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とにかくサツガイ=サンを読む会(6)
はじめに
! 注意 !
既読前提重点
趣旨については上記リンクをご覧ください。
なお、前回分+急に再開した理由は上記記事です。
今回はAoMシーズン4である『カリュドーンの獣』編の前半、『デストラクティヴ・コード』までの範囲からサツガイ=サンだけを抜き出してとにかく眺めてゆきます。
以下どんどん行きます。焦っています。ご了承ください。
ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カムより
サンズ・オブ・ケオス。それが電子コミュニティの名前だった。素敵な名前だ。彼はそう感じた。神秘の感覚を共有する者たちのもとへ、祝福者が降臨し、力を与える。名を「サツガイ」。ああ。そういう事か。サロウは理解した。つまり、サツガイがニンジャソウルをくれたのだな。二度目の絶頂が訪れた。 7
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) January 18, 2021
◆カリュドーンの狩人のうち、サロウはSoCからの参加。ニンジャ思い込み力が強い。
サンズ・オブ・ケオスの者らはサツガイの降臨を期待し、情報を交換し、様々な儀式や実験に明け暮れていた。集団ザゼン、ボン・ダンス、サバト、拷問。やがて……トランスの果て、コトダマ空間の彼方で、実際に、超自然の電子揺らぎに触れる者たちが現れ始めた。サロウは焦った。俺にも権利がある。 8
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) January 18, 2021
◆集団がてきとうなのは以前からだとしても、サツガイ=サンからの遠さで言うと見るからに劣化している。どうしても故ブラスハート=サンの渋い顔が脳裏をよぎる。
数え切れぬジャック・インを繰り返し、治安維持の為に出動してくる企業ニンジャを返り討ちにするなかで、彼のジツはどんどん磨かれていった。その果てに「存在」はあった。それはサツガイではなかった。「サツガイ?まあ違うけど、大した問題じゃない」女の電子姿は笑った。「アタシが答えをあげる」 9
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) January 18, 2021
「誰……?」「アタシはオモイ・ニンジャ」女の目の中には瞳が3つあり、艶めかしい唇はピンクだった。「イイ?アタシの人格と外殻は、このイカした女のものをもらったんだ。平和的にね。そうしないとアタシが存在するのは難しい。アブストラクト過ぎるから。この女にも名前はあったけど、要らない」 10
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) January 18, 2021
◆ト・キコの姿のオモイ・ニンジャはこのあたりから本格登場します。サロウの性格と普通に美女好きなところからして、祝福対象に興味があんまりないサツガイ=サンよりもト・キコの鋳型を使ったオモイの方が確実に好相性だろうから、ある意味よかったのかもしれない。
ヴェルヴェット・ソニックより
個展は黒字と赤字を行ったり来たりだ。ブレイクスルーできるかもしれない。010101マスラダ0011サロウが振り返ると、やってきたのはアユミである。「どうした?アユミ」「どうした、ッて……随分だね。ほら」アユミはフロシキ包みを差し出す。「言われた通りの物の筈だけど。これで大丈夫?」 22
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
◆爆発四散後にマスラダへ成り代わろうとするサロウ。アユミとの記憶にまで浸食できているのがとても気持ち悪くてカッコイイ。
サロウは中身を確かめた。そして微笑んだ。「良かった。焦ったよ」「わたしが居たからよかったけど!」「恩に着る」「恩に着てよ」「今度飯でも奢るさ」「そうね」アユミは少し考えた。「そうだ。テンプラ」「テンプラか……」「このビ010ルにいいお店が出来たって。今度行こ0011うよ0101 23
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
