見出し画像

「17歳JKボカロPがGarageBandだけで神曲作ってみた」とは何なのか

こんにちは、なすなすおです。
今回はボカコレというイベントに向けてボカロ曲を作ったので、その曲の説明をします。

作りはじめたきっかけ

もともとボカコレは参加者も多く、このタイミングで曲を出しても埋もれることが多いので、よほどいいネタがなければ無理に出さなくてもいいし、出すにしても一発ネタみたいな曲でいいかなーと思っていました。
そんな中、少し前に「17歳JKボカロP」や「GarageBandだけで曲つくりました」みたいな単語が入った投稿がバズりやすいという話がネタ的に語られるようになり、私も流れにのるかーとサビだけ一発ネタ的に曲を作ってあそんでみていました。それが以下です。

これが自分のツイートの中ではびっくりするほどウケたので(どうやらボカロPとかの単語が入っていると、Twitterで話題のツイートとしてボカロに興味がある人にレコメンドしてくれるようです、あと何故かGarageBandの画面キャプチャはTwitter上のウケがいいです。)「ならこれでボカコレだすかー」ということになりました。

コンセプト

きっかけを上の通り書いたのですが、実はツイートをした時にはざっくり歌詞は決まってましたし、曲のコンセプトもありました。
今回の曲は、ボカコレ2021春にざれごと(埋もれたP)さんが投稿した「ボカコレ出したらクソほど埋もれた」の勝手アンサーソングです。

今回の曲のテーマは「ボカコレ出したら埋もれるぞ!JKでも17歳でもない、GarageBand使いでもない私たちの舞台はここじゃない、ネタ曲投稿祭2021秋だ…!」てす。

歌詞のこだわり

最初はサビだけで終わろうかと思ってたのですが、曲がなかなかいい感じになったので「どうせなら大オチ(ネタ曲投稿祭に出せ)は最後の最後ギリギリまで引っ張ってやろう」と思い、大オチまではいかにもボカロ曲っぽい劣等感バリバリの歌詞を書いてみました。

あーうそですうそです!1ミリも掠ってない!
何も持たない僕らは
どうせすぐに埋もれる運命です!
あーうそですうそです!1ミリも被ってない!
僕が歌うこの曲も
無数にある曲のうちの ただひとつ!

無いもの切り崩しながら生きて
積み重ねてきたもんはない
おぎゃーと生まれパッパラパーに生きて
気がつきゃ歳だけ重ねてる

大した事しちゃいないのに
生きづらくてしょうがねえ
誰も気づいちゃいないのに
必死な顔笑えてきます

あれもこれも手をつけては
半端なままにしてる
何にも築いちゃいないのに
評価(すうじ)だけ気にしてます

あーうそですうそです!1ミリもバズってない!
何も持たない僕らは
どうせすぐに埋もれる運命です!
あーうそですうそです!1ミリもバズってない!
そう例えれば僕らは
無数にある星のうちの ただひとつ!
(いなくなっても気付かないでしょう)
あーうそですうそです!1ミリも残ってない!
何も持たない僕らは
どうせすぐに消えゆく運命です!
あーうそですうそです!1ミリも残ってない!
僕が歌うこの曲も
無数にある曲のうちの ただひとつ!
何も持たない僕らが
輝くにはネタ曲作ること ただひとつ!

歌詞全体を通して、「特別な価値を持たない一般人の私たちは最後には死んで忘れられていく」ということを書きました。

JKはなぜ価値があるのか、なぜJKボカロPはここまで持て囃されるのか。それは大人になるまでの時間、何者にもなれる空白の時間を持っているという側面があるかと思います。で、JKではない我々はどうかというと、その何者かになるために使うべき時間を無為に使い、見た目は大人、頭脳は子供、逆名探偵コナンになってしまっているわけです。でも心の底ではありもしない一発逆転を夢見てる…
あの人は自分にないものを持ってる、でも自分は持ってない。そういう経験って人生のどの段階でもある感覚かなと思います。そういう意味では同年代に限らず、若い方含め共感してもらえる歌詞になったのではないかと思います。

後半の方ではボカロPとその取り巻く状況についても言及したつもりです。多くのボカロPは世間で言われるような「ボカロP」にはなれず、そして数年で活動を辞めて、曲ごと消えてしまうこともあります。これはボカロ界隈の課題であり、問題提起の意味も込めて歌詞に含めさせていただきました。

