2020年5月11日
巣ごもり生活から1ヶ月ちょっと。
会議はリモートになり、ラジオ収録もほぼリモート。
元々家で仕事する機会も多いのだが、移動時間がないというのはなんとも…
移動時間が休憩時間だったんだなぁと気付く。
「養成所のスター」
高校卒業後、名古屋のコミュニティーFMで拾って貰い、見習い作家をしていた。
色々な事があって22歳の時に東京の養成所に通う事を決める。
「ワタナベコメディースクール」という養成所。
放送作家コースは毎週火曜、18時から2時間、2コマだったかな。
僕らは2期生。
で、作家コースはなかったんだけど芸人コースでは面白い奴には学費が無料になるっていう特待生制度があって、その特待生だったのがハライチだった。
当時は学ランで漫才していたし、高校卒業したてっていう若さも光っていた。
芸人コースと作家コースで交流会ってのが月に1回あるかないかで、作家コースの生徒はほぼ全員ハライチを狙っていた。
が、ハライチはあまり授業に来なくて、養成所卒業の頃にはテレビにも出始めていたので同期の間ではちょっとしたスターだった。
作家コースの授業終わり、恵比寿の安居酒屋で同期と毎週飲んで、みんな「ハライチすげー」と言っていたのを覚えている。
みんなハライチの座付き作家になりたかった。売れる芸人に付くのが作家の売れる王道パターンだから。(※座付き作家とは芸人さんに付く専属放送作家のようなもの)
ただ養成所時代は一切の接点がなく、そのまま卒業を迎える。
「おとぼ家の夜」
2006年に養成所を卒業し、僕は老舗の放送作家事務所に所属。
全く仕事がない4年間の後、事務所を辞めるんだけどその1年後。
卒業から5年、2011年に東京MX「おとぼ家の夜」という番組にセカンド作家で入る。
立ち上げ会議でキャスティングの話になり、「若手」「ストーリーに合うキャラクター」が条件の芸人を探すことに。
「もしかしたらここなのか?」と思い「ハライチどうですか?」と提案。
そしたら通ってしまった。
みんなハライチと仕事してのし上がりたいと思ってたけど、僕はそれよりも単純にハライチと仕事をしたかった。
卒業から5年、40人いた養成所の同期で放送作家を続けているのは僕1人になってしまった。
同期と仕事が出来たらなぁというふんわりとしたイメージの中、「いつかハライチと仕事する」が目標の1つにしていた。
番組はゲストを招いての本編に澤部くんが出て、コーナーで岩井くんが出るという形。僕はコーナー担当。
本編収録を2時間するとして、コーナーの収録時間は20分ぐらい。
ほぼ待ち。
ずっと岩井くんと楽屋でアニメの話をしていた。
「アニメ好きなんや」が当時の印象。
ジャンル隔たり無く、結構見ている。
番組は半年しか続かなかったけど、半年ずっとアニメの話をしていた。
「アニメの仕事はしないの?」
「来たらやりたいけどね。」
と話したのを覚えている。
「ハライチ岩井勇気のアニ番」
その後、僕はアニメ・声優さん関連のお仕事を頂くようになり、その界隈と接する事が多くなった。
ラジオ、配信番組、イベント…
その中で1つ目標が出来た。「岩井をアニメ業界に引っ張り出す」。
異常とも言えるアニメへの接し方。
のめり込む事もなく、まるで生まれた瞬間からアニメがあるのが普通かのように語る。
「彼がアニメ関連の仕事したら面白いんじゃないか?」と考えていた中、2014年9月に「ハライチ岩井勇気のアニ番」をスタートさせる。
当時はパソコン1台、今はスマホ配信。
ノーギャラで無料配信。
芸人、タレントがニコ生からYouTubeに移行する中、未だに一銭の金も取らず無料で配信し続けている。
「狂気のルール」
この番組のルールは「アニメ全部見る」。
クール50本あるアニメを全部見る岩井。
落としていくものはあるにしろ、最終ゴールは20本以上。
って事は1年で200本。6年やってるんで1200本アニメを見ている事になる。
1200本のアニメが12話あるんで14400話見ている事になる。
まさに狂気。
アニメへの異常な愛とも言えるが、至って本人は普通。
見ることが日課ではなく、日常のように。
「ハライチ岩井勇気のアニニャン」というラジオ番組が2年で終わったが、「アニ番」は未だ継続し続けている。
「説得力」
アニ番をやる中から同人サークル「スプーキーE」や「イワイマンガ」を始める事になる。
これもアニ番があったから。
アニメを語るってこれまでもあったけどちゃんと50本見てランキングをつけるという説得力。
全ジャンル朝の子供向けアニメから深夜アニメまで。
番組中にも言っているが、「しがらみなし、本音100%」。
金も貰っていない。
なのでトップ10に入っているアニメは本当に本人が面白いと思ったアニメなのだ。
「総括」
9月で7年目に突入するアニ番。
見て欲しいとは思わない笑
だって視聴数が増えても減っても続けるのだから。
ある意味、究極の番組かもしれない。
ノースポンサーで日常でやっているから。
でも気が向いたら見て下さい。
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