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なすなすお作曲法(2021.10)

人の役には立たないかもしれませんが、私が今現在どういう手順で作曲しているかを備忘録も兼ねてまとめたいと思います。(数ヶ月するとまたやり方は変わると思います)

まず詩を用意します

私はだいたいいつも歌付きのネタ曲を作るのことが多いこともあり、作曲にあたり、はじめに詩を用意します。(最近詩がない曲を作ろとしたら、逆に詩がないと曲が作れないことに気がつきました。)
詩を先に用意するのには、歌付きであることのほかにもう一つ理由があって、曲を作る上では必ず「伝えたいこと」が先にあるべきだと思っているからです。
詩に込めた「伝えたいこと」をどう曲にすればうまく伝わるかを考えながら曲を作っています。

曲はサビから作ります

「曲のどの部分からつくるか」についてですが、私はサビから作ることが多いです。なぜならサビが一番聴かせたい部分だからです。サビを先に用意して、サビのメロ、コードがある程度固まってから、どういう流れでそのサビまで持っていくか考えながらAメロ Bメロを考えることになります。

メロディから作ります

歌詞を眺めながら、歌詞が乗るメロディを考えていきます。歌詞が収まって、歌詞の雰囲気にあうメロディを(鍵盤が弾けないので)脳内で歌います。詩が嬉しいことについてなら楽しい曲、愚痴なら悲しい曲みたいなことを考えながら、口ずさみやすいわかりやすいメロディを考えていきます。
基本的に「メロディが降りてくるのを待つ」といういわゆる天才風の作曲なのですが、私の場合その実態は、「過去にどこかで聴いた曲の覚えきれてなくて曖昧になった部分を脳内補完した何か」を生成しているだけな気がしてます。だいたい直近で聴いた曲と同じ調のメロディが浮かんできます。(ただし絶対音感はないので音は全体的に半音近く平気でズレます)
思いついたメロディはGarageBandのピアノロールに打ち込んでおきます。
先程は詩を先に用意する、と書きましたが、この段階でいい感じのメロディが出来て、そこに詩が乗り切らないときは、詩をバッサバッサとカットしたり、言葉を付け足したりします。詩のみで見た時にベストな形にしたいのではなく、あくまで曲に乗ったときにベストな形にしたいので、こんな過程になります。

メロディを先に作るメリットとして、歌いたいメロディがそのまま使えることがあります。私は歌うことが好きなので「こういうメロディを歌いたい」という想いが強く、それがそのまま実現できるのがこの方法です。(デメリットとしてコードをつけるのが大変という話もありますが、次に書く通りたぶんあまり困りません。)

メロディにコードをつけていきます

作ったメロディに対してコードを振っていきます。これもGarageBandのピアノロールに打ち込みます。だいたいメロの音がルート音か第5音になっているコードを振っておけばまずは問題ないです。上でも書いた通り、作ったメロディは脳内で作っている(=どこかで聴いたメロディ)ので、だいたい巷で耳馴染みがいいと言われるコード進行に乗ることになります。(結果的に乗るだけで、王道進行だ何だはあまり意識はしません。)

聴いてみて微妙であればトニック、サブドミナント、ドミナント等の機能に従って他のコードを試したり、だいたいメロが大きく動くところが当たらなかったりするのでコード変更のタイミングを細かくして当てたりします。あとは必要に応じて進行させたいところにセカンダリドミナントをぶち込むなどします。

メロディが降ってこなかったらコードから考えます

基本的にこれまでほぼ上で書いた通り「メロディが来い作曲法」で曲を作ってきたのですが、最近来ないことも増えてきたので、迎えにいくことにしました。
イメージに近い曲のコード進行を参考に、そこからメロディを作ることもやってみています。
web上に有名曲のコード進行がまとまっているページがあるのですごくお世話になっています。便利な時代になりました。

有名曲のコードを参考にする上で個人的に気を付けている点は「コード進行はパクってもいいけどコード進行の展開はパクらない」ということです。
コード進行自体はパターンもある程度決まっているので、被ることは仕方がないのですが、たとえば「王道進行から丸の内進行、また王道進行に…」みたいな、コード進行をどう展開していくか、という部分は、伝えたいことをどう伝えるかという部分に繋がってくると思うので、ここをパクると原曲の工夫にタダ乗りしている(どう伝えるかを他人に委ねてる、自分の作品じゃなくなってる)感じが強くなってしまって、あまり良くない気がしています。

これは過去に作った以下曲で、コード進行の展開までパクった上でそう思ったので、以後気をつけようと思った次第です。(この曲はパロディかつニコニコ上で原曲登録もしてるので許して欲しいです)

