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手術無事終了。ただ、人生最大級の怖い思いをしました。

皆さん、沢山の激励のお言葉本当にありがとうございます。随分と気持ちが救われました。
昨日無事に手術が行われ、あごに金属のプレートが入りました。現状何事もなく、経過も非常に順調そうです。

…ただ手術前後、僕的にめちゃ怖い思いをしたので、それだけ共有させてください。グロい話とかでは無いので、安心して見てもらえれば。

ちなみに病院での先生との会話は全て英語です。
僕いまだにドイツ語喋れないのだ。

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話は手術を宣告された日に戻ります。

・4月15日

手術するにあたり、注意事項を告げられる。
・手術は口腔外科で行う。大きな病院に行く必要はない。
・口内からプレートを入れるので、傷は残らない。
・プレートは順調であれば3ヶ月後に取り外す。
・手術日は6時間前から全ての食べ物、飲み物を口にしてはいけない。
・2時間前に処方された薬を2錠飲むこと。
・当日、必ず誰か他の人と一緒に家に帰ること。
・手術から24時間は必ず誰かと一緒に過ごすこと

えぇ…。なんか厳重。この時点でめっちゃ怖い。
プレートを入れるだけのちょっとしたオペだよと告げられたが、先日親知らずを抜いたのが人生初のオペだった僕。ビビりまくる。

同時に、麻酔の為の健康診断と同意書の書類をもらう。英語の物が無く、全てドイツ語。

・4月19日

前日、麻酔の同意書を夫婦で翻訳しながら書いていく。冒頭に恐怖の一文を見つける。

『全身麻酔、および局部麻酔における同意書』


…え、え?全身麻酔の可能性あるの…?

急にめっちゃ怖くなる。
同時に、ご飯食べちゃダメとかの注意事項に合点がいく。
あわあわしてる僕に妻が一言。

「口の中ちょっと切ってプレート入れるだけでしょ?全身麻酔のわけないじゃん。局部麻酔だよ。」

えぇー…。にしては色々と厳重じゃない?

「ちょっと前回よりきつめの麻酔なだけだよ。ビビりだな〜」

ううむ…。まぁ考えていても仕方ない。
覚悟を決めて、当日に備えていつもより早くベットへ。当然あまり眠れない。

・4月20日

手術は14時から。8時までに軽めの朝食を済ませ、いつもより少し多めに水分を取っておく。12時に薬をちゃんと飲む。

13時過ぎに家を出るが、この頃空腹のピーク。喉も乾いてるし、割と電車が辛かった。
待合室では嫌な考えがぐるぐる回ってきてしまうので、本を読みながら心を落ち着かせる。

先生に呼ばれて問診。体調大丈夫かとか、ご飯食べてないよねの確認とか。
そこで先生から運命の一言。

「手術は麻酔で寝てる間に終わるから、あっという間だよー。」


はいきたーーーー!!!

全身麻酔決定でーーーす!!!


「これから麻酔医の先生が来て説明があるから、ちょっと待ってて」


えぇ…。全身麻酔か…。
基礎疾患無いし、基本健康だし、大丈夫と思うけど…。
…なんかそれでもごく稀に危篤に陥る人いるって言うよね…?
あばばばばば。

麻酔医の先生もすごく気さくで優しい感じ。
日本に来たことがあるとのことで、その頃の思い出話を交えながら問診。
身長、体重、体調を聞かれるが、全て問題なし。

「麻酔をしたら君の意識はなくなるから、気づいたら手術は終わってるよ」

「超、ごく稀に体調に異常をきたしちゃう人がいるけど、多分君は大丈夫だよ」

「その時のために手術中は鼻にチューブをいれて気道を確保するね。最悪の場合は大きな病院に搬送されるから」

いやいやいや!!!!

超こええよーーーー!!!!


チューブ?!鼻にチューブなんて入れたことないんですけどぉぉぉぉぉ!!!!


