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「匿名ω」とはなんなのか?(ボカコレ2023夏)

皆様お久しぶりです。なすなす央です。需要があるのかないのかよくわからない自曲解説「とはなんなのか」シリーズをやろうと思います。今回はボカコレ2023夏 ネタ曲枠に出した「匿名ω」という曲について、説明したいと思います。

曲のコンセプト

この曲のコンセプトは「おしりふきって気がつくとお尻以外のものを拭くのに使ってて、手放せなくなるよね」です。

曲構成は以前アキュパンクチュアという曲でやった「典型的なボカロ曲だと思わせておいて、実はくだらないことを歌ってる曲をボカコレにランクインさせて、ボカロキッズを泣かせる」を踏襲した形になっています。

  • 途中までは病み系ボカロ曲のような歌詞である

  • 後半で「おしりふき」について語っていることが明かされ、前半もおしりふきの話だったことがわかるようになっている

  • 動画も途中まではいかにもボカロ曲っぽくしている

ただ、これをやると前半部分は自身が普段作らない苦手ジャンルを淡々と聴き手に見せることになり、聴き手的には苦痛だったりするかもなあと思ったので、もうこれ以降やらないかもです。

また、今回の曲はモミアゲヲさん、はかめさんの合作の「ちうちう」という曲を聴いて、「ネタ曲でありながら曲としての完成度が高い」という私の目指すところの究極形を見せられ、衝撃を受け、強烈に意識して作った曲でもあります。

「おしりふき…」のコンセプトは、もともと別の歌詞(「なんでもおしりふきで拭いてしまうので、世の中のものすべておしりになる」というような歌詞)に落とし込んでいたのですが、「ちうちう」のような曲を作るために急遽全く違う形に変更して膨らませ直しました

  • ちうちう→蚊を女の子に憑依させた歌詞

  • 匿名ω→おしりふきを女の子に憑依させた歌詞

歌詞のこだわり

歌詞は以下の通りです。

それが本性じゃん?
私の名前なんて覚えてなどないでしょう
曖昧なカンケイなんてそんなもんでしょう
そっちがその気ならどっちだっていいわ

私の名前なんて呼んではくれないんでしょう
でもいいわ時に必死で求めてくれるなら
別の他人(ひと)の名前だって呼んでくれちゃってもいいわ
その激しい声を聴けばホンキって解るから♡

無様な私をみて胸のタトゥーが問う
「何のために生まれたの?」
そんな問い興味はない 早くもっと私を汚してよ ねぇ!

しゅっしゅっしゅっ
主目的はおざなりで
便利にいつでもどこでも あぁ 求めるんでしょ
どんなに汚れても構わない あなた色に染めて
しゅっしゅっしゅっ
主観で決めつけないで 何だってやれるわ
え?なに? しゅっしゅっしゅっ
主張する娘はイヤ?
もう勝手にしてちょうだいやいやいや
理想拭い去った先の真実(リアル)
それが本性じゃん?

おしり拭きとして生まれた私はいつしか
床にこぼした食べ物の掃除など文字通りの尻拭い
ただのコンスタントにインスタントな
コンビニエンスな存在
純水なウェットティッシュ…

半端な私をみて胸の印刷(タトゥー)が問う
「何をしてよろこぶ?」
何でそんなこと聞くの? 本当は全部知ってるくせに

しゅっしゅっしゅっ
主目的はおざなりで
便利にいつでもどこでも あぁ 求めるんでしょ
どんなに汚れても構わない あなた色に染めて
しゅっしゅっしゅっ
主観で決めつけないで何だってやれるわ
え?なに? しゅっしゅっしゅっ
主張する娘はイヤ?
もう勝手にしてちょうだいやいやいや
理想拭い去った先の真実(リアル)
それが本性じゃん?

しゅっしゅっしゅっ
出費は厭わないで
しゅっしゅっしゅっ
出荷ok 箱買してよね
パパパパ パピ布 Paper Paper

しゅっしゅっしゅっ
宿命は変わっても
私は私 好きなように使ってね
あなたのためならば構わない何でも拭いて汚して
しゅっしゅっしゅっ
出産から今の今までずっとそばにいるわ
だから しゅっしゅっしゅっ
主張くらいさせて?
私のこと忘れたりしちゃ嫌 嫌 嫌 嫌!
手を伸ばしたら先にある
もはやそれって本能じゃん?
あなた「ワタシ依存症」じゃん?