◆でもこれは昔懐かしのナラク偽装記憶アユミなんですね。テンプラ屋は確実にフジキドの記憶から引用されており、あり合わせの具材でなんとかしてくれている。
ジゴクめいた声をサロウは意志力で振り払った01001001……010010……0100101……荒地の光景が何故かひろがり、黒いトリイが立ち並んでいた。ゴーン。鐘めいた音が鳴り、彼が現れた。……010……サロウは驚愕し、その名を口にした。「サツ、ガイ」マスラダの輪郭に01のノイズが走り、サロウがズレた。26
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
サツガイ。そんな。サツガイが。今。目の前に。サンズ・オブ・ケオスのサロウが、追い求めてきた大いなる啓示が、今、この場所に。狩りの極点に、焦がれてやまぬ者の姿が。隠されていた。一瞬の忘我。サロウは呟いた。「サツガイ……」「サツガイ!」マスラダが叫んだ。ぎゅる、という音を聞いた。 27
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
◆ナラクの判断で対サツガイ=サン記憶をサロウ用の罠として発動させた様子。この後もサツガイ=サンは全然その気は無いのに巡り巡ってマスラダの助けになることがある。
それは力が、意志が、渦を巻く音だった。「待て。違うぞ。俺は俺なんだ……」サロウはマスラダに再び融けようとした。マスラダは黒く、赤く、燃えていた。炎がサロウの自我を苛み、拒んだ。マスラダはサロウの顎を押さえ、引き剥がした。キュン。キュンキュン。サツガイがハッポ-スリケンを放つ。 28
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
「グワーッ!」自我に灼けるような苦痛。スリケンはマスラダを、サロウを貫き、砕いていった。記憶は再びリールテープの端に到達し、凍りつき、「ア……ア」サロウは砕かれながら、なおも手を伸ばそうとした。「俺だ……マスラダ=サン、俺!」「ちがう。おれだ」マスラダはサロウを正面から見た。29
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
◆記憶の中でも効くハッポースリケン。それだけマスラダにとって死んだときの記憶が根深いということなのか。
そしてマスラダはサロウの手を振り払った。振り払われた瞬間、サロウの背後に光り輝く姿が現れ、のけぞる彼を受け止め、後ろから羽交い締めにし、断固として、引き剥がした。「嘘だ!」サロウはその者の顔を見ようとした。振り向いた時、その者は既にアユミではなかった。YCNANが出現していた。 30
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
緑の格子が凄まじい速度で眼下を行き過ぎる。サロウは速度に、そしてYCNANの抱擁に適応しようとした。「あのソウル!気を散らしやがって!」「無駄な事じゃなかったワケね?」ナンシーが冷静に指摘した。「あンた!何なんだよ!」サロウは激昂した。「あンたもそうだ!邪魔するから……!」 33
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 13, 2021
◆対サロウは全員参加の大がかりなイクサですごかった。
「イイイイイヤアアアーッ!」KRAAAAAASH!サロウの自我は質量を伴って爆発し、四方の壁、天井は破裂し、惨たらしく吹き飛んだ!「俺の勝ちだ!」溢れた色彩は収束し、サロウの姿に戻った。吹き飛ばされた庵の残骸に立ち、サロウは吠えた。……そして、目の前に立つ小柄な娘を見た。「……お前」32
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 27, 2021
サロウは瞬きした。サツガイ?違う。だが……「サツガイ……?」(((すまねえ))) 声が響いた。ゾーイは歯を食いしばり、目に涙を浮かべ、突き出した手に力を込めていた。(((すまねえ。俺がお前を守らなきゃならねえのに))) 0100001110……サロウは反射的に頭上のキンカク・テンプルを見た。眩しい。 33
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 27, 2021
