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2023振り返り

業界的には ChatGPTが劇的に台頭したり、twitterが買収されたりとネットビジネス激動の1年だった気がする。個人としては人生初の転職をしたり、藤沢に引っ越し、鎌倉・湘南エリアで新しい出会いが沢山あったりとガラッと生活が変わった一年だった。あと奥さんが2022.11月から全治半年の複雑骨折をしていて2月頃まで車椅子生活だったのも大変だった(今は完璧に治った)。街行く人たちの小さな優しを感じたり、街のバリアフリー具合に目がいくなど。


仕事・業界

人生初の転職をしたのでやはり大きな変化があった。
2022年12月の頭にトライアル(入社試験的なやつ)を受けてオファーをもらい、同週に受諾、12月の末には前職に退職意向を出していた。そんなこともありお正月休みなどはdbtの勉強したりしていた記憶。
退職日は3月15日となったが、1ヶ月ほど有給消化をするため2月の真ん中には会社を去るということで、2月はいろんな追い出し会をしてもらった。8年間働いて初めての長期休みということでこのあたりは気が抜けて毎日のほほんと楽しく暮らしていた気がする。
退職時には業界恒例の退職ブログを書いたり、運営していたPodcastで8年の思い出を喋ったりした。

ブログには大きな反響をもらい、「あぁ自分の8年は無ではなかったのだな」と嬉しい気持ちになれた。転職後の不安な時期をこのブログの反響に支えてもらったといっても過言ではない。このときに温かい感想、労いの言葉を表明してくれた方々に改めて感謝を。
退職直後にブレインパッドの社長が交代されたのは驚いたなぁ

転職先である10Xではこれまでのデータ分析の業務とは異なり、ネットスーパーアプリのデータ部分の開発(”データプロダクト”と呼ばれている)を行う仕事を行っている。データ繋がりではあるが、分析ではなくプロダクト開発がメインであり使うスキルや考え方はアナリストよりもエンジニアのそれに近い。なかなかに苦戦している。データ分析の知見が活きないというわけではないが、今はまだとにかくアプリを動かすための開発が優先という感じで、今後データの品質改善やデータプロジェクトの進行改善を行うフェーズではもっと貢献できたら良いなと思っている。ポジティブには新しく学ぶことが多く、チームはリーダーシップを発揮する人ばかりなので良い職場だと感じているが、まだまだチームの練度・開発の練度は伸びしろがありそう。
なんたってアプリもまだまだ3周年たったところ。記念企画のときには同じチームの部長とPodcastを撮らせてもらった。

「データプロダクト」が何であるかを登壇イベントで話したりもした。次は
もっと面白い話をできるようになりたい。

メインコーダーとして開発をした生鮮市場TOPさんもリリースされた。バカスカ買われるようにしたい。

9月移行はリリース後アプリのデータ部分の保守や、さらに運用を軽くするための改修開発、他の複雑なパートナーの実装、R&D的な活動等によりとにかく忙しかった、というかまだ現在進行で忙しい。気持ち的には前職の倍は働いている気持ち。スタートアップにいくと「3ヶ月が1年分の体験」みたいな言説をよく見るが、とにかくやらなければいけないことがたくさんある・それらが大体自分にとって新しい体験である・スピード優先なのでだいたいが”ナルハヤで”みたいな感じなのでそう感じるのも当たり前だなと思う日々。そして忙しいときこそいろんなアイデアが降ってくるので年明けにいろいろ実装したいことがありまぁ楽しくやれている気がする。
データ界隈の今年1年のトピックは「データ基盤」と「LLM」の一色だった気がする。開催されていた勉強会もだいたいこれ。ChatGPTにより業界のパラダイムシフトが起こりそうな香りを充満させた2023年。今年はどんな技術トレンドの一年になるか楽しみ。

Podcast

退職により白金鉱業.fmを卒業し、個人のPodcastを始めた。
あと、ずっと行きたいと思っていた東中野 雑談にも初めて行った。そもそもお店が素敵ということもあるが、クラフトビールxPodcastは考えれば考えるほどよいコンセプトだなと思え、自分の家の近くにもあってほしいなと感じる。

