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PNGミュージアム4ワールド制作の記録

前書き

どうも。ようようです!2023年6月10日より開催されましたPNGミュージアム4のワールド制作について語っていきます。技術的な部分やちょっとした裏話、見てほしいこだわりの部分などをまとめましたので最後までご覧ください!

自己紹介!

いつもはVRChatに関するグッズの制作やたまにワールドの作成をしたりしてどうにか生活している者です。VRChatに関係があるものはなんでもやってるかもしれない。有名なもので言うとVRChat住民票や仮想自動車学校ですかね。ワールド制作だとかモデリングの依頼も全然受け付けてますのでお気軽にDM頂ければと。

PNG MUSEUMについて

HPより引用します↓

不定期に開催されるVRChatに関する画像形式のものならなんでも集めてなんでも展示する個人主催のイベントです。
PNGミュージアムでは、創作を楽しむ人が自らの創作を発表し、同じように創作を楽しむ人と繋がることを目的とした、創作者のためのコミュニティイベントです。

制作物

2022年12月に初顔合わせをしました。そこから、コンセプトやらざっとした部分を決めて、1月からワールド巡りをしてイメージを膨らませました。
本ワールドの約8割はテクスチャ等も含めて自分が制作担当しました。

< スペースシャトル >

制作が終わったシャトル。かなり雑な部分があって恥ずかしい。

2月はスペースシャトルを作りました。5日ぐらいかかりましたかね。実際にスペースシャトルの映像などを参考にしながら作りました。他のスタッフからは制作が早すぎると驚かれました。


< サーバールーム >

制作一日目のサーバーたち

3月はサーバールームを作りました。必要あるのかといわれればないですがあったらテンション上がりますからね。独断で作りました。制作時間はテクスチャ等含めて4日ほどで作りました。こだわりはアクセスランプが点滅することとラックを固定するネジの向きをランダムで回転させているところです。(絶対誰も気が付かない)


< 発電室 >

俺たちミュージアムを作ってるんだよな?ってなってる様子

4月は発電室を作りました。ソーラーパネルでの発電は限界があるのかなって思ったので作りました。火を使った発電は宇宙なので無理・原子力は冷却水問題が、ということで水素と酸素で発電できる燃料電池を採用しました。液体酸素と液体水素を大型タンクに入れてあるのでそこから供給するみたいな設定です。(どうやって生成するかは聞かないでください)配線が出ていないのは床下配線だからです。


< シャトル発着場 >

制作中の発着場

4-5月は発着場を作りました。このあたりから本格的に進めないとまずいよねぇということで必要な部分の制作を優先しました。グレーモデルをもとにトリムシート・モデルを作成。少し空港っぽくもあり宇宙船っぽくもあるデザインになりました。


< 展示エリア >

外から見た制作中の展示エリア
星のように光ることを夢見るスポットライトくん
柱的な
苦労したがサイズ感がおかしくなってしまった丸い階段

5-6月は超重要な展示エリアを作りました。こちらも大まかな形のグレーモデルは作られていたのでそれをもとに制作しました。丸いデザインの為、制作がかなり大変でした。天井には点検口や通気口、報知器等それっぽいものを設置しました。展示エリアは作品がメインとなるためシンプルにつくりました。正直完成を見てみるともう少し凝ってもよかったなと思ってます。
美術館がモチーフなので構造や設備がアートな感じ(?)になってます。丸い階段はBlender経験者なら苦労が分かると思います。
また、順路を勘違いしていたので非常に回りにくくなってしまいました。最も大きな失敗だと思ってます。。


< カプセルのりば(展示エリアに行く駅的なやつ) >

制作中ののりば。まるっこくて結構時間かかりました。
湾曲に湾曲が重なったルーバー天井

宇宙船から各展示エリアに行くためのカプセルが発着する駅です。設定上は遠くの惑星に展示エリアがあるのでハイパーループを使用して超高速で移動していくイメージです。全体的に駅っぽさと未来っぽさを融合させたデザインにしました。特にチューブの上の湾曲したルーバー天井が大変でしたね。チューブのつなぎ目などは点滅するようにしてみたのですが超いいんですよ。是非窓から見てみてくださいな。


< 宇宙船の廊下 >

制作中の廊下。結構デザイン迷いました

カフェテリアから各部屋につながる廊下です。廊下のつくりで会場全体のイメージが決まる気がしたのでそこそこ凝ってみました。宇宙船をイメージして作った廊下ですが現実でも何となくありそうなデザインになりました。
青いLEDを入れたり床にガラスを使ったり通気口をつけたりすることでだいぶ宇宙船っぽくなりました。ここにも天井にはスピーカーや報知器やAP等もつけてるのでリアリティも出すことができたと思います。


< カフェテリア >

制作中のカフェテリア

カフェテリアのキッチン・机やグッズの3Dは藍上アオイさんが作りました。湾曲したデザインが個人的に好きです。それ以外の床や天井、壁はこちらで作りました。


< イベントエリア・ステージ >

ドーム状のイベントエリアと移動用カプセルはNekoMikan.さんが作りました。どうやら今回のためにサブスタを買ったみたいです。ようこそサブスタの世界へ。
広くて近未来なイメージで作られています。上を見上げると星がありますが一つ一つ画像をもとに設置したみたいです。


こだわり

ここからが本命です。伝わりにくいで有名なこだわりの紹介です。たまに気が付いてくれる方がいてその時は超喜んでますw
普通に回ってたら気づかないだろうなという部分に実はこだわってたりしてます。こだわりに使った技術的な部分はさらに次の項目でお話しします。