◆ゾーイちゃんの容姿を認識した上でサツガイ=サンと間違いかけるサロウの様子からして、父祖の影同士の存在は何かしらとても似ているらしい。
「ゾーイ!ゾーイ!……ゾーイ!」シルバーキーはズタズタに貫かれたサロウを背に、よろめきながら、ゾーイのもとへ駆け寄った。そして強く抱きしめた。「すまねえ……俺が……俺、お前にこんな真似までさせちまった……!」「大丈夫」ゾーイは声を絞り出すように言った。「パーティープレイだよね」35
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) October 27, 2021
◆ゾーイちゃんはいくらアヴァターとはいえまだ子供で、しかもニンジャではない(※アヴァターは全員ニンジャという枠組みではない)からちゃんとした保護者が居てよかった。
上方に黄金立方体の感覚。だがそこへサロウが近づく事はできない。彼の自我はオモイ・ニンジャに絡め取られているのだ。彼は感じる。見下ろす巨大な影たち。ダークカラテエンパイアの親玉達か。(00101そうだ。俺は……ダークカラテエンパイアだと?畜生め……俺が探していたのは……サツガイ00101) 3
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) November 5, 2021
◆最後の最後にひょっこりと初志を思い出すサロウ。ここからも手に汗握る展開が続きますが、この記事はサツガイ=サンにしか焦点を当てていないため『ヴェルヴェット・ソニック』からの引用は以上になります。
ロンドン・コーリングより
救援に現れたフジキドと共に辛くもヒスイ・ニンジャを破ったユカノは、ダンジョンの深奥に至った。チャドー瞑想と国際探偵フジキドの推理力によって、ユカノは神秘的祭壇で行われた冒涜的行為の一端を幻視した。ダンジョンに侵入していたのは、シトカでマスラダに滅ぼされる以前の、サツガイだった。14
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
◆『ロンドン・コーリング』は元々note限定の中編でしたが、年末ニンジャイベントとしてtwitter放送が行われ、その際の改稿の一環として同じくnote限定だった『エンター・ザ・ドラゴン・クリプト』の内容が合体する形になりました。サツさんぽ(墓荒し)回です。
サツガイは祭壇に安置された三つの神器、ジュエル、ツルギ、カガミを冒涜した。翡翠のジュエルからヒスイ・ニンジャを生み出し、炎のツルギからスルト・ニンジャを蘇らせた。スルトは黒いトリイをくぐって何処かへ去り、ヒスイはその場に残された。そして鏡の破片から、サツガイは……。 15
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
(お前、なにか妙だなあ。ドラゴン・ニンジャとは違うのか。まあいいや。そンならとにかく名前をつけろよ)幻視光景の中で、サツガイは闇そのものの貌に歪んだ笑みを生じ、カガミから創造した邪悪な影に語りかけた。(何でも良いんだ。無いと支障があるだろ。「オイ、きみ!」ッてワケにはいかない)16
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
◆サツガイ=サンの貴重な撥音便カタカナ発音。ニンジャ世界の中で名前とは自己定義の上でかなり重要なファクターのはずですが、サツガイ=サン的には何でもいいご様子。
(名前……)(紛らわしい名前もダメ。扱いに困るからな。ドラゴナ・ニンジャとか、そういうのはダメ。そうだなあ、イビルドラゴンとか……どう?ダメか。BWAHAHA!)そして黒髪の女は目を開き、サツガイの手を払い、冷たく答えたのだ。(我が名はティアマト。我に気安く触れるな。ズガタキェー)17
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
◆何でもいいと言った端からリクエストが多い。
ちなみにnote版とは色々文章が違いますが「イビルドラゴンとか……どう?ダメか。」のところはnoteだと「ダメか?」だったので、ネーミングセンスがちょっとダサいことを自覚しているサツガイ=サンと自覚していないサツガイ=サンが並列してこの世に存在している。
