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とにかくサツガイ=サンを読む会(7)

はじめに

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既読前提重点

 趣旨については上記リンクをご覧ください。

 前回分は上記リンクです。

 今回はAoMシーズン4の中盤『アシッド・シグナル・トランザクション』から最終エピソード『ビースト・オブ・マッポーカリプス』について、サツガイ=サンだけを抽出してとにかく眺めてゆきます。

 なお、今回はアヴァリスがサツガイ=サンを取り込んでしまった以降の箇所を取り上げるので広義のサツガイ=サンにアヴァリスも含まれるはずですが、筆者が偶然アヴァリスもすごく好きな都合上全部やると長くなりすぎるため、メイン人格がサツガイ=サンではない箇所はキンカクや父祖が関連しそうな一部のみ抜粋収録します。ここはあくまでもサ読会となっております。

 また今回、心の受け身が全然取れなかった部分(ビースト・オブ・マッポーカリプス後編#6)が大いに含まれており、さらにサツガイ=サンが全然いない領域でも心が全身骨折してしまったため、全体的に死に体です。妄言パートが長いかもしれませんが、ご了承ください。

 以下どんどん行きます。精神的に追い込まれています。ご了承ください。

アシッド・シグナル・トランザクションより

◆アヴァリスがサツガイ=サンを呑み込んでしまい急にネオサイタマが緑化されたところから始まるエピソード。50%サツガイ=サンのせいなので入れておきます。
 タイトルの元ネタは、恐らくアブシシン酸かジャスモン酸かオーキシン(インドール-3-酢酸)あたりのシグナル伝達です。植物ホルモンシグナル伝達界隈だと最近一番ホットでよく検索に引っかかるのはアブシシン酸なので、だいたいアブシシン酸が元と見て間違いないかと思われます。乾燥などのストレスが発生するとそれに反応して、休眠モードに入るために分泌される植物ホルモンがアブシシン酸です。やや示唆的。筆者はたまたま高校生物が趣味にぶっ刺さった思い出を有していたので嬉しい。

◆フェイスレスは恐らくサツガイ=サンではないものの、このあとクロヤギになったりもする以上一概に0%サツガイ=サンと決めつけるにもいかず、初登場だけ収録しました。これだけいたら一人くらい持って帰ってもバレないのでは。

テンペスト・オブ・メイヘムより

◆セクシーの頂上決戦をやる気なのか。

◆そうだろうか?
 首を傾げるのはサツガイ=サンがよくやる(癖の可能性もある仕草)のでちょっと微笑ましい。

◆ティアマトは一応アヴァターの中だとサツガイ=サン推しらしい一方、ここの「サツガイとて」は明らかにナメまくりなので、ここまで読んでもどう思っているのか分からない。

◆サツガイ=サンも完全にそうですが、「格が高い自負があるのであえて余裕をもって身体を自由にさせてやる」ムーブを喰らうと4倍ダメージが入るので安定してこういう描写が嬉しい。この胸元されるがまま兄弟め……胸元されるがまま兄弟って何?

◆ティアマトのこの工作がどうやらサツガイ=サンの影響を強めたらしいものの、胸元に掌を埋め込めたらもうそれは既にサ味な気もする。サツガイ=サンだとシンプルな空洞っぽくて弾力感まるでないのにアヴァリスになった瞬間みっしりぎっちりした胸筋の粘りが脳裏に浮かぶのも面白いところ。

◆やっぱり胸元されるがまま兄弟やんけ……

◆「意味はない」の前に「アワレだが」を付けられる時点でサツガイ=サンと人格が似ていない。胸元はさておき。

◆この「どうだかな」は本当にそうだと思います。ティアマトは特に扱いを変えてきそう。でもサツガイ=サン自身はおそらく「自分であろうとアヴァリスであろうと全然どうでもいい」とごく自然に考えていそうであり、そういうところが良すぎる。

