やまなしフューチャーセンターをつくろう〜その4 「フューチャーセンター欧州視察」

前回からの続きです。

フューチャーセンターの原点は欧州にあり

平成25年度、山梨県立大学は、文部科学省の大学COC事業に選定されました。申請件数319件のうち採択数は52件。実に6倍を超える競争率の中を勝ち抜くことができました。山梨県での採択は本学のみでした。翌年の平成26年度には山梨大学が採択されました。

本事業の推進組織として、従来の地域貢献の中心組織となる「地域研究交流センター」とは別に、新たに「地域戦略総合センター」が設けられ、平成25年の秋に、私は「ディレクター/特任教授」を拝命しました。

組織の立ち上げや、拠点となる飯田キャンパス6階のセンター室の整備、専属スタッフの雇用手続きなどに追われながらも、本事業で提案した「フューチャーセンター」の立ち上げに向けて、国内外の事例などを調べました。すると、「フューチャーセンター」の原点は、どうやら日本ではなく、オランダ、デンマーク、イタリアなどの欧州にあることが分かってきました。また、冒頭でご紹介した野村恭彦氏の『フューチャーセンターをつくろう』を読んだのも、ちょうどこの頃だと思います。

そして、この事業を進めるためには、まずは本場のフューチャーセンターを見てくるのが一番と思い立ち、急遽、欧州視察の準備を始めたのでした。

とは言っても、季節は既に12月。ヨーロッパはクリスマス休暇を控えて浮き足立つ中で、代理店に無理を言いつつ視察のアポを取り続けました。

余談ではありますが、12月から1月にかけて欧米に視察に行くのは極力控えたほうがいいと、この時つくづく思いました。

そして、当時の倉田経営企画課長(現、本学事務局次長)を2人で、平成26年1月6日から7日間で3か国を回るという強行スケジュールで欧州視察に出かけることになったのです。最終的にアポが取れたのが、オランダのLEF、デンマークのMind Lab、イギリスのNESTAThe Innovation Spaceの4カ所でした。

※各施設の概要などは、各施設のWEBサイトや以下の外部事例報告などをご覧下さい。
https://www.fujixerox.co.jp/solution/kdi/fc/case_overseas.html
https://www.nri.com/jp/opinion/chitekishisan/2013/pdf/cs20130106.pdf

上:オランダのLEF Future Center、下:イギリスのThe Innovation Space

その中で、特にその後の私自身の考えに大きな影響を及ぼしたのは、Mind Labでした。

この記事は、山梨県立大学理事(学生・地方創生担当)である佐藤文昭が書きました。(2018年8月21日)

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