(MWAHAHAHAHA!ティアマト!?お前、そんなにも自我がハッキリしているのか。なかなか面白そうだ。お前の望みを言いなさい)サツガイが促すと、ティアマトは無言のせせら笑いで応えた。サツガイの狂笑……。(BWAHAHAHAHAHAHA!MWAHAHAHAHAHAHA!ならば、ついて来い!)……「ンアアア……!」 18
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
ユカノは頷き、チャで唇を湿した。「このうえは、是非とも彼の力を借りねばならない。ニンジャ六騎士、ゴダ・ニンジャ=サンの力を。如何なる異変が世界に訪れようとしているのか……サツガイとは何なのか……知恵を借りる事ができる筈です」「大英博物館……ロンドン」フジキドは呟いた。 21
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) December 9, 2021
◆サツガイ=サンはシーズン2の頃からときどき親戚のおじさんくさいことを言ってくる傾向にあり、「お前の望みを言いなさい」ではしばらくぶりに親戚おじさん性が摂取できるため貴重。
デストラクティヴ・コードより
『我はオヌシのカラテを疑っておらぬ、ブラックティアーズ=サン。オヌシが獣を狩れば、それにて勝利。カリュドーンを制し、摂政のハンコは我がものとなる』しばしの沈黙の後、セトはやがて言った。『仮にそれが果たせずとも、サツガイを現世に呼び戻せば我らが勝利。即ち、如何様に転んでも勝利だ』24
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) February 18, 2022
「深甚なる采配でございます」ブラックティアーズは頭を下げた。『……そう考える筈だ。オヌシは忠実なる戦士であってみれば』セトは含みをもたせた。『しかし。空を見よブラックティアーズ=サン。この異彩の空を。……カツ・ワンソー刮目すれば空は金の雲たちこめ、かき曇る。而してこの色は?』 25
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) February 18, 2022
◆カリュドーンの儀式に異物がいるというセトの見立てから、儀式現地部隊とりまとめ業と狩人業と併せてそっちの対処もさせられ始めるブラックティアーズ=サン。なぜこうワンオペなのか。
ノロイ抑圧の極限状態で、アヴァリスが出来た動作は腕一本あげる事だけ。だがそれで十分だった。アヴァリスはマガタマに呼びかけた。完全に、アヴァリスの本能が知っていた。生まれた時から、路地裏でヴァインを見上げたあの時から、ヴァインの一部を食らったあの時から既に理解していた事だった。 29
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 17, 2022
◆儀式異物と見なされた狩人・アヴァリスがブラックティアーズ組のみなさんに襲われて、異常にねっとりした描写のセンシティブ暴力とセンシティブ死を見せつけまくった後ブラックティアーズと直接対決になった際のひとこま。
念のため説明しておくと筆者は狩人初登場回から(サツガイ=サンは全然関係ないがアヴァリスめちゃくちゃ好きだなこれ……)と思っていた事跡があり、しかも血の粘性でねちょねちょした暴のセクシーを直前まで頭から浴びせられて心うきうきになっていた矢先の当該ツイートであり、本当にちょっと待ってほしい。正直親王殿下の件も未だに全く受け身が取れていないのにまた事故が起こるというのか……
アヴァリスは命無き緑の世界を垣間見た。今のネオサイタマ同様、頭上には黄金立方体が冷たく輝いている。超然と見下されるのが不快だった。己の本質があの中にあるという事は、本能的に理解できる。それでも不快だった。己のその心の動きが興味深かった。アヴァリスはトリイ・ゲートを閉じた。 30
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 17, 2022
◆また事故った……
「!」ブラックティアーズは一瞬、驚愕した。アヴァリスはマガタマを共振させ、コトダマ空間を経由して、莫大なエテルを自身に引きずり込もうとした。「イヤーッ!」ブラックティアーズはすぐにマガタマを掴み取り、何らかのノロイでマガタマの力を閉じ直した。アヴァリスは立ち上がった。 31
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 17, 2022
