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淀川は桃源郷かもしれない



仕事を辞めて十三に帰ってきた。
大学生の頃は毎日のように淀川の河川敷を散歩していた。

淀川の【淀】とは

① 流れがとどこおり水がたまる。 水や空気の流れがとまって動かなくなる。 ② 物事が順調に進まないでとどこおる。 また、動かないでしばらくとどまる。【コトバンクより】

なにこのネーミングセンス…やだ〜

だけど

ここはみんなが自由だ。
学生が吹奏楽の練習をしている。
米津玄師のlemonが春風に乗ってゆっくりと聴こえてくる。

蜜蜂たちがシロツメグサを求めて飛んでいる。

ここに来ると誰かがいる。
走ってる人、寝てる人、働いてる人、演奏してる人、釣りしてる人、スポーツする人、それを見守る人。

近すぎず、遠すぎず、お互いそれぞれの距離感で何かやってる。

小さい頃、親に淀川の河川敷は行ってはいけないと言われてた。野犬がいたりホームレスの人がいるから気をつけろと。生活のために川を利用している人たちはいるものの、そこには共存していくための秩序のようなものを感じる。野犬はいない。

曲が変わって次は中島みゆきのファイトが聞こえてきた。サビにむかっていくあのリズムが心地よい。

淀川の特徴は絶えずどこかから音楽が流れているというのもある。

年を重ねるごとにここが好きになっていく。

大阪は日本で1番緑地面積が少ないといわれている。

都会のコンクリートジャングルに住む私たちに残された、数少ないグリーンオアシス。大学卒業後、自然を求めて田舎に就職した。ここでは詳しくは書かないが、待っていたのは理想郷ではなく、田舎の現実だった。十三に帰ってきて思ったのは、理想を求めて外に出るのではなく、理想は既にここにあったということ。淀川を散歩してそう実感した。ここは私の桃源郷だったのだ!

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