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#6 meは何しに「柳ヶ瀬」へ|2023.3.19(sun)「SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」開催レポート

主催より

 「セントラルパーク『金公園』(こがねこうえん)」のリニューアルオープン記念ということで、柳ヶ瀬商店街から金公園にまでエリアを拡大することとなった、2023年3月19日(日)「SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」。
 初の試みに不安もありましたが、当日は天候にも恵まれ、出店者、来場者ともに多くの方々が足を運んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 今回は山梨県を中心に活動されている、フリーライターの野呂瀬 亮(のろせ りょう)さんに取材、レポート執筆をしていただきました。以前コンタクトを頂いたのがご縁で、一つの節目ともなった本開催の様子を丁寧に記録してくださっています。
 ぜひご一読いただけましたら幸いです。


柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社


Report text & photo by 野呂瀬 亮

 リニューアルした「セントラルパーク『金公園』」と柳ヶ瀬商店街に総勢124店ものブースが並んだ「ぎふ・柳ヶ瀬SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」。エリア拡大に伴い多くの出店者が集まったこの2023年3月19日(日)の会場を彩ったのは、ハンドメイド雑貨やアクセサリー、コーヒショップ、フード、木工作品、古着や八百屋さんまで「日々の暮らしを豊かにする」品々たち。
 開催当初からほぼ毎月参加している出店者も少なくなく、来場者だけでなく、出店、運営のメンバーたち自身が「サンビル」のファンであることを再認識する。今回はそんな出店者の皆さんに「サンビル」の魅力や、参加に至るまでのきっかけや想いなどを話してもらった。

1..N(コーヒー / デザート)

「サンビルが始まった当初からできるだけ出店するようにしていますね。実店舗は名古屋にあるんですけど、なかなか来たくても来られない人たちがサンビルに足を運んでくれるんです」

 そう話すのが自家焙煎のスペシャルティコーヒーとデザートが好評の「.N」オーナー千葉(ちば)さん。岐阜の出身であるということもあって、街を盛り上げるサンビルの取り組みにも前向きに協力をしているのだという。

「SNSなどで出店の告知をすると、地元の仲間が会いに来てくれるのも嬉しいですね。もちろん売上は大切ですが、いろんな人との出会いや仲間との再会の場になっているのも出店する理由になっています」

 “ここでしか会えない人”がいると笑顔で話す千葉さん。来場者、出店者、古くからある商店街のお店を上手に繋ぎ、その輪を広げていく姿を見習っているイベントも多いのでは、とこれからのサンビルに期待を寄せていた。

.N(ドットエヌ)
住所:愛知県名古屋市天白区原1-1709
電話:052-838-6737
営業:[月・水~土]9:00~18:00
定休日:火曜・日曜
URL:https://www.dot-n-coffee.com/

2.BEN used& vintage clothing(古着 / アメリカ雑貨)

「2022年の9月ぐらいから出店し始めました。普段は大阪で店を構えているんですけど、向こうではこういったイベントがあまりないのでありがたいです」

 宝玉会館の「フルギロード」に出店する「BEN used& vintage clothing」のオーナー知名(ちな)さん。アメカジやミリタリーなど、ヴィンテージの古着や小物を中心にセレクトをしている大阪市の古着店だ。

「これだけ各地から古着屋が集まっているエリアなので、“服が好き”という人には嬉しいエリアですよね。告知をするとわざわざ遠方から足を運んでくれる人も多いですし、イベントをきっかけに実店舗のお客さんになってくれる人もいます」

 「フルギロード」には、BENのようなアメカジ、ミリタリー系を始め、ストリートやアウトドア系、ラグ専門店など、13もの個性豊かなショップが連なる。サンビルをきっかけにショップ同士で市場やイベント情報の交換など、新たな交流が生まれ、また新しいイベントが立ち上がることもあるのだとか。サンビルでは出店者、来場者、運営など、どの立場の人にもバリューがあるよう綿密なイベントデザインがなされていることが垣間見える。

