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「Amazonファーマシー」がついにサービス開始。薬局業界への影響について考えてみた。

2024年7月23日、「Amazonファーマシー」に関する最新ニュースが飛び込んできました。

Amazonは2018年にアメリカのオンライン薬局大手ピルパックを買収し、2020年にアメリカで「Amazonファーマシー」を設立しました。

そして2022年6月にはこのAmazonファーマシーが日本進出するのでは、との報道がありましたが、公式発表などはなく、これまでの2年間で大きな動きは見られませんでした。

しかし、今年7月24日に再び注目を集めることとなりました。
以下では、その詳細をお伝えします。


Amazonファーマシーの概要

2022年当初の報道では、中小薬局とAmazonが提携し、患者がオンラインで服薬指導を受け、Amazonの配送網を使って薬を届ける新しいプラットフォームが計画されているとされていました。

しかし、今回発表されたAmazonファーマシーの詳細を見ると、異なる点がいくつかあるようです。

Amazonファーマシーは、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送までを利用できるサービスです。このサービスは2024年7月23日(火)から開始されました。

Amazonファーマシーは、オンラインで薬局から処方薬を買えるサービスです。薬剤師による服薬指導をオンラインで受け、処方薬をご自宅などご指定の住所に配送または薬局の店舗で受け取れます。

Amazon ヘルプ&カスタマーサービスより

患者はAmazonショッピングアプリ上のアカウントから、「Amazonファーマシー」に登録されているパートナー薬局を通じてオンラインで薬剤師による服薬指導を受けた後、処方薬を指定の住所に配送、もしくはパートナー薬局の店舗で受け取ることができます。

Amazonファーマシーのサービス利用料

薬局がAmazonファーマシーのパートナー登録を行った際にかかるサービス利用料は以下の通りです。

  • 初期費用:0円

  • 月額利用料:0円

  • サービス利用料:600円/件(税別)

また患者は調剤費用の他に、薬局が設定する配送料を負担する必要があります。つまり配送はAmazonの配送網を利用する形ではなく薬局側が主体となり行う必要があるようです。

日本における現状と薬局業界に与える影響

Amazonファーマシーは業界内外から大きな注目を浴びていますが、ひとつ注目したいのが、サービスの利用には必ず「電子処方箋」が必要だということです。

Amazonファーマシーのご利用前に

Amazonファーマシーのご利用にあたっては、医療機関で診療を受け、電子処方せんを取得していただく必要があります。

 Amazon ヘルプ&カスタマーサービス

現在、日本での電子処方箋の発行はまだまだ少ない状況です。

またAmazonファーマシーに登録されているパートナー薬局は、電子処方箋に対応している大手チェーンを中心に約2,500店舗です。全国に約6万店ある薬局数と比較すると、まだ一部に過ぎません。

また、Amazonを頻繁に利用する年齢層はZ世代を中心とした若年層が多く、シニア世代など日頃から調剤薬局を利用することの多い患者層が、急にAmazonファーマシーに流れる可能性は低いと考えられます。

今後の動き

一方で、Amazonファーマシーのパートナー薬局として参画することは、新たな顧客層の獲得に繋がるでしょう。

仕事が忙しい方、育児や介護などで外出が難しい方、感染症が不安な方などにとって、オンラインでのサービスは非常に便利です。

国が医療分野でのDX化に力を入れている以上、電子処方箋やオンライン服薬指導の導入率も今後増加することが予想されます。

Amazonファーマシーのパートナー薬局に興味のある方は、AmazonファーマシーWEBサイトから問い合わせが行えるようなので、チェックしてみるのも良いかもしれません。

次回の記事では、「地域密着薬局」として「Amazonファーマシー」にどう対策すべきかについて掘り下げてみたいと思います。ぜひフォローしてお待ちください!

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