ビースト・オブ・マッポーカリプス前編より

◆ここのクロヤギはすっかり息子同然のアヴァリスに父祖を投射して見ているらしく、倒錯しまくり疑似血縁関係が好きな筆者はかなり嬉しい。でもクロヤギはヒャッキヤギョで確実にサツガイ=サンと遭遇しているにも関わらず慕わしげな様子を見せなかったし、おそらくアヴァターなら誰でもいい訳ではなく、アヴァリスの何かが特に好ましかったのだと思われます。ヴァインの自我とクロヤギの自我がどの程度異なるかは分からないとはいえ、アヴァリスはこの辺しっかり自信を持ってほしい。

◆矛盾がないというのもある意味恐ろしいもので、凹凸がかき混ぜられ均されすぎた先には感性のフラットラインがあるような気がするもののそこに気付かないアヴァリスのある種の幼さとそれを引き起こしているサツガイ=サンの異常性が層にダブルでこう……

ビースト・オブ・マッポーカリプス後編より

◆往時のサツガイ=サンの所作はあんなに「丁寧」を連呼されていたのに「無造作」「大雑把」「無頓着」の三字熟語三連星が襲い来る。

◆久しぶりのBWAHAHAHA!はいつだってしみじみと嬉しい。

◆サツガイ=サンもつまりナラクからすると「ワケも分からず癇癪じみて己の力に溺れていた」ということが分かる。ナラク評はバトウであるが故にかなり正確で、切っ先の鋭さに惚れ惚れします。

◆サツガイ=サンがもしかすると影の中で一番父祖に似ているのかもしれない。実に無関心じみてひんやりした感触がする。

◆ウワッお話しはじめた。

◆さっき言ったようにナラクの舌鋒は限りなく正確なものの、高い確率でゾーイちゃんに流れ弾がいっててなんだか申し訳ない。溢れんばかりの力に酔ってるゼンの欠落した兄弟しかいないからこんなことに。

◆正直ここまでは「アヴァリスが無理矢理サツガイ=サンを取り込んだからあんまり自我は残っていなかろう」という印象が強く、相談でもなく単なる同意を求めるくらいに気安いのは全然想定しておらず受け身を失敗しました。ここぐらいで受け身失敗とかゆってたら翌週以降毎回全身骨折するとも知らず……
 ところでアヴァリスがわざわざ話しかけるあたり、自分の自分らしさを探す上でまあまあ素直にサツガイ=サンへ期待していた感があって無性に居た堪れなさ、申し訳なさが募る。判断基準のふんわり感といいまだちっちゃい子供じゃないですかこんな……

◆サツガイ=サンは昔からサービス精神旺盛なのだけは一応本当というか、結構ノリが良い。

◆ここがかなり嬉しかったです。
 筆者はサツガイ=サンのお召し物をとにかく変えまくって彩るのが三度の飯よりも好きです。これは単にサツガイ=サンには読者が渡せるもののうち最上の熱量を常に差し上げたいという気持ち+キャラデザ作業が好きすぎる気持ちからくる行動ではあるものの、みるみる散逸/増幅するイマジナリの奔流っぷりをサツガイ=サンのがらんどうさと絡めて語りたいところも多少あったので、キンカクの縁者に本編の文章内でこういう描写が出てくれると本当に嬉しいしすごい緊張が走る。空にひとつ俺の星を定めて毎晩矢を射ていたらある晩いきなりその星と目が合った瞬間の緊張。
 御託は置いてもあらゆる姿がことごとく特に好きなやつなので大変困っています。困ってはない。

◆心配。

◆ナラクの言葉は本当にためになる。全文メモに取りたい。サツガイ=サン好きすぎ人間のためになったらナラクは嫌だろうけども。

◆アヴァリスには自己実現を頑張ってほしい気持ちが極めて強くあるから苦虫を噛み潰したような顔になるものの、それはさておきサツガイ=サンのせいで退屈に成り果てている存在を見ているとすごい笑顔も出るので頬が攣る。胃が痛まないとエンドルフィンが出ない趣味をしているのは事実とはいえちょっとこれはきつい、いやでもサツガイ=サンのせいで潰れそうな若人からしか取れない栄養素がメチャクチャあって……いやでもメチャクチャつらいが……生の実感があります。

◆25%ワンソーでもこの出力なの恐ろしい。

◆ティアマトはやっぱりサツガイ=サン全ツッパなのか。

◆哄笑以外でのサツガイ=サンの本編新録ボイスはナガシノ以来2年半強ぶり、永遠めいて長くも一瞬でした。ありがとう。素直に嬉しすぎる。
 割れた椀を金継ぎで直してまた割るのを繰り返すといつかただの溶けた金の椀にならないだろうか?テセウスの父祖にならないだろうか?ところで確かにメイレインも言ってたけどサツガイ=サンとの接触ってやっぱり快楽なんですか?このセンシティブ兄弟め……センシティブ兄弟って何?