私はボカロっぽい曲って病んでてちょっとアダルティな歌詞が多いと思っているので(偏見)二股をかけられている風の歌詞にして全体的にアダルティな感じにしつつ、おしりふきの話からは外れないように組んでいきました。

モミアゲヲさんの歌詞は綿密に練られていて、私の思いつき歌詞とは対極にあるものだと思っているので、今回ちうちうに近づけるために普段あまりやらない韻踏みを意識的にやりました。

  • 「しゅ」から始まる言葉の多用(主目的、主観、主張、宿命、出費、出荷、出産)

  • 本性→本能→依存症

  • パピ布 Paper Paper


また、タイトルは少し前に流行ったボカロ曲「匿名M」を捩ってつけました。これもボカロっぽさを狙って借りさせていただきました。

作曲のこだわり

メロは当初もっとちうちう感がすごかったのですが、流石に意識し過ぎてそのまんますぎたので、一から考え直しました。アキュパンクチュア感が出ましたが、私にとってボカロぽいというのはどうやらあれのようで、根本はあまり変えられませんでした。
「理想拭い去った先のリアル…」のからのメロの一節はちうちうの「今宵 耳元で囁くの…」の一節から影響を受けてます。サビが一通り終わったあとにダメ押しいれるみたいな構成に「おおー、こういうのありなんだな」と思い参考にさせていただきました。

今回はコードをメモってないので、コードについてはありません。多分調はE♭マイナーだと思います。イントロは E♭m A♭ を繰り返してましたが、ギターが寂しかったので、ギターだけ適当に変えました。(これはなんなんですか?)
あとはメロに対してコードを当てていった感じです。

2番のはじめの「おしりふきとして生まれた私は」からは、ガラッと曲調を変えてみました。これもボカロっぽいかなと思っていつかやってみたいと思っていたのでできてよかったです。
コードは「おしゃれなコード」でググって見つけたコードにメロを適当に乗せました。

編曲のこだわり

今回も「アキュパンクチュア」の時にやったギターロックっぽくしたかったのですが、打ち込みとリフを考えるのにめちゃくちゃ時間がかかるので断念しました。時間をかけずにカッコよくするにはどうすればよいか悩み、なるべく打ち込みを少なくして音を厚くすることを考えました。
無料で使える vitalを導入し、無料プリセットを漁って、コードだけ指定したらそれっぽい雰囲気の音がするものを導入しました。あとはバックにvirtual pianist でピアノ弾かせてみました。

調声のこだわり

タイトルを「匿名ω」としたので、「匿名M」に倣って初音ミクさんに歌っていただきました。ただ、未だに調声には苦手意識があって…今回は Synthesizer V  AI Mai さんの歌声のピッチ情報を初音ミクさんにvocal shifterというツールでコピペするというのをやってみました。(こういう理由で「歌唱指導:Synthesizer V AI Mai」というクレジットを入れました。)
以下の記事を参考にしました(サイトが見られなくなってるかもしれませんが…)

これはまあまあ良かったような気もします。が、やはり調声が素晴らしい方たちのミクさんとはまた違うのですよねー、深い。深すぎるミクさん沼…

環境や使ったプラグイン

基本は毎度、いつものやつです。

GarageBandからcakewalkへのmidiデータの移行はGarageBandからmidiを出力でやりました。

大まかな作り方の流れは、

  1. GarageBandでメロとコードを打ち込んでdrummerでドラムを付ける

  2. メロとコードとドラムをmidi化しcakewalkに持ってくる

  3. コードmidiをsession guitarist、ezbass、virtual pianist に食わせてそれぞれのリフを決める

  4. 残りの楽器を打ち込む

みたいな感じで作っています。
今回ドラムはMonster drumを使いました。最近無料のドラム音源が増えてきて嬉しい限りですが、選べるドラムセットに制限があるものが多いので、ジャンルの幅が狭くなりがちです。このドラム音源は色んなジャンルに使えて重宝してます。

動画のこだわり

「アキュパンクチュア」のときは、素敵な画像をお借りしたのですが、その際に「前半と後半で雰囲気を変えるという騙しに近い構成の作品」で、画像をお借りするのは申し訳ないという気持ちも湧いてきたので、今回は自力で絵を描きました。

なるべく画力が無くても描けるように、タイトルの「匿名」から連想して目を目線で隠すことにしました。

あとは私は色塗りが苦手なので、色を使わなくても可愛く見える絵(特に目)をちょっと研究しつつ、漫画「僕の心のヤバいやつ」等を参考にしながら描きました。

「丸くて甘くてアンコなあいつ」の絵は…頑張りました。ただ頑張りすぎて、周りのおしりふき部分がでかくなりすぎてしまいました。書きたい部分を書きすぎて周りの大きさが変わってしまう感じ、絵にセンスを感じませんね。。

その他

コンセプト自体はすごく良かったと思うのですが(謎の自画自賛)当時ものすごく時間が足りなくて、久しぶりに深夜作業に次ぐ深夜作業だったように記憶しています。MIXも追い込めなくて、何とか滑り込みで投稿したからなのか、あとから冷静になって聴いたらすごく聴きづらいなと感じたので、いつか作り直したいような…もう見たくないような…

今回は投稿タイミングが0時に間に合わなかったので、2日目の22時に公開したのですが、そのおかげかネタ曲部門の3位に顔を出すことができ、最終的にも57位に入ることができました。ネタ曲部門は最高ですね。次回もあると嬉しいです。

最後に

モミアゲヲさんを意識して作ったのですが、クオリティ面では遠く及びませんでしたね…でも普段と違うことに挑戦できて楽しかったです。
次回は何をしましょうかね。今年あと一曲公開予定ですが、それ以降は改めてやりたいことを見つめ直して、更に楽しんでやりたいと思います。来年も引き続きよろしくお願いします。

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