高解像度

カフェ床
一般床
プロップ類

モデリングを始めたころから質感だとか画質にはそこそここだわってました。今回は過去一高画質化兼軽量化する事に成功しました。同じ白や黒でも光沢があるのとないのとで使い分けることでベタっとした感じがなくなります。さらに程よく汚しを入れることでリアリティが増します。正直サブスタは使いこなせてないので特に深くは考えてなくて全体的にいい感じになるように作ってみました。一部の床などには緩くノーマルを入れることで踏まれたんだなぁ感とパネルを貼った感を出しました。


設備関係


天井
点検口
パイプのバルブ
アクセスポイント
防火シャッター

VRでは全く必要のない設備ですが、こういったものも設置することで現実味を出すことができます。中途半端に設備を作ると僕みたいな設備警察の方々が刺してきますので、ある程度ですが設置の意味や仕様、法律などを勉強したうえで作ってます。(時間の関係で設置しきれなかった部分もある)
アクセスポイントのLEDは実は点滅してます。


モニター

ちょっとしたものですが、モニターから配線が出てます。
モニターに画像やビデオプレイヤーを埋め込む可能性が高かったので画面部分は二重構造にしました。表面にガラス、次に背景の板となっています。そうすることでガラスの汚れやノーマルを活かしつつ内容も表示できるようになります。VRCのビデオプレイヤーは反射しないのでこのひと工夫で結構印象が変わります。


反射の仕方

技術についての項目でもお話しますが、床のガラスの反射の仕方も普通とは違います。現実でこれをやるとわずかなズレが生じるんですが3Dの世界だと良くも悪くもきれいにそろってしまいます。少し極端ですが、あえて反射がずれるようにしています。


サーバールーム

サーバールーム
消火用炭酸ガス
ねじ

サーバールームには消火用のガスを設置しました。電力用のレールから2系統の電力を供給して、配線は床下です。床下から冷えた空気を送って上部のダクトから排熱する仕組みです。とはいえエアコンぐらい付けたかったですが時間が許してくれませんでした。超無意味ですがネジの向きを何となくランダムで回転させてみました。


技術的なお話

ここからは技術的な話になります。ワールドモデリングの参考になればと思います。また完全独学なので変な部分もあるかもしれませんがご了承を。

トリムシート

自分の作った部分だけで言うと圧縮無しで100MBほど(圧縮有で50MBぐらい)の容量になってます。規模とクオリティを考えるとかなり軽いです。それを可能にできたのはトリムシートのおかげです。

普通はモデルを作ったあとにUV展開をして、そのあとテクスチャを付けますが、トリムシートは先に汎用性の高いテクスチャをあらかじめ作っておいてそれに合わせてモデルを作成・UV展開をする方式です。ほとんどのオブジェクトはこの方式で作ってます(8-9割程)

テクスチャは4Kになってます

テクスチャ1枚を使いまわすので桁違いに軽くなります。また、あらかじめテクスチャを作っておくので、モデリングやUV展開の時にプリセットを選ぶようにつくれる・複雑な形でもばらして展開しても問題ない等メリットがたくさんあります。

デメリットとしてはワールドの最終形態を何もない状態から想像しなくてはいけない点ですね。完成形からモデリングの方法まですべて逆算するので相当頭を使いました。今回はベイクしてませんが、ライトベイクするとき用のUV2を作る必要がある場合があることもデメリットですかね。

UV展開した様子 一部


法線の向き

普通にモデリングをやっていても法線の向きを気にすることないのですが、今回は一部だけ気にして制作してます。こだわりで画像を載せましたが、廊下のガラス部分に法線がかかわっています。

現実ではガラスやタイルなどは手作業で設置すると思いますが、どうしてもコンマ数ミリはずれてしまうものです。お店などのタイルの反射を見て歩くとわかりますが、実は結構歪んでいたり地味に曲がっていたりします。それを法線やノーマルマップを使って再現しています。サーバールーム前の黒い廊下やカプセル乗り場はノーマルで歪ませてます。

スーパーの床

 法線の捻じ曲げは少し極端にしています。そうしないと誰も気が付かないだろうとおもいまして。

法線の向きをばらつかせてる


つなぎ目

一部の床や壁のつなぎ目はつなぎ目用のテクスチャを用意して細長い板ポリを貼ってます。大部分の床はテクスチャをタイル状にして縁を黒くしてつなぎ目を再現してますが、複雑な形の廊下や壁などはそうすると都合がどうしても悪くなるのでこのような方法も取ってます。実は使ってないですがネジ用の素材も作ってます。このテクスチャは透過でPhotoshopで作ってます。

壁のつなぎ目
デカール用テクスチャ
タイルつなぎ目

サブスタの機能でUVの縁取りをすることができるので、床のタイルを全部重ねてそれをやるとつなぎ目が綺麗にできます。

最後に

個人的に超好きな角度・場所

4700文字も読んでいただきありがとうございます!

PNGMUSEUMは4回目となりますが今回初参加で不安な部分もありましたが、なんとか完成してホッとしています。もっとこだわりたい部分ややり残したことがいっぱいあるので次回PNG5が開催されるのであればそこで挽回したいところです。
モデリング歴1年10ヵ月、ワールド5作目ですが今回の制作でかなり成長しました。非常に大変でしたがそれ以上の楽しさや学びがありました。今後もこのようなイベントに積極的に参加していきたいですね!

このようなクオリティでよければ制作依頼など受け付けてますのでお問い合わせください。(有償だと嬉しい)Twitter

ありがとうございました!またいつか。


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