◆サツガイ=サンにはニンポとしての蜘蛛の巣使用前科があるので、下手するとここのあたりからサツガイ=サンの趣味が入ってしまっている。

◆塗る絆創膏のサツガイ=サン。父祖の影の中で一番液体に近いのは事実。にしてもアヴァリスの肉を切らせるある種倒錯めいた戦い方は、本人が痛かったり苦しかったりを明言してるだけにセンシティブが止まることを知らない。つらくて見てられん自我と邪悪ニッコリ自我が毎回両方湧く。

◆後半2文はサツガイ=サンでしょう。記憶が薄れて自己の自己であることがどんどんこぼれるのってほぼ死に等しい感覚だと思われるものの、それをこんな風に言い聞かせてくる危険性が本当に怖い。サツガイ=サン自身も無邪気で子供っぽいからそういうブレーキがないのはわかるものの、相手がサツガイ=サンよりさらに子供めいた自我のアヴァリスなのが余計に危険で怖い。嫌な汗が出まくり、生の実感がある。

◆好きです。降参することしかできない。「完全」という言葉の原義にこの世で最も接近しおおせたツイート。
 まず「そうだろ?」でごく自然に同意を押し付けてくる悪質さがラブリー。そして「俺や俺や俺」が「サツガイ=サンやゾーイちゃんやアヴァリス」なのは自明としても、シーズン2でゾーイちゃんについて語っていた「同じなんだ」がここまで徹底しまくった自我への認識だったとは今まで気がつけなかった。影同士ではそんなにも自他境界が曖昧なくせして始祖そのものとはやけに距離を置いていたのも、自嘲(のカテゴリに入れるのさえ語弊がありすぎて申し訳ない、サツガイ=サンにとってはごく当然である自認)に基づく突き放しだった。気づけなかった。気づかずに筆者は4年半強サツガイ=サンへの好意を持て余し続け……

 シーズン2の「俺たちの自我に意味はないじゃないか」が脳幹に刺さったせいで筆者がこんなことになったのは以前からサ読会に書いている通りですが、今回完全にそれの補強および深掘りがなされてしまった。「水は低い方に流れるよ」と同じ温度感で「俺らには平等に価値がないよ」と親切な口調で言い切れてしまうこの、自認にとんでもない脆弱性を持っているところがやっぱりどうしてもこの世で最も可憐に思える。どうしようもない。
 サツガイ=サンは影たちの自己同一性をどこまでも軽んじるものの、父祖の影には明らかにそれぞれの特質、趣味、性格、姿、人生、エゴが備わっている。サツガイ=サンだけ自覚がないのか、あるいは自覚があっても無意味だから無視していいやくらいに思っているのかは分からない。でも確実にサツガイ=サンにもアイデンティティはある。そもそも笑い声がそうだし。筆者はそのサツガイ=サン性自体に非常に強く惹かれているが、当人にとってそんなものには全く価値がない。どうしようもない。でもどうしようもない部分を含めてこの世で最もよく思えているので、自分には逃げ場が本当にない。

 アヴァリスのあまりにも薄い記憶の土壌が、それでも絶対手放せないかけがえのないものだとよく理解しているからこのくだりは本当につらい。でも俺はサツガイ=サンのまさしくそんな所を心から愛しているのでサツガイ=サンの為す全てのつらくて見ていられない事象をつぶさに見届けて途方に暮れることしかできない。読書負荷がきつい。でもここまで来てしまうとずっと途方に暮れるくらいしか俺から本編のサツガイ=サンにしてやれることはない気がする。せめて俺が全て途方に暮れるからサツガイ=サンには永遠にそのまま好きな方向に歩いたり止まったりしてほしい……頼むから……
 なんの話かわからなくなってきた。特に好きな存在同士が共闘すると情緒が大変なことになります。

