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ベンゾジアゼピン減断薬 - 1つずつ動かす

オンライン医療相談(遠隔健康医療相談)の利用者様が置かれている状況はかなり複雑になってしまっているのがデフォルトです。

そうでもなければ、主治医がいて医療機関に通っているのに、さらに別途4,800円/50分(税別)という料金を支払ってまで見ず知らずの医者に相談しようとは思わないでしょう。

診断が告げられていない或いは曖昧、処方薬の作用や副作用、処方理由について説明を受けていない、副作用や離脱症状が現れても主治医の知識不足のために適切な対応が受けられない。

苦肉の策としてインターネットで収集した情報を主治医に告げても取り合ってもらえない。

初診時の主訴であった症状は良くなっていない、薬を増やしても減らしても調子が悪くなる、そんなときに限って職場の部署異動や家庭内のトラブルのためにストレスを感じ、そのことでまた心身の不調が増悪する。
主治医は薬の種類を増やし、一時的には楽になるが長続きしない、或いはネットで調べた副作用や依存性が怖くなって自己判断で薬を元の量に減らしてしまう。

主治医にも家族にも理解してもらえない辛さを訴えるためにブログやツイッターを始めたところ、同じように苦しんだ経験があるという人達が親身に助言をしてくれる。

ある人は薬を止めてしまえと言う。
またある人はサプリメントを飲めと言う。
服用しているベンゾジアゼピンを水に溶かして週に1%ずつ減らす必要があるという人もいる。
逆に一度は薬を増やすべきだというアドバイスを受けたりもする。

片っ端からそれらを試し、その度に調子を崩し、主治医からは半ば匙を投げられている。

僕のオンライン医療相談を希望される方は、そういう状況に陥ってしまっていることが少なくありません。
経過を聴取するだけで1セッション50分が過ぎてしまうことも稀ではない。

「一度に複数の要素を動かすことは望ましくありません」――オンライン医療相談の範囲で申し上げられる助言は、それに尽きます。
実際に診察室でそうした患者さんを診たとしても同じことを伝えると思います。

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