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ベンゾジアゼピン・コラム - 私説「薬剤離脱性HSP(Highly Sensitive Person)」[Free full text]

僕の私的な印象としては、ベンゾジアゼピンの離脱中~離脱後しばらくは、精神的・身体的に感覚や感情が過敏になる患者さんが多いように思います。

音や光に対する過敏性が増す。
不安感や恐怖感を、過剰に感じるようになる。
些細な刺激で苛立ち、ネガティブな感情を抱きくようになる。

ベンゾジアゼピンの減断薬に取り組んでいる医療者、または患者さんご自身でも自覚しておられる方はいるかもしれません。

全方位に向けて、脳が過敏になる印象です。

エビデンスに基づいているわけではないので推論の域を出ませんが、減薬経過中、また断薬後も神経細胞が十分には回復しておらず、電気コードの被覆が敗れたような状態が続いているというイメージを持っています。そこから漏電(感覚・感情過敏)が起こる。

僕はこの状態を「ベンゾジアゼピン離脱性HSP(Highly Sensitive Person)」と呼称しています。これも含めて離脱症状と考えるべきなのでしょうが。

残念ながら現在のところ、この過敏性を和らげる方法を僕は持っていません(この過敏状態について精神医学界におけるコンセンサスも無い)。

だから減薬過程で患者さんがストレスフルな状況に陥った場合、僕はそれが解決するまで減薬を一旦中止します。

断薬後についてはベンゾジアゼピンを頓服で用いることもある。

現状、ベンゾジアゼピン離脱性HSPへの有効かつ安全な対応は「時間薬」だけだと思っています。

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