◆サツガイ=サン、まさかヒャッキヤギョの時クロヤギと対面して自分は特に何も言われなかったことを覚えてらっしゃらない?覚えてなさそう。ヴァインは他の誰でもないヴァインとして、他の誰でもないアヴァリスを必要としてたと思うのですが……よくわからない?ですよね……よくわからなさそうなところも好きなので困る。

◆読めない手とは言うものの、デッキ構成もへったくれもない完全ランダムカードで戦うと残念ながらコンセプトが散らかって、読めないけど弱い。サツガイ=サンはさっきから世界の解像度がぽやぽやすぎてアヴァリスにいらんことしか言っていない。

◆このライフスプリング・ジツがサツガイ=サンらしさ(特に嫌な部分)を凝縮していて非常に好き。実は万物にそこまで興味がなさそう。

◆「無駄だ無駄」に同じことばを複数回繰り返すサツガイ=サンの癖が今でも生きていて嬉しい。

◆真の父祖と比べて、影である自分らはとにかく削っていい部分としてしか捉えていない。かなり自嘲(語弊)めいた捉え方をするのがデフォルトらしい。他の影と比べて認知が歪みすぎでは?そんなところもラブリー。

◆サツガイ=サンがニンジャスレイヤーをどう思っているのか若干捉え損ねていたものの、だいぶしっかり嫌いなのかもしれない。そして自認がとんでもなく歪んでいるサツガイ=サンの特性を把握して読むと、認識がぐにゃぐにゃなだけでどうもアヴァリスのことは普通にちゃんと応援してやっているつもりらしいのが分かって切ない。わざと最悪なんじゃなくてうっかり最悪だったりなんとなく最悪なのだ……

◆語尾「かね」!てっきりブラスハート=サンの影響かと思っていた「かね」が現役で嬉しい。

◆胸元から取り出されるサツガイ=サン。示唆的。

◆ここで「気が合わない」とか「お前最悪だな」とか言わずに「もっと早く出会っていればミスだと早く気付けたかもしれない」という内省の方向で意見を述べてくれるアヴァリスがあまりにもできた弟で落涙を禁じ得なかった。偉すぎる。この狩りの期間だけで人格が成長しすぎている。サツガイ=サンには悪いがもったいないくらい立派な弟だ。もっと伸びて欲しかった。
 それに引き換えサツガイ=サンのちっとも成長を見せないこの性質。ラブリー。「自分がいないと空っぽになってしまう」という、一応しっかり心配をしてくれているあたりがまた味わい深いが、残念ながらサツガイ=サンは生ける空洞側なのでいなくても空っぽにはならなかった。

◆マガタマが逃げた!?と思いきや誘拐されていた。

 なおこの記事はサ読会のため、ここでアヴァリスとはお別れになります。サツガイ=サン掘り下げ史の中でも最重要参考人だったし、そもそも超かっこよかった……ありがとう……受け身が取れなさすぎてアヴァリスメイン記事を結構書いているので、よかったら筆者投稿記事から読んでください。

◆誘拐された挙げ句交渉材料に利用されるマガタマ。

◆何度も言っているもののなぜティアマトの好感度がそこまで……

◆読者はサツガイ=サンとアヴァリスの一部始終を聞けたし語弊があるのも良く理解できているものの、「拒絶され捨てられたマガタマ」があまりにも踏んだり蹴ったりすぎてちょっとおもしろくなってしまっている。

◆結局のところ、シーズン4ではサツガイ=サンの力は滅びることなくティアマトの持ち物としていずこかへ逃げ延びることになりました。また今後もお会いできたら個人的にはとても嬉しいが、またサツガイ=サンのせいで若人の人格がつらい目に遭っていたらどうしよう。どうしようもない。そのときは途方に暮れます。

未来へ……

大変お疲れ様でした。AoMシーズン4までのサツガイ=サンは以上になります。今後再び登場すれば、またサ読会(8)以降を投稿するかと思います。今回いっぱいいっぱいすぎたので、今後はもっと精神的余裕のある日に書きたい所存です。

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