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ホールドアップなスキルセット:キャリア論その3

会社の偉い人から「この資格の勉強をすれば、この会社をやめても活かせるよ」と言われた。いや、そんなわけないと喉まででかかったが大人なので我慢した。

経済学の一分野である契約理論においてホールドアップ問題という論点があり、そこでは大企業の下請けが大企業に特化した設備投資(関係特殊的な投資)をすればするほど、大企業の要請に従わなければならなくなり価格の支配力がなくなるというジレンマを表した問題だ。

これを労働者に当てはめると関係特殊的な投資をすればするほど(特定のスキルを持てば持つほど)転職への潰しが効かなくなることを暗に示している。

個人的に会社が求める資格を取るのはある種この関係特殊性を極めることになるのではないかと思っている。流石に給料は左右されることはないけれど今の会社に頸木をつけられるようになるのは嫌だなと思ってしまった。

今勤めている会社でそこそこ一般的ではない仕事をしているので、会社から取得を推奨されている資格がいくつかある。どれも微妙に業界ですらメジャーじゃないかつそんな取ったところでなんの業務の幅も広がらない資格で、それらを取ることは会社に一方的に追従しているような気がして気に食わない気持ちであった。そんな矢先の冒頭の偉い人の発言であった。

すでに関係特殊的な道をここ8年くらい歩んできておりスキルセットが手遅れ感否めなくてホールド・アップしたい気分である。

かと言ってスキルを持ってなければ転職市場でも価値は上がらないため上手く関係特殊的でない投資をしないといけないとと思い、とりあえず全く関係のない英語を頑張ろう強く心に決めた。



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