この繋がりで、はてなの創業者かつ現在はPodcastアプリListenを作っている近藤さんにもお会いできてとても楽しい夜だった。
あと、10Xでは入社した人が自己紹介するという恒例の10X.fmにもでた。ずっと聞いていた番組なので感慨深い。
Podcast界隈全体としては、OpenAI社のWhisper登場によってPodcastの文字起こしがついに現実となり、実際にそのようなサービスを提供するアプリや個人が登場したが、意外にそれ以上の反響はなく、youtubeのように広告ビジネス・案件ビジネスがPodcastにも台頭したり、画期的に便利な再生アプリが生まれたりもせず過去の延長線上に運行しているっぽい。「人の会話」はともすれば刺激的なSNSや動画と違い、日常生活の中でも目の前の人とすぐにでもできるものなのでお金を払ったりする対象にならないのかもしれない。どこまでも属人的で難しいメディアなのかもしれない。
一方で、今年のPodcastWeekendはかなり盛り上がっており、また、初めて会う人も「Podcastやってます」みたいな人とちらほら出会うことが増え益々一般趣味化していっているのを感じる。

旅行・海外旅行

6月にハワイ、9月に台湾へ行った。コロナ前振りの久々の海外旅行だったので日本人に馴染みの国から。おおよそ3年振りだったか、この3年で海外旅行の方法は大きく変わっていた。
旅行系youtuberによって外さない観光場所を見つけ、uberで呼び出して移動し、eSIMで電波の心配がなくなり、google mapでローカルバスや電車の発着時間を確認でき、各種翻訳アプリで現地の人とコミュニケーションが取れる。ITソフトウェアの発展によって劇的に海外旅行が楽になっていたが、同時にセレンディピティー、海外のちょっとしたトラブルをクリアして得られる自己高揚感など、旅の経験値や思い出、旅の摩擦が減った印象を受けた。
SNSやネットで予習をしすぎると、旅がただの確認作業になってしまう。しかし情報があるにも関わらず敢えてインプットしないというのも勿体ない。効率(タイパ・コスパ)と生の体験、旅行に限らずこれからの人類の益々デカくなる悩ましいトピックになりそう。
国内では3月の有給消化中に京都で1週間ほどブラブラした。京都も同じくかなり久しぶりだったが、昔と違ってLUUPが至る所に設置されており移動が大変便利だった。特にサウナ後にホテルまで夜風に当たりながら京都の街をLUUPで帰るときは ととのいが並行移動して人生を謳歌している感じがすごい。LUUPは単に旅をショートカットしたりする道具ではなく、いい感じにスローなテクノロジーなのが良い。特に京都のような道の移動、訪日外国人でも利用できるなどLUUPは京都のためにあったのではないかというくらい感動した。

観葉植物

しばらく引っ越さないだろうと思ってデカい観葉植物などを探し始めた。そのときに植物系youtuberの影響でパキポなどの塊根植物を育て始めた。今となっては植物用のライトを吊り下げたり植物用の扇風機で風を回すなど植物のために電気代を払う日々。

サウナ

今年もなかなかディープなところへ行った。
2月は北海道へ。噂通りの最高な北海道ホテルではモール泉とウォーリューが文句なしだった。そして雪ダイブをするために白銀荘まで行ってきた。90度からマイナス10℃までの落差100℃を体感し、正直整うどころではなかった。ここまで来るときっと体に悪いはず。髪がバリバリに凍ったのも楽しい体験だった。

5月の終わりにThe Saunaに併設されているEarthBoatへ。このビジネスを始めたGoさんのお家のサウナに宿泊した時に痛く感激し、そんな人が作るサウナトレーラーはさぞいいだろうと予約受け付け開始した瞬間に予約したやつ。トレーラーハウスのテイストが完全にGoさんの家と同じオシャレさだったので大変良かった、サウナが良いのは言わずもがな。完全プライベートな一棟貸しなのでペットや小さな子どもがいるサウナーにはとても良いのではないだろうか。夜遅く、静まり返った自然の中で星空を眺めながら外気浴できる体験に勝るものなし。5月だと野尻湖も水が満ちているのでトレーラーハウスからちょっとだけ歩いて湖ダイブもできる。めちゃくちゃ良かった。

8月は奥さんの実家である徳島へ。そこにある「森のサウナ」が過去一のnature系サウナだった。森を守るために山を買った人が経営するサウナ。山は手入れしないと酸性に傾くため、間伐材をサウナで灰にしてそれを山に撒いてアルカリの土に調整している。他の活動も含め、森林保全界隈では有望な取り組みとして注目されているそうで、林業関係者が視察としてサウナに来ているらしい。自生する薬草を使ったハーブロウリュウがとても良い香り。一線を画すサウナ。
一緒に初めて阿波踊りも見た。生で見れて面白かったが、会場の名前が「起業しろ演舞場」だったのがじわじわくる

