っているふしがありますから。ですから，「問題は変化して当然であり，全く変わっていなければラッキーだ」というつもりで臨んでください。
▼とはいえ，出題者は受験生に余計な心理的負担をかけないようにと細心の注意を払って作問しているはずです（受験生に余計な心理的負担をかけないように配慮する，という趣旨のことは，報告書にも記されていました）。また，受験生が2021年度の出題形式に従って学習していることは予測済みですから，全体としては2021年度の形式を踏まえつつ，さらに部分的にブラッシュアップした問題を出題するであろうと考えられます。
▼たとえ初めて見る形式の問題が出題されたとしても，そこで戸惑ってはいけません。全ての受験生にとってそれは初見の問題であり，また，必ずどこかに解答を導くヒントがあるはずですから，これまで学んできたことを総動員して，決してあきらめず，果敢に挑みましょう！
You can make it!!
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