逆に考えると、部分的にメロディやコードが似ようと、伝えたいこととそれを伝える展開が違っていればそれは別の作品なんじゃないの?と個人的には思ってます。
とはいえこんな作曲法なので、巷で流れてるメロディに大部分が被ってしまったり、コード進行の展開が丸かぶりしていた時は素直に謝ることにします。

A、Bメロは状況説明、歌詞に集中させる

サビができたら、次はA、 Bメロを作ります。(たまにサビのメロディをリフにしてイントロを先に作ることもあります。)
A、 Bメロに乗せる歌詞は、ネタ曲の場合状況説明がメインになります。

A、 Bメロ: 異様に焼肉が食べたいからプチご褒美的に遠い焼肉屋に行って好きなハラミ食べる
サビ: 歩きすぎて足が筋肉痛、ハラミが俺のふくらはぎになるね

上に適当に例を書きましたが、A、 Bメロで情報を余すことなく伝えないと、サビでなんでたくさん歩いたのか、焼肉を食べてるのか、ハラミ食べてるのかよくわからなくなります。

そこでAメロBメロでは基本的にはあまり起伏を作らず歌詞がわかりやすいようなメロディにします。

ただ、例となる曲がないか自分の曲を見てみたら、ほとんどの曲が状況説明を寸劇やセリフで誤魔化してるものばかりでした。上で書いた解説はなんだったのか…一応上みたいなことは意識してます、でも実際は誤魔化してます、ということのようです。

A、Bメロも基本メロから作りますが、サビよりはコードから作ることも多いです。サビ、イントロの調を参考にして、そのままいくか関係調に転調するか考えたのち、ピアノロールにその調のメロディを打ち込んでいきます(またはその調のコードを打ち込んでいきます)

Bメロは飽きさせないように工夫します

BメロはAメロから流れてきて、少しだれる部分でもあるので、Aメロとは少し異なる工夫をします。
最近はモーダルインターチェンジをやってみようということで、調は変えずにモード(旋法)だけ変えてみたり、ちょっと変化をつけてみたりします。
また、A、 Bメロで転調している場合、サビに行く前に何かしらの方法でサビの調に戻らないといけないので、だいたいサビ前でサビの調のドミナントをぶち込むことになります。ただ、そればかりだと芸がないので、どんなドミナントでたどり着くか、少し前でモードを変えて一旦遠回りするか、 Bメロの時点でサビの調に転調しておくか等、ここも工夫のしどころになります。

以下にあるように、ドミナントもいろいろあるので、ぶち込むドミナントを変えるだけでも雰囲気が変わります。いろいろ試しながら雰囲気に合うものをぶち込みます。

イントロ

イントロはサビのリフ、コードから作る時と、全然ちがうメロディが降ってくる時と、その時によって作り方が違います。何にせよ脳内でAメロと繋いでみてしっくりくるものを採用します。
最近はイントロがある曲は流行らないなんて言われてますが、この曲はこういう曲ですよーという挨拶程度に、8小節程度入れます。

以下曲では「この曲はリスカピアノとドギツイシンセサイザーのリフが鳴る今風の曲ですよー」感を出したくてイントロをつけました。
まあその次のサビで「嘘です!」とやるわけですが。

間奏で難しいコードを使ってフックを持たせる

間奏ではちょっと難しいコードも使っていきたいと思っています。
難しいコードとかを使うことについて、曲を作る上で、聴く人たちは普段作曲をやっているわけではないので、使う必要はないという話もあるかとは思いますが、作曲活動をしてて気付くのは、普段作曲をしない人に曲を届けるのは想像以上に難しく、最初に曲を聴いて下さるのは、だいたい作曲をされてる方か、作曲に興味のある方がほとんどだということです。その方たちに曲に興味を持ってもらうためにも、ちょっと小難しいこともやったほうがいいかなと思っています。
ただ、サビで難しいことをして、サビのメロディを変えるのも違うかと思うので、間奏は好き放題やるチャンスです。ガンガンやりましょう。
ノンダイアトニックコードをぶち込みます。

最後に

これで一応歌詞にメロとコードがついた状態になったかと思います。まとめますと、

・詩先メロ先コード後
・サビから作る
・Aメロは大人しく
・Bメロは変化をつけてサビにつなぐ
・間奏で難しいコード使う

こんな感じです。
思ったより書くことが多くて辛かったので、編曲まで辿り着けませんでしたが、「作曲法」なのでここまでで終わりにします。
「なすぬすお作詞法」も書くつもりでしたが、こちらはまた気が向いたらまとめます。

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