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ただ美味ものと心地好い場所を作りたいだけ。


新しい店を開店して1ヶ月。

大変ありがたいことに、
以前の店のお客様達が続々と来店して下さる。

私は次の店の情報は知らせずに、
ひとつ目の店を閉店し、
ふたつ目の店を開店しました。

それは店を閉めると決めたとき、
次の店が決まっていなかったのも
理由のひとつですが、

きっとご縁のある方とは
またお会いできるだろうという呑気だけど
確かな想いがあったからです。

そんな想いを肯定してくれるかの様に
今、お客様達が訪れてくれて 、
私が作った新しい店を喜んで下さる。

「こんなに早くお店が出来るとは思わなかった。」

お客様は口を揃えて仰いますが、
私も同じ様に思っています。

それから、
凄い凄いと褒めて下さる方もいらっしゃるのですが、

店が完成出来たのは、
私よりも周りの動いてくれた人達の力です。

私はただ想像を言語化し
形にしてくれる人達に伝えただけ。


私には出来ることが少ないので
その中でも出来る事を探して
それをひたすらやりました。

とても古いボロボロの物件だったので、
床を磨き、壁を磨き、
柱をひたすら磨く日々。

ありがたいことに
そんな事を私がやっていると知ったお客様が
手伝いに来てくれるようになりました。

庭に花を植えていると知れば、
お花を持参してくれたり、

ネットで培養土を注文して、
店の場所まで送って下さる方も。

お昼御飯の差し入れや、

免許のない私ですので、
車を出すからねという申し出まで。

色んな方が
私が作る次の場所を楽しみに待ってくれ、
完成を夢見て力を貸してくれました。

何処に新しい店が出来るんだろうと、
仕事の休憩の時間に歩き廻って
探してくれた方いらっしゃいました。

その方は完成した店を見つけ
やっと辿り着いて席に座った時、
涙を流してくれました。

よく頑張ったねと、
また素敵な場所をありがとうと。


日々私の奮闘を見てくれていた方も、
お祝いのお花を贈ってくれたときに
涙を流してくれました。

場所をゼロから作るという楽しみと難しさ。

そこで生まれる私の譲れないこだわりを
わがままと捉えずにいてくれて、

私が1つずつ答えを出すときに
自分は踏み込んではいけない領域があるんだと察し、距離を保ってくれた方でした。

きっと嫌な想いもしたでしょうに、
完成した店の中で
貴重な経験をさせてくれてありがとうと
涙を流してくれました。

皆が夢を描いた場所。

力を貸してくれた人達と
この場所へ出合わせてくれた方、
私がまた店を開いたと知って
行ってみたいと想ってくれる方々へは
感謝しかありません。

私が出来ることは、
自分が美味しいと思えるものを作り、

心地好いと感じられる場所を作る。

ただそれだけ。

まっすぐに
その想いだけを持って
これからも進んで行きたいと思います。













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