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【仕事】待ちこがれる

今日は私の仕事の話を少し書こうと思うが、綺麗事が多くなるため世の中に希望を持てない人は読まないことをお勧めする。

私の職場は「放課後等デイサービス」という施設で、障がいのあるお子さんをお預かりし、その子らしく生きるために必要なスキルの習得を支援している。
そしてそこでの私の肩書きは「児童発達支援管理責任者」。支援計画を立てたり、実際に支援にあたる先生方に研修をしたり、当事者さんや親御さんのお話を聞いたり、学校の先生とお話ししたり、お子さんとお絵描きしたり泥んこになって遊んだりするのが仕事である。(お絵描きと泥んこが一番好き。事務仕事やりたくなーい)

世の中にはあまり認知されていない施設だと思うが、実はどの都道府県にも必ずあるし、ちょっとした都市なら乱立状態になっていたりする。学校やご自宅への送迎をしている施設も多いため、街中で「⚪︎⚪︎放課後デイサービス」みたいなステッカーを貼っている車を見かけたら、きっと「放デイ」の送迎車だ。ちなみに「放課後等デイサービス」は小1〜高3まで、未就学児さんだと「児童発達支援」という別のサービスになる。

そんなわけで私は日々いろんなタイプの子どもたちと関わって仕事をしている。診断名で言うとADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)、知的能力障害、ダウン症、LD(学習障害)、DCD(発達性協調運動障害)、目の見えない子、耳の聞こえない子、発語がない子、その他にもいろいろ。
こういう話をすると「大変だねぇ」「すごい仕事だねぇ」と言われることがあるが、私からすると特に大変でもすごくもない。診断がつくと世の中から特別視されがちだけど、ちょっとクセ強なだけの普通の子どもたちである。例えば発語がない子、「発語がない」というだけで実はあの手この手でコミュニケーションを取ろうとする陽キャである。人懐こいのは良いけれど年齢的にそろそろ人との距離感を覚えていかないとならないため、状況によってどのくらいの距離を取らなければならないかを教えているが、最近うっすら「実はわかっててやってないか…?」と思うことさえある。ダウン症の子は踊るのが大好きでニコニコしているが、一旦頑固スイッチが入るとテコでも動かなくなる。が、それも可愛い。

もちろんこの仕事を始める前はこんな見方はできなかった。人間は、とりわけ日本人は「自分と違う、異質なモノ」に対して敏感だ。どれだけ頭で「差別はいけない」とわかっていても、無意識に避けたり排したりしようとする。私もかつては表立って差別することはなかったものの、「見てみぬふり」をしていた。
しかし今は、彼らが特別だと思うことはほぼない。(医療処置が必要な子や重度の子は、流石に少し気を遣う)合理的配慮という概念が世の中に広がって、もっと当たり前に彼らが社会進出できる時代が来たら、きっとみんな気づくことだろう。早くその時代が来てほしい。ほんとに楽しいの、この子たちと一緒に歩いていくのが。

綺麗事だ。今はまだ。
でも「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」って、
昔の偉い人が言ってたし。

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