大江健三郎

大江健三郎は『「雨の木」を聴く女たち』が最初に購入した本だったが、コンテクストが分からなかった。それで『死者の奢り・飼育』を読んでみたが、これもピンと来なかった。面白いと思ったのは『洪水はわが魂に及び』で、安部公房『方舟さくら丸』にも通ずる閉塞感とその回復の模索とでもいえるテーマだったのかと思う。
大江は平井和正の影響があったともいわれているが、饒舌で改行の少ない文章は筒井康隆に親しんでいたので面白かった。
60年代文化を調べていると、大江は『週刊アンポ』にも寄稿していて、『へるめす』から『河馬に噛まれる』に収録された連作のような、政治と文学という政治的大江健三郎について考えてみたいと思う。

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