おもちゃのグローブ
・ごあいさつ
こんにちは!よよと申します。
関西在住、30代共働きパパです。
暇つぶしにぜひ〜(´∀`*)
・おとんとの思い出
思春期に片足突っ込んでいた小6の頃。
実は親父とキャッチボールをするのが夢だった。
一回もやったことがなかったから。
*
小学校の放課後は、サッカーばかりしていた。
たまに、友人と公園で野球をする。
が、グローブを持ってなかった。
いつも誰かに借してもらって参加していた。
それが嫌だった。
おとんにグローブが欲しいと相談。
おとんも困った。
グローブなんてどこに売ってんねん。
てか、お前サッカーちゃうんかい。
なんで今更やねん。
と思っただろう。
*
とりあえず、野球ショップに行ってみることになった。
行ってみた。
本格的な野球ショップ。
二人とも初めての野球ショップ。
親子でオタオタなりながら入店。
グローブを確認。
想定以上の値段だった。
ボクも一緒にビビった。
ここは違くない?的な雰囲気が二人に流れる。
別の場所で買うことにした。
次に連れてってもらったのが、コーナン。
THE・地元のホームセンター。
コーナンのおもちゃコーナー。
ぷにぷにのテニスボールや明らかに正規品ではないサッカーボールが置いてあるような場所にグローブ発見。
黒色に赤のステッチが入ったグローブ。
ブランドは全く分からない。
おそらく中国製。
おとん、グローブをみるなり「これええやん!これにせえこれにせえ!」と言っていた。はっきりとした値段覚えてないが、おとんのリアクションから察するにちょうどいい値段だったんだろう。
無事購入。
すっっっっっっっっごい嬉しかった。
今でもこうしてnoteに書くくらいだ。
少なくとも、今思い返している100倍以上嬉しかったはずだ。
にもかかわらず、思春期っぽい「ありがとう」をボソっと言ったような気がする。心の中は「わー!✨ありがと〜!✨大切に使うね〜!✨」なのに。
*
帰りの車での会話。
「てか、お前できんのかい。野球。キャッチボールできんのかい」とおとんが聞いてきた。「多分。。。」と年相応のテンションで答えるボク。
15時頃スタートしたおとんと二人っきりでのグローブ巡り。その会話をした頃には、陽は傾いていた。オレンジの光とぬにょーんと伸びる影が地面に映える。
*
次の週末、朝から親父が1階の物置で何やらガチャガチャとあさっている。「なんかしてんなぁ」くらいに思いながら、3階のソファでダラダラしていると、ドコドコと階段を登ってくる音が聞こえる。
明るい足音で上がってくるおとん。どうやら目当てのものをみつけたらしい。それは、古くてボロボロのグローブだった。
おとん、ジャジャーンとばかりに古いグローブをはめる。どうやらガキの頃使ってたグローブらしい。おとんいわく「まぁ、ないよりええやろ」とのこと。
ソファでだらりとしているボクに目掛けて「やんぞ」と一言。意気揚々と下へ降りていくおとん。ボクもグローブをはめてついていく。ホームセンターで一緒に買った軟球も持って。
*
家の横の路地。
小6にして、初めて親父とキャッチボールした。
小っ恥ずかしさはあった。
けど、やっぱり嬉しかった。
なんかこう。
親子って感じ。
よかった。
本格的な思春期に入る前でよかった。
あのとき、あの瞬間、キャッチボールしてなかったら、おそらくボクの人生に親父とのキャッチボールの思い出はなかっただろう。
親父と2人で遊ぶみたいなこと、ほとんどなかったから。
「このグローブ全然使えるわ」と独り言かどっちかわからん音量でおとんがつぶやいた。
*
後日、公園にて、友達と野球。
ここにきてマイグローブを持参。
みんなが「どんなん!?✨」と群がる。
が、そこはシビア。
「どこで買ったん?」
「コーナン」
「は?」
「なんぼの?」
「知らん。多分、お手頃」
「おもちゃやん笑」
「気に入ってるからええねん」
「こっちにしとき、貸したるわ」
「ええねんええねん。ありがとう」
こんな会話をした。
その後もなんやかんやとイジられたような気がする。
「グローブの良し悪しなんか知らんし」くらいは思ったと思うけど、できる限り無視して、みんなと野球をした。
途中、手が痛くなった。
野球部の優しい奴が気づいてくれた。
「だから言うたやんけ。俺のん使ってええで」
「ええねんええねん。ありがとう」と年相応のテンションで答えた。
・こぼれ話 〜不思議〜
noteで書いてへんかったら忘れてたかも知れへん思い出。書いてるから思い出すことがある。不思議。
このエピソードもなんとなくいい思い出として覚えてる。もっと鮮明に書けたらいいのに。昔から日記つけとけばよかった。
・最後に一曲
・おわりのことば
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