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粟谷佳司
2023年3月14日 17:18
大江健三郎は『「雨の木」を聴く女たち』が最初に購入した本だったが、コンテクストが分からなかった。それで『死者の奢り・飼育』を読んでみたが、これもピンと来なかった。面白いと思ったのは『洪水はわが魂に及び』で、安部公房『方舟さくら丸』にも通ずる閉塞感とその回復の模索とでもいえるテーマだったのかと思う。大江は平井和正の影響があったともいわれているが、饒舌で改行の少ない文章は筒井康隆に親しんでいたので面