9月は山梨のFOLKWOOD SAUNAへ。キャンプ場に併設された山の中のサウナで、キャンプとサウナが好きな人には待望の場所という感じ。徒歩圏の道の駅に宇宙ビールのタップルームがあったり、車ですぐの場所に有名なローカルスーパー ひまわり市場 もありキャンプ地としてのロケーションが最高。また行く。
都会のサウナも好きやでということで西荻窪のサウナも。広いコワーキングと併設しており作業が捗る。都内サウナが目指す先はやはりこうしたWork xサウナなんじゃないかなと思っている

湘南生活

1年暮らしたが藤沢は改めて良いところな気がしている。チャリ15分ほどで江ノ島の海に行ける近さがありつつも、駅前には有名所の小売・飲食チェーンはほぼなんでもあり生活に不便することは一切ない、というかここまで揃ってる場所はなかなか無いのではというほど。隣駅にはさらに大型のショッピングセンターであるテラスモールがあったり、鎌倉にも15分で行ける。仕事で都内に出るときも、乗換なしで東京45分、品川36分。朝は混雑して座れないが、横浜駅でかなり降りるので座れることが多い(800円ほどでグリーン車に乗る怠惰も覚えてしまった)。小田急の始発で新宿にも58分。羽田空港へはリムジンバス、成田へは隣駅から成田エクスプレスが発着している。引越し前は都内への電車移動をやや心配していたが、全く問題ないというかむしろ便利。人口密度も都内よりは少ないのでスタバやランチでもだいたい待たずに座れるのも良い。
記録的な暑さの夏だったが、せっかくなのでサーフボードを買って夫婦で本格的にサーフィンを始めた。

一昨年の夏に引っ越し先を探しているとき(その時は都内にするか湘南にするかまだ迷っていたとき)に、せっかく江ノ島まで来たんだからとノリでサーフィンレッスンを受けたら、そのショップ自体の雰囲気の良さ、店員さんとお客さんの距離感の良さが魅力的で「この生活続けたいねー」ということで藤沢引っ越しが決まった感じだった。あと、ショップの人がサウナガチ勢で、なんと来年ショップを全面建て替えして会員限定のサウナを作るということだったので運命を感じた。2024年秋の完成とのことで楽しみ。湘南よろしく、電動チャリにサーフボードを横付けするキャリアも装着してしばらく通ったがサーフィンは全く上手くなっていない。

週末のPC作業場所として大体鎌倉のコメダや御成スタバで作業してることが多かった(というかほぼ毎週末いた)。鎌倉は程よいローカルな雰囲気と、他人との程よい近い距離感が残っており、街のごはん屋に行くと店員さんや他のお客さんと話すこともある。 都内と違うこの雰囲気や自然との近さを好んで住んでいる人も多く、同じ年代の友人もたくさんできた。東京とはまた違う雰囲気で起業を推進しているコミュニティーもあり、年代が近いこともあり最近はその辺りの人と楽しく遊んでいる。島根で街づくり活動に参加していた経験や、スタートアップ好きなこともあり、都会から離れた場所で何かムーブメントを作るという動きがとても好きなのでお気に入りの街になってきている。
実際に9月頃から鎌倉市の起業プログラムに顔を出しており何かやろうと準備している。本当に起業する人はこういったものには参加しないのだろうが、これまで出会ったことがないタイプ・年代の人と交流する機会があり個人的には楽しんでいる。「AI・ITでスタートアップ!」というものとは全く異なり、もっと街や地縁、地域文化保全、地域に住む人との繋がりなどに関する息の長い活動を半分趣味でやろうと思っている。2024年の振り返りには何かしら進捗報告できるように頑張りたい。上記の通り、住む場所的にも人間関係的にも気に入りそうな人は他にもたくさんいそうと思っている。どんどん布教したいので都内から一人でも友人を引っ越しさせられたら嬉しい。

5月の逗子の花火大会

湘南の神輿は海へ突っ込む

8月は葉山・藤沢・辻堂・茅ヶ崎に住む10XメンバーでBBQ

「逗子もヤバいぞ」というとてもおもしろい話を聞いたので2024年は逗子の方にももっと足を伸ばしたい。
藤沢市といえば、母校であるSFCもあり、まちづくり系のSFC関係の活動がチラホラと周辺にあるのも好き。長い人生の中でもう一度大学に通って学び直しするのもやってみたいなと思っており、SFCはどうなっているのかしらと思いオープンキャンパスイベントでもあるORFに遊びにいったりもした。

