君は今、やれているんだから・・・落ち込む必要なんてないんだよ!もっと胸を張ろうよ〜
今回は、僕が福祉ホームに入居していたときに出会った人を紹介します。
福祉ホームの近所に、障がいのある人向けのデイサービスセンターが建っていました。
そこでは、入浴や食事・レクリエーションやリハビリ訓練などが受けられることから、車いすに乗った人や杖歩行の人・半身麻痺の人などが送迎バスに乗ってやってきます。
僕は、お昼ご飯前に時々そこへ顔を出していました。
目的は、利用者さんの話し相手など…
あっ…これは僕が自らやらせて欲しいと志願したわけではないんです。
福祉ホームで何もすることなく暇そうにしている僕を見かねて、センター職員が声をかけてくれたのが始まりで…
お昼ご飯前に入浴を済ませる人は、ちょうど僕が顔を出した頃に食事をするテーブルに集まってきます。
僕は、まだ体から湯気が出ているオジサンに、お茶を差し出しながらこう言ったことがあります。。
「こんにちは!今日は寒いですね~」
「お~そうやな!どうだい、一人暮らしは?」
そのオジサンは、右半身麻痺のため車いすに乗っています。
移動は、左足で地面を蹴って、ハンドリムを左手で漕いでいました。そして、満足に動かない方の右手は、骨折してギブスをしたときに肩から吊すもの(ギブス吊り?アームホルダー?)で落ちないようにしています。マイ車いすを自走しているのは間違いないのですが、俊敏に動くのは難しそうです。
「いや~なかなか上手くいかないことばかりです。特に毎日3食準備するのが大変で…」
「ま~でも倒れずに生活できているんだから、たいしたものだよ」
「ありがとうございます。でもですね…出来合いのものよりは節約になるのかなと思って自炊をするんですが、レパートリーなんてたかがしれているから、フライバンで肉を焼いて焼き肉のたれで味をつけるくらいしか出来ないんです。ですから毎日同じようなメニューばかりで…味気ない食事です」
「えっ!それじゃ~ダメなの?それでいいんじゃない!俺なんて、そうしたくてもできないんだから」
「そうですか〜?」
「そうだとも!毎食時間になったら、汗水垂らさなくても、完成された食事にありつけるけど、そこから得られるものなんて何にもないよ〜!辛島君は、失敗したりうまく出来なくて落ち込んでいるのかもだけど、挑戦することが出来ているだろ?」
「挑戦…ですか?」
「挑戦する上での失敗は宝だよ!それを教訓にして、次に活かせるよう切磋琢磨すればいいだけだろ?そうしたら、今度は成功するのかもしれないし、また失敗しても挑戦で得ることが出来た膨大な知識は、決して無駄にはならないと思うよ。」
「そうですか…ありがとうございます…」
僕はなんだかんだ不平不満を言いながらも、そのことに挑戦することが出来ている…
洗濯を干したり
お風呂を沸かしたり
買い物へ行つたり
掃除をしたり
そういうことに挑戦できること自体が、彼からしてみれば、贅沢なことなのかも…
彼からしたら、それを行う中で、思うように行かない自分に情けなさを感じたり、イライラを募らせたり、やる気をなくしてしまうのは、もったい無いというのか…間違っているというのか…馬鹿げているというのか…
「それより、もっと大事なところがあるんじゃないの?もっと今に感謝すべきなんじゃないのかな?」
彼は、そんなことを言いたかったのかなと、オジサンになった今思います。
いかがでしたか?
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