見出し画像

未来教育ナイト特別企画「学校はどこへ向かうべきか」

6月13日の午後,第13回に引き続き,未来教育デザインconfeitoさん主催の「未来教育ナイト」に参加させていただきました。特別企画ということで,工藤勇一先生と木村泰子先生がスペシャルゲストとして登壇されました。御高名なお二方の話をzoomで聴くことができる,またとないチャンス!!

やはり充実した2時間半となりました。素敵な企画をしてくださったconfeitoさんに感謝です。


1.教育の主語はだれなのか

なんとこの話。前回もブレイクアウトの時に話題になっていました。

前回は「だれが教育するの?学校が何もしてくれない,保護者が何もしてくれないではなくて,自分ができることは何かを考えよう」という話でした。

木村先生「教育の主語は,常に子ども(受け手)。子どもの事実がすべて

教師がどれだけ頑張ったかではなく,子どもがどういう姿であるか,何を伝えようとしているかがすべてということ。

また,「子どもに寄り添う」という言葉の危険性にもふれられました。この言葉も「子どもに寄り添う大人」が主語になっている。「何か困ってる?」や「なんでも言ってね」というの声かけさえも,子どもが必要としてなければ大人の自己満足。子どもが「先生・・・」って声をかけてくれたとき,最後まで伴走することこそ,寄り添うということだと知りました。

”寄り添う”が実現されるために重要になるのが,その子にとって「信頼できる大人」が近くにいるかどうか。それは担任でなくてもよくて,学校の中にいればよし。自分自身が子どもに寄り添えているかどうかより,最優先すべきは"子どもが大人を信頼しているか"に目を向けることなのです。


2.誰でも言える「みんなちがってみんないい」

みんなちがってみんないいと言っているけれど,実際のところ自分の価値観を理解してほしい,受け取ってほしい,広がってほしい・・・→社会と自分の価値観が合っていてほしいという願いで生活している。そんな場面が多くあります。

工藤先生「全員OKである"価値"を対話によって生み出していくことが大切

みんないいけれど,私の言いたいことを受け取って!と押し付けるのではなく,「対話しながら全員にとって一番大切なことは何かを,全員で生み出す」ということ。また,対話には2種類あって,「全員OKを見つける対話」と「決めたものに立ち返る対話」。(ちょっとメモが怪しい・・・)

対話するというのは,価値観の違いに気付くだけでなく,その多様性を認めて,混ぜて,決めて・・・という過程が含まれると思うと,対話することそのものが当事者になるということなのかもしれません。

学級会で話し合いをするたびに考えることのひとつ。話し合いをしたのに最後は多数決で,4対5でも5の方に決まるって話し合いの意味ある?という迷い。"全員にとって一番大切"という視点があれば,多数決に頼る決定を回避できることもあるのかなと思いました。


3.当事者になる

工藤先生が何度もおっしゃっていた言葉でした。ありのままで何ができるかを考えるということ。工藤先生も序盤に「一人ひとりが当事者になっていない」というお話をされていました。

私に身近な言葉でいうと「自分事」に近いのかなと思います。本当に生活の隅々から仕事の在り方まで考えさせられる言葉です。

~~~私生活の話~~~

たくさんの人と生活をしていれば現状や誰かの行動に「なぜ?」と思うことってたくさんあって当然だと思うのです。でも「なぜ?」と思ったあとに何をするか。文句を言うなんてナンセンス。それ現状や相手を,自分の価値観でしか見れていないから。自分にとってはできていて当然でも,相手にも状況がある。相手にとっては無意味なことでも,自分にとっては価値のあることである可能性もある。そうして,いかに想像力を働かせて生活できるかどうか。

先日,子どもたちに話したこと。

自分のことしか考えられない価値観や想像力の狭さが,だれかを不幸にし,迷惑をかけることがある。自分のやりたいことをやっている人は嫌な気持ちにはならないけれど,あなたが自分の片付けすらしないことで,誰かが変わりに片付けている。待っている人の時間も削られている。みんなが少しずつできることを出し合えば,かかる時間が半分になるかもしれない。

状況に文句を言う前に自分ができることをして,それから考えよう

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

今いる環境も自分が作り出した結果だと私は思っています。できることをきちんとしているか,地に足つけて考えているかという視点は忘れないようにしようと思います。


4.まとめ

自分自身が頑張っても,もし子どもに届いていなければ・・・もし子どもに不必要ならば・・・子どもの姿が変わっていなければ・・・・実際のところどうだろうか?

私が見ている子どもたちが”クラスの子だけ”になっていないだろうか?

自分自身の子どもとの関わり方をふりかえるきっかけをたくさんいただきました。この会には保護者の方や学生のみなさんも参加されていたのですがブレイクアウトセッションの際に保護者の方から「こんな状況なんだから,先生たちだけで抱え込まないでくださいね」といっていただきました。もちろん直接の保護者の方ではありませんが,そうして子どもや学校や教員を見てくださる方がいるのは心の支えになります。

とっても充実した時間をありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?