麻酔医はさぞ当然の事のようにフランクに説明してくれる。いや、当たり前なことなのでしょう。いつもの事なのでしょう。わかる。わかるけど、僕としては人生最大にビビっている。


説明が終わると、小さな手術室へ。ドラマでよくみる青いプラスチックのキャップをかぶって、靴はぬがず足元にもプラスチックの袋をかける。
看護師とか先生が沢山いて、やはり僕が最初に想定していたよりは大事なんだなと実感。

そこから麻酔医の先生が、僕をリラックスさせる為か日本の思い出話を語る。実際これで凄く落ち着けた気がする。

「あれ知ってる?日本のテレビで、司会者の問いに「ソーデスネ」ってお客さんが言い返すやつ」

あーいいとも!あれ終わっちゃったんだよー。

「えーそうなの?!毎日やってたし毎回番組の流れが同じだから、良い日本語の勉強になったのになぁ。」

いいとも見れるってことは結構しゃべれたんだね。

「7週間勉強してたから、最終的には結構しゃべれたよ。あ、点滴用の注射打つからちくっとするね。オープニングパーティーの時はみんなが何言ってるか全くわからなかったけど、サヨナラパーティーでは日本語で挨拶できた」

へー。7週間で。すごいね!

「んー。先生が厳しかったしね。ジャパニーズスタイルだったよ。今でも数字の100くらいまでは日本語で話せるよ。はい。じゃあ麻酔用のマスクつけるねー」

はーい。


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2秒後


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妻「なおちゃーん。お疲れさまー!」
息子「きゃっきゃ。パーパァー!!」


…え?

…ん?

...なんで妻いるの…? え…?もしかして終わった…?


「うん。終わったよー。暫く横になってて良いって」
「パァパァー!パァパァー!」


ん...?まだ頭が混乱中…。
終わった?本当に???

...


こええええええ!!!!


いや、こんな感じなの?
こんなに一気に記憶飛ぶの?


今何時?

「それ聞くの3回目だよー笑 16:30くらい。」

めっちゃ時間経ってるー...ええー…。


それからいろんな人が入れ替わり立ち替わりで入ってきたらしいけど、ぼーっとしててよく覚えてない。
身体もまともに動かない。しばらく横になってたら少しずつ動けるようになってきた。

「動けそうになったら教えてね。レントゲン撮るから」

看護師さんに促されて、ギリギリ動けそうだし言われるがままレントゲン室へ。

ぼんやりした頭で、撮影した新しい顎を見る。おおお…。プレート入っとる。

かっこえぇ…。

その時、今後の注意事項を告げられる。

・24時間は奥さんと極力共にいること。
・3日間はコーヒー、紅茶、お酒禁止。
・今日はタバコ吸わないで。
・歯磨きはしてもいいけど、口はすすがないこと。
・6週間は柔らかい物以外食べてはいけない。
・痛み止めを渡すから、痛い時は飲んでね。

明日また検診ね。お大事にー。

うーん...ぼーっとしててうまく理解できない。
奥さんに連れられて、電車へ。帰路につきながらふとさっきの言葉が蘇る。


…え。


...6週間柔らかいもの以外食べてはいけない…?


この1ヶ月のスープ生活、あと6週間も続くの?!


いやーーーーーーーー!!!!!


「大丈夫だよー。口固定してた器具外れたんだし、今日は柔らかく煮たうどん作ってあげる。」


帰宅。奥さんが約束通り柔らかーく煮たうどんを作ってくれた。


うまああああああああい!!!!
ちゃんと噛めるーーーー!!!!


ちょっと泣けるくらい美味かった。ぐすん。


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翌日の検診で、経過も良好な事を確認。もちろんまだまだ気をつけなきゃいけないことも沢山あるけど、とりあえずは一安心。
そんなこんなで、僕の壮絶なあごプレート手術は順調に終わりをつげたのでした。

…またプレートを外す時、全身麻酔するのか聞いてなかった。そうだったらやだなぁ。

Naoto

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