ベストバイ

今年もいろんなものを買ったが、一つ上げるならGalaxy Z Fold4の折りたたみスマホ。

いまはメインスマフォはiPhone13mini, 読書スマホとして Z Fold を運用している。Z Fold には日本通信simの1GB290円プランのeSIMを使っている。家ではwifiで使い、電車や外でのkindle読書、ブックマークした記事を読むだけに使っているので1GBでも間に合っている。スマホ以上iPad mini以下の画面サイズが本当に絶妙で、電子書籍や積読記事の消化がとても捗っている。防水なのでそのまま風呂に持ち込めるのも至高。Appleからも折りたたみを出して欲しい。

2023年の考えの総括、2024年以降の宿題

印象的だった出来事がある。
うちのマンションは数百世帯ある大型マンションだが、今年初めて住民総会があった。参加したのはそのうちたった1割ほどで、更にそのうちの1人のおじいちゃんがお門違いな主張を何度も繰り返し、予定時間の1.5倍伸びた。人が集団を形成した場合、コミットの高い人は1割以下で、また1人でもヤバい人がいると全体が崩れるという、最近はネットでも会社でも政治でもどこでも見るシーンの縮図をここでも見た気がした。何事にもバランスが重要だが、最近は多様性受容社会の元、個人の主張や主義の尊重側にウェイトが大きめなのかもしれない。個人のメリットに重きを置くか、集団側(全体)の秩序や生活維持に重きを置くか。

例えばネットスーパーは買い物難民、老人、その他事情の人々の個人にとって「あるに越したことはない」を超えて「無くてはならない」サービスになりうると思うが、運営するスーパー的には確実な黒字が見込めないならスタートできない。特に地方こそネットスーパーが必要だと思うが、地方スーパーは自分たちこそが地域のインフラを支えているという強い使命感を持っていて、一度始めると「儲からないからやめます」と簡単に言えないという強い責任感も持っている。個人にメリットはあるが、集団側のメリットが小さいため維持が難しいという例。
例えば、地域の文化。北鎌倉には60年に1度だけ開催されるお祭りがある。超低頻度ではあるが歴史自体は700年以上続いているらしく、誰から見ても未来永劫残したほうが良さそうな歴史的なお祭りに見えるが、他の多くのお祭り・文化と同じく運営の人手不足に悩んでいるらしい。これは集団側のメリットよりも個人のメリットが小さいため維持が難しい例。

さらに話を難しくしているのは最近のタイパ・コスパ指向だと感じる。
往々にして、個人のメリットの時間スケールは短期的で、集団メリットの時間スケールは長い。5年先に何が起きていてもおかしくない不確実な世界で、20,30年先を見据えてコミットできる個人が本当にいるのだろうかと思えてしまう。Z世代のキャリア感も「短期(長くても3年とか)で成果を上げる」ことが基本戦略と言われていて、ただ現代社会に置いてはそれが正解に近く、逆にそれに参加しないと大損するリスクが大きいというチキンレースになっている気がする。これから大人になる子どもたちにとって、例えば研究職のような何かしらの成果が見えるまでにタイムスパンが10,20年必要な仕事につきたいと思える子供がどれだけでてくるのだろうかと心配になってしまう。

例外なく、自分自身もこのタイパ・コスパ思想に取り憑かれてしまっている。社会がこのチキンレースを強いているというのもあるが、そもそも人間の報酬系的にもこの方が刺激的でやりがいを感じやすく楽しいと思ってしまうのだろう。ただ、これに流され続ける限りは住民みんなが快適に過ごせるマンションも、ネットスーパーも、文化的資産保全も何も達成できないのではと感じていてとてもモヤモヤした気持ちになっている。個人のメリットvs集団のメリット以外にも、報酬獲得までの時間が短期か長期かのバランスも塩梅を見る必要がある。
ネットスーパービジネスに参画し、マンションローンに縛られ、文化がたくさん残るちょっと田舎な湘南エリアに移り住んだことでこのあたりの問題意識がとても高まっている。

2024年はこれに自分なりのアクションを行い、小さい範囲であっても方策を見つけたい、自分の中のモヤモヤに筋を通したい。

ということを1月1日の湘南テラスモールのカフェで書いている最中に能登半島地震が起き商品棚が揺れている。それでも楽しげに買い物を続けるたくさんの人達。胸騒ぎな2024年のスタート。

読んでいただきありがとうございます! Twitterでもつぶやいています 👉 https://twitter.com/yutatatatata