えくぼの髭の謎 進化論的観点から
僕は今年で24になる.身体は十分立派なオトナだ.身体の成長はとっくに止まっているが,最近急成長をしている部分がある.それは,髭だ.
大学1年生の頃など,髭は週2回ほど剃っていれば目立たない程度の伸びだった.しかし,最近は当然のように毎日剃らなくては汚らしくなってしまう.僕と体毛の成長の歴史を振り返ると,2次成長が終わりその先に体毛の成長期があると感じる.22歳を超えたあたりから,明確に体毛が濃くなった.お腹や髭が特に感じる部位だ.そして最近では,結果としてその成長を促しているものを摂取している.亜鉛だ.若者の終わりを感じ始めて健康を意識するようになってから数種類のサプリメントを飲むようになった.その中に亜鉛がある.亜鉛は重要な栄養素だ.肉体の組成や活力を生み出すためにも必要となる.飲み始めてからの髭の成長速度は目は見張るものがある.今までに体感したことのない成長だ.当然鏡を見たとき髭が目立つようになるので,意識してしまう.朝顔を洗うとき,お風呂後に髪を乾かしているときなど鏡を見るときは自然と鼻の下,アゴへと視線がいってしまう.そのうち愛着が湧いてきて,髭伸ばすのもありかなと思い始め,少し伸ばしていた.そんな伸ばし初めて2,3週間経った頃だ.僕はとんでもないことに気づいた."エクボに髭が生えている..."
前置きが長くなってしまったが,ここからが本題だ.前述の通り,エクボに髭が生えているのだ.私は笑ったときにエクボが出る.口の両端から2cmほどの所に左右ともくっきりとエクボが出現する.そのエクボどんぴしゃな所に髭が生えているのだ.状況が分かりにくいと思うので細かく説明していく.
以下の図に,現在の髭の発生箇所を示す.
上記画像の緑円で囲まれている部分に髭が生えている. 現在の髭は,大体5mm程の長さだ.人間の顔をよく見ると,鼻の下,アゴ以外にもまばらに髭は生えている.しかし,そのまばらに生えているという状態では納得いかない程エクボに密集して髭が生えている.長さは,鼻の下に生えているものと同じくらいだ.ちなみにそれらに比べるとアゴに髭は少し成長速度が遅い.この図を見ると,鼻の下の延長線上にエクボの髭があるから,鼻の下の髭と勘違いしているのでは?と思うかもしれない.しかし,この髭はエクボのものだと断言できる.鼻の下の髭から1cmほど感覚を空けて密集地帯があるのだ.笑ったときは正直気持ちが悪い.エクボの溝のところに毛が密集しているのだ.エクボの髭を眺め気持ち悪いと思いながら,なぜこのような事が起こるのだろうと気になった.そこで少し調べてみた.
初めに結果から言うと,理由はわからなかった.ネットを中には,僕と同じような経験をしている人はいた.しかし,ごく少数だった.そもそも髭が生えている理由もまだ謎が残っているらしい.
髭が生えている理由の一説は,危険から身体を守るためだと言われている.頭部や股間に毛が生えている理由と同じだ.頭部の怪我は生命活動,股間の怪我は生殖活動に大きく影響を与える.そして生物の子孫繁栄戦略的にカバー(毛により)する方向になるのも納得がいく.調べたところ毛があることにより,人体に与えられる衝撃の30%はカット出来るそうだ.
やはり,髭も同じように口を守るために生えているのだろうか.顔のパーツは目,鼻,口,耳の4つ.そのうち,目と口の付近に毛が生えている.そして,目や口など付近に毛が生えているパーツは生命活動を考える上で重要なパーツと思える.目を怪我すれば,当然環境の変化に適応できないし獲物を取ることも難しいし,敵から逃げるのも難しい.口に大きな怪我を負ってしまうと栄養摂取が難しいと考えられる.流動食など食べれば良いじゃないと思うかもしれないが,そのような食事ができたのは長いホモサピエンスの歴史から考えると最近のことだと思われるため,当然そこの文化のスピードには進化は対応していないだろう.耳が欠損して音を聞けなくなるのは大変だが,生きるための外情報は目から十分に得ることができると考えられるので重要度は低い.鼻も,やはりそこまで重要度が高いと思えない.
このように考えていくと,毛が生える部分が人体に取って重要でそれを守るために生えていると納得がいく.だが,そこに納得がいけばいくほどエクボに毛が生えている理由が思い当たらない.
そこで少し視点を変えてみようと思う.現在,人間が地球全体を支配するに至った理由は何だろうか.僕は強い社会性だと思う.強い社会性があるからコミュニティーを作って生活し,コミュニティー内で子孫が反映していくことで生きるための方法の伝授,つまり歴史を継承していく形が作られたためこのように発展を遂げた.人間の進化を語る上で,社会性というものは重要なものではないかと思う.
もちろん、その社会性も種の生存戦略、繁栄戦略の一部ではあるがコミュニティーを作って生活するという様式が出来上がってからは社会性を持っていなきゃ生き残れないという形に変化したのではないだろうか。群れから離れた個体は死待つのみだ。
孤独死もそういうシステムの中の1つかもしれない。人間以外にも孤独死をする生き物はいる。ゴリラもたしかそうだ。群れから離れている個体は群れの和を乱したりするものが弾き出されると聞いたことがある.群れに属していなければ当然遺伝子は残せない.これは社会の中で,異常を起こす異分子の遺伝子の淘汰していると考えられる.今の社会でも,その構造は至るところに見られる.
話が脱線してしまった.人間の進化を語る上で社会性は切っても切れ離せないと思う.では,エクボの髭のどこに結びつくか.
そもそも,エクボとは笑ったときにできるものだ.笑うときに筋肉が皮膚を引っ張ることでエクボが出来る.そして,人間の笑顔は平和の象徴でもある.人類は,お互いに笑顔を見せ合うこと無駄な争いを回避してきた歴史がある.このエクボは笑顔をより強調するものだ.多くの文化圏でエクボは好意的に捉えられ,相手に良い印象を与えるらしい.人類は群れを作り,道具を作り出すことで狩りの成功率が上がり生命を脅かす存在は減っていった.外の世界に問題がなくなったとき,内の世界の問題に目立つ.群れの中での争いだ.遺伝子を残すために社会性というものを得たが,仲間内で殺し合う事態も発生しただろう.そこで笑顔が有効になってくる.笑顔を用いることにより相手と無駄な争いを無くし,生存率を上げることが出来る.そしてエクボは笑顔の強調だ.笑顔というものが重視される社会になり,エクボが大きな意味を持つパーツになったとき,それを守る方向に進化していくのは当然のことではないだろうか?
以上が仮説だ.
しかし,無茶苦茶な話である.進化の過程をなぞっていけば理屈の通る理由が見つかるのではないかと思いながら書き進めていたが結局見つからなかった.最後の方は暴論にも程がある.話の飛躍,こじつけ具合に笑いながら書いていた.
結論:わからない!
進化論ではなく,身体の中身に着目して細胞や血行から攻めたら医学的観点から解明できないかと思った.しかし,これは多くの論文や英文を読む必要がありカロリーが必要な作業だと思うのでいったん辞めました.時間があって,この話への興味がもっと高まったときに医学的観点から調べてみたいと思う.
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