以降は歌詞の表現部分についてです。

「あーうそですうそです!」がサビで必ず使われています。これは最初は「嘘ですよ」というために使ってるのですが、3回目からは「嘘でしょ?」と驚く様を表す為に使っていて、意味が変わっています。
「ただひとつ」も、終始使われていますが、最初は「多くあるうちのただひとつでしかない」という意味で使ってますが、最後はただひとつ「しかない」という意味に変わっています。
歌詞の要素はあまり変えず、意味は変わる感じにできて、聴き馴染みを残しつつ強い意志を感じさせることができたのではないかと思います。

「おぎゃーと生まれパッパラパーに生きて」は、ボカロリスナーはパッパラとか好きかと思って入れておきました。

「いなくなっても気付かないでしょう」はセリフなのですが、こういうのもボカロリスナーは好きかと思って入れておきました。

作曲について

今回もコード進行を載せておきます。が、少し日を置いたらどうしてこうしたのか忘れてしまった部分が結構あったので、今度からちゃんと打ち込んだらメモろうと強く思いました。。。

◾️イントロ

Eメジャー
コード: 
C♯m| B | C♯m | E F♯m | 
C♯m| B | C♯m | E F♯m |
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅰ Ⅱm |
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅰ Ⅱm |

あまりなにも考えず、ベース先行で考えてダイアトニックコードを並べた気がします。今考えたらもうちょっと捻ってもよかったのでは、という気もしますが。

◾️サビ前半

Eメジャー
コード: 
C♯m| B A | G♯m B | C♯m | 
F♯m | G♯m | A | D♯ / G G♯ |
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ Ⅳ | Ⅲm Ⅴ | Ⅵm |
Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅶ♯ / Ⅱ♯ Ⅲ |

※ Ⅲ は C♯m のセカンダリドミナント
 Ⅶ♯ は G♯ のセカンダリドミナント
 (を転回形で使っている)
 ダブルドミナントで進行感を強めている

◾️サビ後半

Eメジャー
コード: 
C♯m | B A | G♯m B | C♯m | 
A | G♯m | Am | B | 
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ Ⅳ | Ⅲm Ⅴ | Ⅵm |
Ⅳ | Ⅲ♯m | Ⅳm | Ⅴ |

※ Ⅳm は Eマイナーからの借用(サブドミナントマイナー)
 上昇するメロディにすこしフックを持たせたくて使用(メロディを半音上げにすることができる)

◾️Aメロ

Bメジャー
コード: 
F♯ | F♯ | F♯ | F♯ C♯m |
F♯ C♯m | F♯ C♯m | F♯ | F♯ C♯m |
ディグリー表記: 
Ⅳ | Ⅳ | Ⅳ | Ⅳ Ⅱm |
Ⅳ Ⅱm | Ⅳ Ⅱm | Ⅳ | Ⅳ Ⅱm |

ここは先に後半の「オギャーっと生まれ…」の部分を作って、そこが目立たせたいポイントだったので、前半は抑えめにコードを変更しないように変えてみました。

◾️Bメロ

Eメジャー
コード: 
C♯m | B | C♯m | B |
C♯m | B | C♯m | G♯ / D♯ |
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅴ |
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅲ / Ⅶ |

※ G♯ / D♯ はベースを 5-6-7 と繋げつつ
 サビの C♯m に向かう
 セカンダリドミナント G♯ を乗せました。
 必死な顔笑「え」て の音で
 キートーンではない C が入ってるのが
 気持ちいい部分かと思います。
 ↑はテキトーにメロディ決めて、ベースライン打って、あとから説明つけてみましたが、テキトーに打っても説明つくものですね
(ただしここでベースがBを鳴らしてるのですが、その理由はちょっと分かりませんでした。でもA♯ よりBのほうがかっこいい気がしました)

◾️間奏前半
間奏初めてつけました。私は楽器が演奏できないので、いままではあまりつける意味を感じず(最近はない方が流行りという風潮もあり)つけていなかったのですが、コードの勉強も兼ねてつけてみました。

Eメジャー
コード: 
C♯m| B | C♯m | E F♯m |  × 2
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅰ Ⅱm | × 2

※基本はペンタトニック。ソロは困ったら(コードにぶつかりにくいので)ペンタトニックだ、と某便器に落ちかける曲で教わりました。

◾️間奏後半

Eメジャー
コード: 
C♯m A/C♯ | ★ | C♯m G♯m/C♯ | E F♯m | 
C♯m| B | C♯m | E F♯m |
ディグリー表記: 
Ⅵm Ⅳ/Ⅵ | ★ | ⅣM7 / Ⅵ Ⅲm / Ⅵ | Ⅰ Ⅱm |
Ⅵm | Ⅴ | Ⅵm | Ⅰ Ⅱm |

