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ピクサー映画は、みんなの「数少ない共通体験」になっている

photo by ロバート・コンドウ《ビートボード:さよなら、アンディ》(レイアウト:ジェイソン・カッツ、ジョン・サンフォード)『トイ・ストーリー3』(2010年)

「ピクサー展」を見る中で、来ていた人たちがそれぞれの小さいころの話をしているのを見て、『ピクサーがつくる映画って、みんなの数少ない共通体験になっているな』と感じました。

photo by シャロン・キャラハン《カラースクリプト》『アーロと少年』(2015年)デジタルペインティング

4/10(日)、Wantedlyのエンジニアの天野くんと、東京都現代美術館でやっている「ピクサー展」に行ってきました。

ピクサー展

はじまる前から、なんだかすごそうだなと思っていたので、やっと行けた、という感じ。日曜日ということもあって、すごく人が多かったです。

写真撮るのがダメだったので、シンプルにまとめるとするなら、「ピクサースタッフは、ストーリーにめちゃくちゃ時間をかけてつくっている」ことがわかる展示だった。ピクサーのこれまでと、つくってきた映画のストーリー、キャラクター、アニメーションが、これでもか!というくらい展示されてて、展示が終わるころには足が棒になるくらい。笑

これまで映画は「見る側」だったから、今回の展示でアニメーションを「つくる側」を垣間見れて、90分のアニメーションをつくるためには、こんなに多くのスタッフとイラストと時間とお金をつぎ込んでつくっているのだと知って、本当にすげーなーと思った。そして、それだけのコストを使っているからこそ、いつまで経っても、いつ見ても色あせない映画になっているんだろうなと感じました。

ピクサーが映画をつくる上で、一番力を入れていると言っていた、「ストーリー」。うろ覚えだけど、映画をつくる時間配分の中で、半分以上をストーリーに費やしている、という記述があったのが印象的でした。

“ ストーリーが必要だ。ストーリーがなければ、世界最先端のコンピュータグラフィックスを山のように積み上げても、何の役にも立たない ”

- ジョー・ランフト(ストーリー・スーパーバイザー)
“ 私たちの映画は高度なテクノロジーで作られているが、その核にあるのは、想像力と鉛筆と紙から生み出されるストーリーとキャラクターたちだ ”

- リー・アンクリッチ(「トイ・ストーリー3」監督 )

タイトルも「トイ・ストーリー」や「バグズ・ライフ」など、一目で内容が想像できる。それに、ストーリーもいつ見ても楽しめる。小さいころに見ても今大人になった今見てもおもしろい。何を伝えたいのか、それをどうやって見せるかにめちゃくちゃ時間をかけているからこそ、普遍的でいつ見ても飽きずに見れるんだろうなと思いました。

おもちゃの毛皮の質感を表現するために、専門家を呼んで何回も質感のチェックをして、まるで実際に動き出しそうなレベルまでディティールを詰めているところは、ピクサーのこだわりを垣間見たような気がします。(他のアニメーション映画もそうなのかもしれないですが、他は分からないので…)

今回、展示の中でおもしろいな、と思ったところは、ピクサー映画がみんなの幼少期の共通の話題になっていること。

周りを見る限り来ていたお客さんのボリューム層って、20代〜30代が多くて、「トイ・ストーリー」がやっていたころって、実は幼少期ぐらいの話(第一作公開は、1996年)。住んでいた場所も生活環境も違う相手が、小さいころ同じ映画を見て感動してそのことについて話せるということがすごいなと思うんです。

さらに、映画の話から「当時はどうだった」みたいな個々人の過去の話に広がっていくのを聞いていて、すごくいいなと思いました。趣味や価値観や生活環境の違いで、共通の話題がなかなかないのに、ピクサー映画は、みんなが経験している数少ない共通体験だなと思います。多くの人の記憶に残れる作品を創り出しているピクサーの裏側をすこしでも見れてよかったです。

ちなみに、今年「トイ・ストーリー」は公開されてから、20年経ったのだそう。あっという間だねー。

トイ・ストーリー 20周年

この展示、1時間では到底見きれないので、余裕をもって2時間くらい見ておくといいかもしれません。

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