BEN used& vintage clothing 
住所:大阪市浪速区恵美須西2-5-20下辻ビル202
電話:090-4296-1140
URL:https://instagram.com/ben_used_vintage?igshid=YmMyMTA2M2Y=

3.Wood Work Studio タジェール・デ・マエダ(天然素材の木の器)

「参加し始めて6年になりますが、毎回出店者さんたちのクオリティの高さに驚きますね。“サンビルに出店している”と言うだけで箔が付くというか、お店の宣伝にもなるんですよ」

 すべすべと肌触りの気持ちいWorry Woodを手に笑顔を見せる前田(まえだ)さん。同県多治見市に「Wood Work Studio タジェール・デ・マエダ」という工房を構え、天然素材を用いた木の器などの作品制作を手がけている。

「積極的に各地のイベントに出店しているのですが、サンビルはいつもお客さんの反応がいいんです。出店者も含めアンテナの高い人が集まっているので、現場での出会いも自身の活動にとって大きな財産になっています」

 木工作品だけでも数店舗、他にもハンドメイドの雑貨やアクセサリー作家等も数多く集まるサンビルならではの新しい出会い。同じ作家同士で刺激を受け合いながら、また新たなアイディアや創作意欲が湧いてくるのだと前田さんは話してくれた。

Wood Work Studio タジェール・デ・マエダ 
電話:090-2061-0232
URL:https://taller-de-maeda.jimdofree.com/

4.青市(野菜)

「普段はずっと野菜たちと向き合っているので、こうしてお客さんと会話をするのが新鮮で楽しいんですよ。元々照れ屋な方なんですけど、ここ3年ぐらいの出店でトークもかなり磨かれたと思います!(笑)」

 「僕の写真はいいです・・(笑)」そう照れ笑いを浮かべていたのは、同県関市で専業農家を営む大澤(おおさわ)さん。元々は専業農家の仲間が集まった出張八百屋としてこの「青市」を始めたそうだが、現在はこうして大澤さんが一人で店を切り盛りしている。

「忙しくて参加できない仲間の野菜も並べていますね。サンビルはお客さんとの距離がすごく近いので、人と触れ合うのがどんどん楽しくなっていく。自分を成長させてくれる場なので、これからも僕は参加していきたいです!」

 野菜の説明や調理方法などをあれこれ説明する大澤さん。彼の人柄もあってお店の前には多くのお客さんが集まっていた。長年愛される地域に根付いたイベントだからこそ、来場者と出店者との距離も近くなる。共に出店者たちも成長し続ける営みが、ここサンビルにはあるのだろう。

青市 
URL:https://www.instagram.com/yak.oz/


 ここまでの話を聞いて強く感じたことは、この「サンビル」に参加すると言うこと自体に大きなメリットがあるということ。出会いや再会、情報交換や交流など、時間やコストを費やしてでもここに集まる理由は人それぞれだが、出店者本人たちが生き生きとイベントを楽しんでいる様子がなにより印象的だった。「まずは自分たちが楽しむ」そういった運営の想いが、出店者へ、来場者へ、そして街全体へ広がっていっているように思う。

 「ここでしか会えないひと、ここにしかないモノ、ここにしかない空間」まさにそんなサンビルの目指す姿が出店者たちの口から語られる。ライブステージなども展開された本開催だったが、このイベントの本質はやはりそんな彼らの織りなす「マーケット」にあるのだと改めて実感させられた。

「あの人に会おう、あの店に行こう、用事はないけど今日も柳ヶ瀬」

 日常的な来訪者や回遊時間の増加にはまだ課題があるのかもしれないが、この柳ヶ瀬周辺にはまだ空き物件など、街をアップデートする伸び代がたくさんある。新規事業者の誘致や若年層のスタートアップ補助、集合住宅の開発など、これまで同様積極的にコンテンツを拡充していくことで、『「每月」から「日常」へ』そんなサンビルの掲げる柳ヶ瀬の営みが見られる日も遠くはないのだろう。

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