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ベンゾジアゼピンの減薬・断薬

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#アシュトン・マニュアル

等価換算表はベンゾジアゼピン減断薬のためのツールではない

等価換算表はベンゾジアゼピン減断薬のためのツールではない

ベンゾジアゼピンの等価換算表は減断薬においてはあくまで目安の1つに過ぎません。減断薬を行うにあたって「等価換算表信者」になるべきではありませんよ、というのが本noteの主題です。

減断薬において等価換算表を用いる機会がもっとも多いのは現行服用しているベンゾジアゼピンをジアゼパムに置換する場合でしょう。
等価換算表に表記された数値に基づいてジアゼパムの用量を算出することは適切でしょうか。

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ベンゾジアゼピン依存におけるインターネット上の情報発信バイアス(1/2)

ベンゾジアゼピン依存におけるインターネット上の情報発信バイアス(1/2)

「出版バイアスとは、否定的な結果が出た研究は、肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいというバイアスである」(Wikipedia より)

これに似たバイアスが、ベンゾジアゼピン依存のインターネット上の情報発信でも見受けられるように思います。
ベンゾジアゼピンの場合は逆に、否定的な情報が発信されやすいのですが。

ある種のクラスタの方々からの反論は承知の上で申し上げますが、ベンゾジアゼピンは、

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離脱症状発現時の再服薬・再増薬――アシュトンマニュアルの疎漏

離脱症状発現時の再服薬・再増薬――アシュトンマニュアルの疎漏

ベンゾジアゼピンを一気断薬した方や急減薬した方が、離脱症状が現れても再服薬・再増薬することに消極的である場合がしばしばあります。オンライン医療相談だとはっきりと「再服薬はしません(しかしこの苦しみ(離脱症状)を軽減させたい)」と仰る方もいます。
ベンゾジアゼピン依存を呈した患者さんたちのベンゾジアゼピンに対する感情は多かれ少なかれ両価的で、中にはベンゾジアゼピンを「穢れ」として捉えられているかのよ

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