ファッションなんてやめちゃう?
あけましておめでとうございます。
そしてお久しぶりです。数ヶ月ぶりの投稿となりました。
今日は久しぶりに書くあるし時間もあるので記事を書くことにしました。
2020年はもう始まってしまいましたが、去年のファッションの世界を振り返るとやはり「サステイナビリティ」が大きなキーワードになるということに異論のある方はいないでしょう。
サステイナブルファッション。日本語にするなら持続可能なファッションということなのですが、ここで私はひとつ疑問に思ったわけです。
「ファッションやめれば万事解決じゃないの?」
アパレル産業が地球の環境に及ぼす悪影響は他の産業を大きく上回るという状況の中、アパレルの様々なステークホルダー達がサステイナブルな仕組みを作るために四苦八苦しています。
でもそんなことするくらいならいっそのこと、
「ファッションは旧時代の悪しき産物だ!」と、きっぱりやめてしまうのが一番手っ取り早いのではないでしょうか?
でも今のところそんな様子は全くなく、生産者達は何とかこれまでのファッションを保ちつつサステイナブルであろうと努力しています。
彼らの努力が報われるためにはサステイナブルであってもファッションを続ける意義を、ファッションなんてやめてしまえという声に対する反論を示さなければなりません。
まず、仮説からはじめます。
「ファッションをやめる」と世界はどうなるでしょう?
ファッションの放棄を最もラディカルに行うと、それはすべての人々が裸で生活することを指します。これが不可能なことは特に説明が必要ないでしょう。アダムとイブは知識の実を食べてしまったのですから。
ファッションをやめるとしても、服は着なければなりません。ではどうすれば私達はファッションから完全に抜け出せるのでしょうか。
次に思いつく手は「全世界の人が同じ服を着るようにする」こと、つまり人々から服を選ぶ自由を奪うことです。
現代に生きる私達は名目上、(体型や性別など様々な制約はあるように思えますが)自由に服を選ぶことができます。しかし、そのせいで服を提供する人々は衣服による差別化を全面的に押し出し、絶え間なくスタイルをアップデートさせては無駄な生産と消費のプロセスを作り出しています。
世界中の人が同じ服を着るようにすればこの問題は一発で解決です。100%サステイナブルな素材を使用して作れば「持続可能なファッション」の実現は大きく近づきます。
しかし、これもこれで様々な問題を抱えているのです。単純に言ってもちろんこれは様々な権利の侵害ですし、何よりこれはこれからのファッションが、-いや、世界が- 実現しなければならないダイバーシティやボーダーレス、インクルーシブといった価値観の否定です。
ここでの検討が十分だとは言えませんが、おそらくファッションをやめることはできません。やはりファッションは持続しなければならないのです。人間の自由を守り、多様性を認めるために。
これまでのファッションの良い価値観は保ちつつ、サステイナブルであることを実現するというのは一筋縄ではいかないでしょう。ただ、まだこの取り組みは始まったばかりです。
今年、ますますサステイナブルファッションが推し進められることは間違いありません。
美しく、自由に満ち溢れたファッションの世界を保ちつつ持続可能性を追求するファッション従事者の方々全てに敬意を表し、2020年最初の記事を締めくくりたいと思います。
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