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国内の合成ダイヤモンドの現状

はじめまして。
ジュエリー業界歴10年のようへいと申します。

4年ほど前から業界で大問題になっていた、合成ダイヤモンドの国内における現状について、私見が多くなりますが語ります。

合成ダイヤとは

まず合成ダイヤとは簡単に説明すると
通常ダイヤモンドは地中深くで作られる天然のものですが、それを人工的に作ったものが合成ダイヤ(正式名称ラボグロウンダイヤモンド)になります。
工業用ではもっと昔からありましたが、宝飾用に作れるようになりコスト面で運用できるようになったのが4年程前です。
この合成ダイヤ分子構造は天然ダイヤと同じで人の目で見ても全く違いが分かりません。
ではどうするかというと鑑定機関に見てもらうか、各社さんが出している検査機で検査することになります。
大きい石は元々鑑定書を取っていたりで検査済なので問題ないのですが、本来鑑別しないサイズの小さいメレが大きな問題になりました。
なにせ見た目ではプロが見ても判別不可能なので・・・

流行り初めのころ

初期の頃は主に中国で大量生産されていたようです。
しかし当然合成ダイヤとして販売しても売れなかったようで、天然ダイヤのロットに混ぜて流していました。
そして国内にも大量に合成ダイヤが紛れ込み大きな問題になりました。
(当時はニュースでも取り上げられていたと記憶しています)
酷い時には1000pcsのロットを検査して半分の500pcsが合成だったということもありました。
その時に業界の大手メーカーは脇の小さいダイヤも全て鑑定機関に検査を依頼したり、その時ある在庫をすべて検査し直ししたり、お客様の元に合成ダイヤが絶対に届かないように取り組んでいました。

現在の国内合成ダイヤの現状

現在は当初より安価で大量に検査できる機械が発明され、ある程度の大きさの会社であればその機械を導入することで自社での検査が可能になっています。
徹底した検査のおかげで最近は合成ダイヤは殆ど見なくなりました。
ごく稀に発見されますが、検査をしっかりしているので問題ありません。
合成ダイヤメーカーも今ではすぐにバレてしまうので合成ダイヤとして販売する方向にシフトしているようです。
実際に合成ダイヤ専門のアクセサリー(あえてこう表現します)を販売している会社が国内にも数社存在しています。

国内の今後の合成ダイヤの推移

出始めた当初は天然より安価で見た目が変わらないということで天然ダイヤのシェアを脅かすのでは?と言われていました。
しかし日本人の国民性なのか合成ダイヤにかなりの嫌悪感を示す方が多く、全くシェアは伸びていないのが現状です。
最近では10ct以上の大きな石も作られているようですが、主に海外で取引されているようです。

合成ダイヤの価格

自分は合成ダイヤは扱ってないので聞いた話になりますが、概ね天然ダイヤの1/10の価格で取引されているようです。
そうなると天然ダイヤよりは格安ですがキュービックジルコニアやスワロフスキーよりは高いということになります。
私見ですが価格が中途半端で需要があまりないのだと思います。
これがジルコニアやスワロフスキーと同じ価格であればかなり流行っていたかもしれません。

総括

以上、ここ最近の合成ダイヤの状況についてでした。
今は合成ダイヤも殆ど混入することがなくなり、お客様に安心して購入して頂ける状況になりました。
しかし今の機械で看過不能な新たな合成ダイヤが出てくる可能性もあります。
業界人としてお客様に安心して天然ダイヤを手に入れられるよう情報をキャッチしていきたいと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
いつもはインスタで発信しておりますので、何かダイヤやジュエリーに関する疑問点があれば気軽に相談してください。
https://www.instagram.com/yohei_diamond/

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