※ ピアノリフは全体通して基本ペンタトニックでしたが、ここはちょっと変化をつける意味でそれ以外もつかってみました。C♯m は後続のA に M7 をつけたAM7 の転回形でもあり、ちょっと違和感の出る感じにしてみました。(ノンダイアトニックだと思って使ってたけど後でじっくりみたらそんなことはなかった)
★はベースをBにしてAからEまでの下降
下降はへんな感じが欲しい時にあまり考えずにはめてもいい感じにへんな感じになるのですぐ使ってしまいます。

◾️ラスサビ繰り返し前
※本当はラスサビで半音上に転調してるので、音は表記に対し半音上ですが、他のサビと比較できるように揃えて書いてます。

Eメジャー
コード: 
C♯m | B A | G♯m B | C♯m | 
A | G♯m | Am | B | Baug C♯m | 
ディグリー表記: 
Ⅵm | Ⅴ Ⅳ | Ⅲm Ⅴ | Ⅵm |
Ⅳ | Ⅲ♯m | Ⅳm | Ⅴ | Ⅴaug Ⅵm |

つなぎのBaug、なんでBaug にしたのか忘れてしまいました…
前のコードを引き伸ばしてるような感じだったかなあ。一回軽くドミナント的に崩してC♯m に着地させたかった記憶があるんですが、ドミナントにもなってない気がしてきて、なぜこうしたか忘れました。そして実際打ち込んでる音が間違ってるパートがあることに気づいてカオスです。もう僕はダメです。今度から何でそうしたかメモすることにします…

使ったプラグイン

今回は曲名に則り、音源は基本GarageBandからチョイスしました。
ピアノはiPhoneだけでリリースカットピアノが使えると一部界隈で有名なKORG Module のNatural Grand(いきなりGarageBand外ですみません)
コードはサイン波(お手製で用意したサイン波をGarageBandのサンプラーにぶち込んで使用)
はじめはリードシンセにサイン波を使おうとしたのですが、パワー不足だったため、Party Power Lead をサイン波と重ねて鳴らしました。
ベースはEighties Mixtape と Sequence bass、うるさそうなやつを選びました。
ドラムはHip Hop Drum Machine、うるさそうなやつをry

その他のプラグインはほぼ今まで通り、安定の以下布陣です。

DAWははじめGarageBand、あとcakewalk。
ボーカルトラックにはnectar、他トラックにはneutron、音量バランスをtonal balance control でみてマスタリングはozoneです。

動画について

今回は一発ネタのつもりで作りはじめたので、はじめにGarageBandの画面からスタートして、その画面が実は看板で倒れる→うそです! という流れは考えていたのですが、あとは歌詞をなぞる感じになってしまいました。

その上で、ここ最近、なすなすおの曲といえばこのきりたんみたいな、見た瞬間なすなすお家のきりたんであることがわかるようにしたいなと思っていたので、今回の曲でいろいろ試してみました。

まずきりたんの顔を簡素化してみました。

顔としては割と好きなのですが、これをやるのにaviutlで毎度顔をあと乗せしなければならず、辛いので次回以降はもう出てこないかも知れません←
あとは、縁取りも濃いめに入れて、色も減らし、アニメっぽくしてみました。これは何となくボカロ界隈は手書きイラストがウケるイメージなのでこうしてる部分もあります。が、まあこういう太線の絵好きなんです。

歌詞をなぞる部分は、そのままだと寂しいので、口を歌詞に追従して動くようにしてみました。

この辺のノウハウはどうやらVtuber のlive2d実況などで磨かれているようで、wavから口パク用の母音データを作るツール等もあり、ありがたい限りです。
ただ、私の動画では口だけ別で作ってaviutlで重ねてるだけので、動くものにつけるにはもう少し真面目に考えないといけないですね。。。

そして今回はじめて曲に間奏をつけたのですが、間奏は歌詞がないので動画を作るのが難しい部分だとされています。そこで今回は「間奏で完走する」というダジャレで動画を作りました。これみんなやって流行って欲しい。かてきん(逃走P)さん(@t0us0upeanuts)ネタの提供ありがとうございました。

最後に、看板が倒れるアニメーションを(絵4枚)描くだけでかなり辛かったので、手書きアニメはマジで無理です。やってる人ヤバすぎます。

次回

さて、いよいよ次の曲は2021年11/27(土)0:00から開催される「ネタ曲投稿祭2021秋」に向けた曲です。まだ曲のネタが何もありません。もうダメかもしれません。
そして、ネタ曲投稿祭2021秋での曲投稿を終えたタイミングで、1年くらい作曲活動をお休みしようと考えています。Twitter活動や他の方の曲を聴いたりは行いますので、引き続きよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?