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刺激を受けるのは大切なこと

▼この週末,土曜日には渋谷で角松敏生さんプロデュースのミュージカル『東京少年少女』を観劇しました。演技の勉強をしている身として,また,曲作りもする身として,とても刺激を受け,勉強になりました。

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▼『東京少年少女』は,とある架空の高校の吹奏楽部が舞台。その学校に非常勤講師として務める部活のOGが部の顧問となり,部に所属する生徒たちとともに成長・変化を遂げる様子を描いた物語です。2019年4月に角松さんが「架空のミュージカル作品のサウンドトラック」という設定で発表した「東京少年少女」という曲が,本当にミュージカルとして実現したというものです。

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▼角松さんご本人は音楽監督として公演中はずっとPA卓に張りついていました。終演後に横を通りかかったらぐったりと疲れきったご様子でした。( ^_^ ;)

▼学校を舞台に,生徒による生演奏を混じえながらのミュージカルということで,3年前にブロードウェイで観た "School of Rock" を思い出しましたが,『東京少年少女』は登場人物が高校生なので,小学校を舞台とした "School of Rock" よりも生徒一人一人の成長や変化に焦点が当たっているという点で趣は異なります。また,将来のことや家族のことなど,生徒一人一人が抱えている問題を扱い,それに対して各自がどう向き合っていくのかを描いている,という点でも,シリアスさが際立っていました。

▼シリアスさ,という点についてですが,これは観客がミュージカル慣れしていなかったこともあるのかもしれませんが,あまり笑いがおきず,演者の側にもやや堅さが見受けられた気がします。もっとも,休憩含めて3時間半近くの長丁場で,わずか3日間だけの舞台ですから「こなれる」暇や余裕はなかなか持てなかったのではないか,とも思いました。その分,一人一人が真剣な眼差しで,まるでアスリートの競技を見ているかのような気持ちにもなったところがありました。

▼そして,翌日曜日は,東京から岡山に戻る途中,大阪に立ち寄り,大阪工業大学梅田キャンパスで開催されたFLE × ICT Expo 2019(外国語教育✕ICT)を聴講しました。といっても,到着したのがかなり遅かったのでごくわずかな発表しか聴くことができませんでしたが,それでも非常に刺激を受けました。

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▼参加者の多くは大学教員や学校教員で,私の見た限りでは,私のような予備校・塾の講師はいませんでしたが,最先端のICTを活用している学校の実践例を知ることは,私のような仕事をしている者であっても知っておくべきことだ,と思うのです。というのも,今後(あるいは既に),こうした教育を学校で受けた生徒さんを指導する可能性があるからで,塾・予備校と学校の差異化または連携を考えるうえで,いま,学校でどのような英語教育がなされているのかを把握する必要があるからです。

▼語弊を恐れずに言えば,かつては「学校より塾・予備校の方が良い授業をしている」という思い込み(むしろ,「思い上がり」,と言うべきかもしれません)が支配的だった時期があったように思えますが,むしろ今は学校と塾・予備校が行っていることが非常に近くなり,差異化できなくなってきたように思えるのです。また,ICTの活用に関して言えば,学校の方がはるかに先を行っているようにも思えます。

▼もちろん,塾や予備校でICTは不要だ,という考え方もありますが,たとえば英語ではリスニングやスピーキングなどの音声指導において,音声だけでなく動画も活用したり,発音をチェックするアプリの活用も行われていますから,受験勉強でもICTの活用が効率的だと考えられる場面がこれからは増えてくるのではないかと考えられます。

▼もちろん,この会で発表された先生方は最先端の実践例を紹介してくださったはずですし,私が聴講したのはたまたま私立の学校の先生方の発表だったので,公立の学校も含めて全ての学校で同じことができているわけではないと思いますが,率直に言って,「学校でこれだけ工夫を凝らした授業を受けてきた生徒さんを,塾や予備校で指導しなければならないのか…では,どうやって?」という思いが生じたのも確かです。

▼そんなわけで,この週末はとても良い刺激をたくさん受けることができました。また,FLE × ICT Expo 2019では高校の同級生とも再会できたり,以前からTwitterでつながっていた先生方とも対面できたりと,わずかな時間ではありましたが,充実したひとときを過ごすことができました。

▼もちろん,刺激を受けたからといっても,今の自分にすぐできることは限られていますが,それでも一つずつ,前向きに課題を乗り越えていきたい,と思うのです。




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