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南アルプスの競合は飛騨高山!?

6月29日、山梨県南アルプス市にある古民家「Yolo 宜 sawanobori(よろさわのぼり)」にて、ある勉強会が開かれました。


(...すごいお屋敷でした…)

その名は、“kakeru(かける)プロジェクト”

どのようなプロジェクトなのか。以下、主催者チームのメンバーが書いた説明文です。

南アルプスには様々な資源があります。一方で、その資源を守っていくためには、解決しなければならない問題もあります。

“kakeru(かける)プロジェクト”は、そんな地域の資源と外国人観光客という、一見すると繋がりがないように思える2つの資源を掛ける=kakeruことで、どんな化学反応が生まれるのかを探る実験プロジェクトです。

今年度は、地元住民の皆さんと山梨県立大学、さらにはインバウンドツアープロデューサーの三浦岳人さんの協働により、外国人観光客向けのツアーをつくり、実際に事業を行うことを通じて、距離や文化を超えた新たなコミュニティづくりに挑戦します。

その第1回の勉強会。いったい、何人集まってくださるかと思いきや、20人を超える地元の方々が集まってくださいました。

「Bicycle Tours Tokyo」に口コミが集まる理由は”特別感”

外国人観光客向け自転車ツアー「Bicycle Tours Tokyo」を行っている三浦岳人さんを講師にお迎えして、勉強会がスタートしました。

<三浦岳人さんプロフィール>

インバウンドツアープロデューサー。2016年6月にインバウンドツアー「Bicycle Tours Tokyo」(外国人観光客向けの都内自転車ツアー)を立ち上げて以来、2018年6月現在で40か国2000人以上が参加。TripAdvisorの口コミ満足度は東京のあらゆるツアーで一位を獲得、また日本のみならず世界でトップクラス。予約は常に1ヵ月先までほぼ満席の状態となっている。

「Bicycle Tours Tokyo」を始めてから数か月後、三浦さんは、他のツアーと比べて自分のツアーへの口コミが多いことに気づいたといいます。他社のツアーを読みこむとその違いが分かったそうです。

三浦さんはひとりで自転車ツアーを行っています。安全性などを考えると、お客さんの数は1日6名に限っていました。一方、他社は2人のガイドでツアーを組み、10人から20人くらいのお客さんを集めていました。

三浦さん自身、当初はその点を弱みだと感じていました。ところが実は、それこそが口コミの多い理由だったのです。「プライベートツアーに感じられてよかった」という声。つまり、特別感を感じてもらえたのです。

その人数の少なさこそが実は強さだと確信した三浦さん。次なる一手を打ちました。(次なる一手の詳しくは、また改めて)

ツアーの評価は順調に高まり、国内どころか世界でもトップクラスとなりました今では予約の倍率が10倍という人気を誇るツアーとなっています。

南アルプス市のライバルは飛騨高山?!

次に、南アルプスの話です。

南アルプスの観光の魅力となるのは、景色と人びとだと三浦さんは語ります。

まず景色について。

外国人の目を引くことができるのは棚田と富士山。「The 50 Most Beautiful Places in Asia」というアジアで最も美しい景色を紹介しているサイトを見ると、50か所のうち棚田と富士山がそれぞれランクインしています。その人気の2要素を同時に楽しめてしまう。これが南アルプスの強みだと言います。

次に人びとについて。

南アルプスには地元に根差して生活し、その地の歴史や文化に造詣が深い人がたくさんです。これはとても貴重なことなのです。例えば、外国人を案内している時に観光案内だけでなく、自分たちの思い出を話すことができます。田舎に訪れる外国人は本当の日本の暮らし、リアルな日本を知りたいと考えています。だからこそ、こういった話はとても喜ばれるのです。

「南アルプスの競合は、飛騨高山だ」

三浦さんがそう断言した瞬間、会合に参加した方からは「南アルプスが飛騨高山と競合だなんて怒られますよ」と声がこぼれました。飛騨高山は日本の田舎観光の代表格とも言える人気の観光地です。誰もが聞いたことある白川郷の合掌造り集落も飛騨高山エリアです。

なぜそんな有名地と南アルプスが競合と言えるのか。飛騨高山と比較しながらSWOT分析を行うと、その理由が少し見えてきました。

SWOT分析とは、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Oppotunity(機会)・Threat(脅威)に分けて要素を洗い出し、分析を行う方法です。Oppotunityは今持っている素材や強さであり、Strengthはこれから掘り起こせる強さを指します。

この分析で、「実は、観光地化されていないことが大きなポイントだ」と三浦さんは強調していました。だからこそ、外国人観光客に、南アルプスならではの日常をどう伝えられるかが大切だと何度も繰り返し語っていました。

記事は勉強会のほんの一部を紹介しています。

興味を持たれた方は、ぜひ次回、参加してみてください♩

次回の開催日時は、会場となる古民家「Yolo 宜 sawanobori」のフェイスブックややこちらのnoteからお知らせします。

この記事は、本プロジェクト編集部メンバー、山梨県立大学国際政策学部4年生、橘田佐樹が書きました。(2018年6月30日)

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