「セトにとっては、俺はサツガイの贄でしかないンだろうよ」イアイを構えるブラックティアーズと対峙し、アヴァリスは無雑作に直立。その身体をカラテが駆け巡る。「だが、それは……さすがに俺を侮りすぎじゃないのかね。わかるかよ……。……サツガイは俺の餌でもあるんだ」 33
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 17, 2022
◆これまでずっとサツガイ=サンのことはゾーイちゃんと年の離れた双子(ふたりっこ)だと思っていたのに、ここにきてまさか獰猛でクソデカくてサツガイ=サンに食欲を向けてくるなんか異常にセクシーな弟が生えてくると思わず、当時ずっと目を白黒させていた記憶があります。今でもまあまあ目が白黒します。というか8つ子の可能性が生じた以上、今後ずっと層に警戒する必要があるのかもしれない。
あとこれは参考情報ですがサツガイ=サンが身長177cm程度(可変)でアヴァリスが196cmなので身長差は19cm前後ということが判明しています。
「わかるかよ。俺が、サツガイを、贄にするんだ!」アヴァリスの目が闇色に輝いた。……「サツガイ」の名を耳にした瞬間、ブラックティアーズのニューロンは極度に鋭敏化した。サツガイの名がアヴァリスから出てきた。なにゆえ?そして、どこまで知っている?引き伸ばされた時間が泥めいて流れる。 1
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
アヴァリスはブラックティアーズの水晶球の中に秘されていたマガタマを目にした時、なにかを察したのだ。そして「サツガイ」の存在に触れた。これは……『異な事だ』ほとんど静止した世界で、ブラックティアーズの横にセトが出現し、話しかけた。空気を練って作ったような、セトの透明な写し身が。 2
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
セトは己の異形の顔を少し傾け、首に長い指を添わせて思考し、アヴァリスを指差す。引き伸ばされた時間の中で行われる動作は実時間においてコンマ1秒にも満たない。『即ちアヴァリスは我らがサツガイと同格の存在だ。当初、我は疑った。刺客を差し向け襲わせた……その過程を、我は観察した』 5
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
◆それどころではない謎解きタームではあるものの、「我らがサツガイ」が面白すぎて集中できない。アヴァターの中でサツガイ=サンばかりが担がれてるのは、おそらく当人が空洞なので摂政が好き放題しやすいという藤原氏的発想によるものと思われますが、「我らが」は親しげすぎていきなりどうしたの感がある。
叫び声をあげながら、アヴァリスが身体のバネを伸縮させる。『はからずもその過程で我は確信に至る。ノロイを通し、我はアヴァリスの魂の輪郭をスキャンした。そして露出したマガタマにあの者の意識が吸い寄せられた時、確信は絶対の真実となった』(奴は、サツガイを贄にすると申しておりました) 7
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
『可能であろう』セトはあっさり認めた。『あれもまたカツ・ワンソーの影ゆえに。当然、阻止する。あの者の様子を見るに、ヴァインが当初よりサツガイの吸収を目論んでおったかどうかは怪しいものだ』(封印、ないし処刑。奴を排除する。それが御身の命令でございました。この上で如何なさいますか) 8
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
◆ヴァインとアヴァリスの関係、クロヤギとディミトリの自我がどれくらいの塩梅なのか分からない点もあり極めて複雑。
『あの者は未熟な状態だ。それゆえ儀式にノイズを呼んだ。……マガタマの使用を許可する』セトは示唆した。『刻んだノロイがバックドアとなる。奴の肉体を触媒に、直接サツガイを受肉せしめる。うまくゆかぬならば、ただ殺してよい。粛々と儀式を進行せよ』(御意)セトは消え、時間が流れ出す。 9
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
◆この状態から粛々とできる儀式があるんですか?
