日常
ありふれた 毎日が 懐かしくなるほど
燻り沈む 夜に咲いた 花を見つめていた
人熱(ひといきれ)の中を、あなたと歩いた事
振り向き様に笑う 顔を 何故か思い出した
カナリヤが泣き出す 四月の末の
誰もが忘れてく 白いプロムナード
あなたの指先が震えてる事を 覚えていたいと思う
いいよ あなたとなら いいよ
二度と この場所には 帰れないとしても
いいよ あなたとならいいよ
歩いていこう 最後まで
転げ落ちて 割れた グラスを拾うあなた
その瞳には 涙が浮かぶ 何も 言わないまま
カナリヤが消えてく 5月の末の
木の葉が響き合う 湖畔の隅っこ
あなたを何よりも 支えていたいと 強く 強く 思う
いいよ、あなただから いいよ
誰も 二人の事見つけないとしても
あなただから いいよ はためく風の呼ぶ方へ
あなたも わたしも 変わってしまうでしょう
時には諍い 傷つけ合うでしょう
見失うその度に 恋をして
確かめ合いたい…
いいよ あなたとなら いいよ
もしも 最後に何もなくても
いいよ、いいよ いいよ…
いいよ、あなただから いいよ
誰も 二人の事 見つけないとしても
あなただから いいよ
歩いてゆこう 最後まで
はためく風の呼ぶ方へ
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
何だか最近なんだか分かんないけど、泣きたくなる時があり、
その原因が何なのか全く分からないでいる…
ふと今朝寝落ちして起きたら、この曲のピアノの前奏が頭で流れて、
自分の気持ちと心拍数が、きっと曲調と合っていたんだと思う。
最近 泣きたいんだけど、心の中では散々に泣いてるイメージをするんだけど、
そのイメージのまま、わんわんと泣ける自分でいないでいる。
何に泣きたいのか分からないまま、衝動に…
きっと、普段それまで抑圧してた何かだと思うけど、
それに名前をつける事も、見当をつける事もできない…
自分の事ならよく分かってるはずなのに…
ただこの曲は琴線に触れて、
いつもなら、あくびでしか流さない涙が
今日は目尻から少し伝っていたのを確認した。
好きが詰まってる曲でもある。
弦楽器の奏で.
ピアノの弦を叩く音、バイオリンの弦を弾く音.
繊細な音と情感が流れる音.
ドラムの細やかな打刻.
どれも繊細に、そして米津さんの音と紡ぎ合わされ、美しく繊細に調和した作品になっている。
その世界観だけでも泣けるのだが…
何だかまだこの記事を書いてる時でも泣きたいのに、何がそう泣きたいのか分からない.
泣きたいなら、素直に泣けばいいのに、何の発奮材料がほしいのか.
理性とも拮抗しているのか.
果たして何なのか分からない、
ただ、この作品に埋没していたい、そうも思ってる.
二度と帰る事ができない、その時当たり前のように親しみ享受していた、時、場所、人の一瞬…
壊れたものを二度と取り戻す事ができない、心が引き裂かれたような痛み、苦しみ…
それでも日常は常にやってきて、
そして止めどなく移ろいゆく・・・
その“日常”に合わせて生きながらも、どこかやり過ごしたように、そして、大事で愛しい人生の一場面に置いてかれたように “時” は進んでゆく。
美しい、リアル感を持った残酷に変わって終わっていく“今”という人生の場面場面、
変わっていく虚しさ、終わっていく虚しさ、日常の些細な場面や感情を拾い、場所の情景と絡めながら
その感情のひだの谷間の部分、そこにしっかり目をやり、
その憂いに目をそらさず、レンズを向けている。
憂いに寄り添い、そして共感し、肯定していく。
私もその風景を、“今” を生きる人間として、覚えていたいんだと思う。
きっと押し止まる事がない、その時間の中で自分の感情の一瞬一瞬が折り畳まれて、圧縮されたような、その見もしなかった、名前も知らない感情を、今、ようやくここで洗濯で浮かんでくる汚れのように、そのいつの間にやってきた跳ねたり、飛んだりしてきたような汚れを、水に浮かばせ綺麗にしたいんだと思う。
たぶん、これが良い洗剤となりましょう。
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