当時サツガイ=サンが見たすぎる気持ちとアヴァリスを応援したい気持ちで呻きまくった思い出。
「グワーッ!」アヴァリスは目を剥いた。胸を貫いた妖刀が、カンジ・シバルの力が、ノロイのエネルギーが、邪悪なる影をその場に繋ぎ止めた。「応えよ!」そしてブラックティアーズは黒いマガタマを翳した!サツガイの鍵となる神秘を!……ゴーン!オヒガンの鐘が鳴り、風が狂った! 32
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
マガタマは手の上、僅かに浮かび上がった。その周囲に無数のヒエログリフ・カンジが舞い踊った。異色の空に稲妻が閃くと、巨大な影が垣間見えた。セトだ。セトがオヒガンの道を通じ、今、アヴァリスの本質を冒すバックドアを通して、呪力を流し込んでいるのだ。ハッカーがコードを実行するように! 33
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
◆タイトルのダブルミーニングこれが好き。
ゴーン。ゴーン。ゴーン。そして屋上には、黒いトリイが次々に生じた。それは何処にも通じる事のない、何にも導くことのない、ランダムに立ち並ぶトリイだった。少なくとも……今はまだ。「AAA……AARGH!」アヴァリスが吠えた。ブラックティアーズは最後の仕上げを……「Wasshoi!」 35
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
ブラックティアーズのニューロンが発火するほどに加速し、思考が、無数の行動選択肢が乱れ飛ぶ。今だけは。今だけはこの獣と対峙するのはまずい。何故ならアヴァリスが……「……サツガイを!」次の瞬間、彼の眼前に「忍」「殺」のメンポが、赤黒の憤怒の眼光があった。「……知っているな!」 37
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) March 24, 2022
◆これまでのサ知の中でもトップクラスに動かぬ証拠がありすぎる。流石に黒トリイがちょうどあったのはティアマト以来のような。
ブラックティアーズは逡巡した。僅か一瞬の迷いだった。主君セトがアヴァリスを制圧しきる為に、不完全なるワンソーの影にサツガイを受肉せしめる為に、今はマガタマに己のカラテを集中させねばならない。絶対に。だが……「グワーッ!」ブラックティアーズは目を見開いた。鎖骨をチョップが割った。 1
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 8, 2022
◆ブラックティアーズ=サンは労働環境を組合に相談した方がいい。
ボ。ボボボ。ボ。風切音と共に黒いトリイが消滅してゆく。「はははは。ははは。はははははは……!」うず黒い堆積物が、アヴァリスが、震え笑った。「ははははははは!」「イヤーッ!」ブラックティアーズはワキザシでニンジャスレイヤーに反撃した。ニンジャスレイヤーは刃を掴んで止めた。 2
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 8, 2022
「サツガイを。知っているな!」ニンジャスレイヤーは握力で刃を握り込み、抑え込む。血が滴り、それはブラックティアーズの傷を修復するが……!「アイサツせよ、獣!」ブラックティアーズは言葉を搾り出し、ワン・インチ・カラテ衝撃波を叩きつけた。ニンジャスレイヤーは弾かれ、タタミ2枚後退。 3
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 8, 2022
「ニンジャスレイヤー=サン!」締め上げられ、耐えながら、サツバツナイトは叫んだ。「オヌシの直感は正しい!マタガマはセトの陰謀の鍵であり……サツガイをこの世に降臨せしめる為の呪物だ!」「イヤーッ!」「グワーッ!……マガタマを……破壊せよ!今やオヌシは……一対一だ……!」 47
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 8, 2022
◆いろいろあってサツバツ仮面様が来た。このあたりの解説はユカノからの知識だろうか。
ナラクの言葉を追いかけるように、「感覚」が襲い来た。彼は瞬時に死角方向へ向き直った。そこには黒い人型の影があった。影の黒さはニンジャスレイヤーがよく知る黒さ……砂色のフードの影に渦巻く暗黒と地続きのなにかだった。マガタマだ。マガタマが今、影として立ち、カラテを……「イヤーッ!」14
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
◆はじめ一瞬お洋服を着ていないサツガイ=サンかと勘違いしてお召し物は!?となってしまった。
胴体を貫く拳が繰り出された。ニンジャスレイヤーは己の中心を貫通するカラテを感じ取り、すぐさまブラックティアーズから手を離し、全力のクロス腕ガードで防御した。「ヌウーッ!」ニンジャスレイヤーは圧力で跳ね飛ばされ、空中で三回転ののち、ビルのふちで踏み留まった。黒いトリイが乱立する。15
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
「01001……0101」マガタマの変容体は不明瞭な哄笑を現世に響かせた。黒いトリイはビル屋上のみならず、その周辺の空中に無差別に出現する。そして……「01001イヤーッ!」マガタマの変容体は四方八方へ、無差別に、ハッポースリケンを投射した! 16
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
◆マガタマ変容体=サン、笑い声が「BWAHAHA!」ではなく「01001」になるだけで圧倒的潜め声くすくす笑い感が出て非常にラブリー。
「ヌウウウッ!」ニンジャスレイヤーは防御姿勢をとった。(((マスラダ!注意せよ!)))ナラクが呼びかける。(((この力、今の今までアヴァリスに向けられておったマガタマの渦だ。奴め、目先の敗色を前に己の企みを脇にのけ、奥の手に出おったわ!どのみち潰せ!))) 17
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
「……サツガイ……を……!」ブラックティアーズはマガタマに働きかけようとする。だが、脇に転がるカタナのベッピンが、死にゆく彼に応える事はなかった。手が落ちた。「サヨナラ!」ブラックティアーズは爆発四散した。マスラダはマガタマにチョップ突きを繰り出した。「イヤーッ!」 37
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
◆ブラックティアーズ=サン、マルチタスクに包まれてあれ……
「これは何だ。アヴァリス=サン」メイヘムが問う。アヴァリスは鼻を鳴らす。「お前には関係のない話だ。獣を狩りたいのだろう?安心しろ、カリュドーンの儀式を邪魔をするつもりはない」「……」メイヘムは眉根を寄せる。アヴァリスはニンジャスレイヤーを見下ろしながら、マガタマを飲み込んだ。 43
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
◆実は筆者は捕食も極めて好きなのでどんどん追い込まれていく。
ドクン。ドクン。ドクン。アヴァリスの鼓動が屋上全体に、あるいはこの地域全体に、あるいはネオサイタマ全域に……響き渡る。ニンジャスレイヤーはアヴァリスを凝視する。アヴァリスの目は邪悪な緑を湛えて燃える。サツバツナイトは抗おうとする。セトのコトダマが傍らに立ち、肩に手を乗せている。44
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
「嗚呼」ニンジャスレイヤーの拳を押さえながら、アヴァリスは独りごちた。「成る程、これが、俺か」 45
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 14, 2022
◆揺るがない自我がほしくてあがいた結果、「自我に意味はない」と嘯くサツガイ=サンを体内に取り入れるのはとてつもなく危険な気がして、当時かなりアヴァリスを心配していました。結局予想が当たってあんなことに……
アヴァリスはヴァインの肉を分け与えられ、強大になった。だが、曖昧だった。依然として曖昧だった。影のように。気に入らないことだった。ダークカラテエンパイアのセトがカリュドーンの儀を開けば、当然アヴァリスは赴く事となった。空の玉座?エンパイアを恣にするのはただ始祖カツ・ワンソー也。 9
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 21, 2022
◆曖昧さを自覚してそれに不快さを覚えるアヴァリス、とてもサツガイ=サンの弟とは思えないくらい人心があってえらすぎるし、逆に傷みうる柔らかい部分の所在が見えるせいで筆者の心の中のキュートアグレッション担当者が暴動を起こしそうで大変。
そして今この時、アヴァリスはマガタマを飲み込み、己のアイデンティティを掴むに至った。晴れやかな気持ちが訪れた。カツ・ワンソーの象徴たるハッポースリケン。ニンジャ始祖の黄金の光は八つの影を落とす。そのひとつであるアヴァリスは、更に今ひとつの影を喰らい、己のものとした。 10
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) April 21, 2022
◆本当に掴めているだろうか?家族と話はしているだろうか?あっ家族といってもなるべくサツガイ=サン以外で……
今回はここまでです。大変なことになって参りました。
なお、今回の続きは上記リンクです。
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