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【算命学】原理#4「運命論」

※【算命学】原理#3をご覧になられていない方は初めにこちらをご覧ください。
【算命学】原理#3「時間と空間」干支暦|佐藤 雄一 (note.com)

前回は、生年月日を「空間」と「時間」で表すことで、人間の運命を分析できる状態に整えた訳でした。


今回は、「運命」についてです。

まず、「運命」という言葉の定義を確認しておきましょう。
(※もちろん、算命学の世界観においてです)

算命学では、
運命=「その事物の出発から終局に至るまでの行程や道のり」を示す言葉
と定義します。

運命は人間だけに限ったものではなく、宇宙に存在するすべてのものに当てはめることができます。

図で示すとこのようになります。

図1、運命とは

運命を「行程」と定義しましたので、運命は「動きの中」にあると言えます。
すべてが静止した世界には運命は存在しないと言えます。
ただし、これは「この世」の話です。

もし肉体がなくなり、魂だけになった場合、動きがないため運命は存在しないのでしょうか?
このように考えると、運命には2通りあると考えられます。
①静なる運命
②動なる運命です。

②の運命は、肉体があり、時間の感覚があり、生きているときの運命を指します。
①の運命は、肉体がなくなり、時間の感覚もない、動きのない死後の運命です。

そして、①の運命を特別に「宿命(しゅくめい)」と名付けました。

もう少し思考しましょう。

人間は生まれた瞬間から死に向かって進み続け、その歩みを途中で止めることはできません。
ですので、人間は神のような存在に生かされていると考えることができます。(※ここでは神の存在に関する議論は省略します。また、科学や医学の進歩によって不老不死が可能になったとしても、それは人間の意図による操作ですから、自然の摂理ではありません。同様に、自分の手や他人の手で命が絶たれる場合も考慮しません。)

神という存在によってあらかじめ定められた運命を「宿命」と呼びましょう。
これが、静の運命です。

まとめると、生まれた瞬間に定められた宿命があり、その後「生きる」というプロセスが運命を作ります。
そして、死を迎えることで運命は静止し、宿命に戻る。
こういった考え方ができます。
(動きのない運命を宿命、動きのある運命を単に「運命」と呼んでいます)

では、この「運命」を陰陽説に当てはめて考えてみましょう。
※陰陽説の詳しい説明は、別の機会に行います。

陰陽説を簡単に説明すると、

例えば、1日を考えてみましょう。
1日を2つに分けると、昼と夜に分けられます。
今度は、テーマを人間にしてみましょう。
人間を2つに分けるとどうなるでしょうか?

これは自明ですね。男と女に分けられます。
このように、あるテーマを決めたとき、宇宙に存在する万物は、すべて2つに分類できるというのが陰陽説です。

1日がテーマであれば、昼と夜に分類でき、昼を陽(よう)、夜を陰(いん)と表現します。
人間がテーマであれば、男が陽であり、女が陰という形です。

ただし、Aさんを陽、Bさんを陰というような解釈はできません。
分類する際は、共通のテーマが必要であり、陽と陰をセットで考えたときにそのテーマに戻れないと成立しません。

例として、人間をテーマとするなら、男が陽になり、女が陰と定められるわけです。
そして、男と女が存在して、初めて人間と言えます。
このような思考です。

そして、このテーマのことを極(きょく)と言います。
算命学では、この思考を「一極二元論(いっきょくにげんろん)」と呼び、算命学理論の根底にある理論です。

この理論を用いて、まずは人間を考察してみると図2のようになります。

図2、人間を極とした場合の一極二元論


人間を極として考えると、「生」と「死」の2つに分類できます。
そして、それぞれの「生」の中にも陰と陽があり、「死」の中にも陰と陽があり、バランスを保っています。
つまり、「動」という状態が正常に動ける理由は、その中に陰と陽の力がバランスよく存在するからです。
このことから、運命は「動」の中で生まれ、その動きが陰陽の気のバランスを保つことで正常に働くことができる、と言えます。

少し分かりにくいかもしれませんので、先ほどの「1日」を例に考えてみましょう。

1日を考えると、2つに分類すると昼と夜になります。
この考え方によれば、昼にも陰陽があり、夜にも陰陽があるということになります。
さて、どういうことかと言いますと、

1日は、昼と夜の循環です。
昼が動いているということは夜に向かっているということです。
太陽が動き昼を作っている状態は、同時に夜を作っていると言えるわけです。このように、相互に働きがありバランスを保っているのです。

これを「運命」の中に持ち込むと、図3のようになります。

図3、運命を極とした場合の一極二元論

この構造が教えてくれていることは、運命とは「幸」と「不幸」の2つの要素をもって初めて運命と言える、ということです。
もし人生のプロセスが「幸」だけであれば、不幸という言葉は生まれなかったでしょうし、そもそも幸せという概念すら存在しなかったかもしれません。
不幸があるからこそ幸せを感じられ、幸せがあるからこそ不幸を感じられるのです。
この一極二元論の考えは、宇宙の摂理であり、神が仕組んだ仕組みと言えるでしょう。
地球上のすべてのものは、「不幸」と「幸」の両方を味わうことになります。しかし、ここで問題になるのが、その「不幸」と「幸」をどこで感じるかということです。

ある人は、財や名誉を得ることで幸せを感じるかもしれません。
ある人は、人に尽くすことで幸せを感じるかもしれません。
また、文章を書いているとき、歌っているとき、麻雀をしているとき、占いをしているとき、多くの友達とわいわいしているときに幸せを感じる人もいるでしょう。

少し話が逸れますが、ロックアーティストのUVERworldさんの曲で
「ALL ALONE」という曲があります。この曲の歌詞の中に、

「哀しくても 歌ってるだけで あいつは 踊ってる時だけ 彼女は 絵を描いている時だけ あの子は 文字を綴っている時だけ あいつらは 何かを演じてる時だけ あの人は 誰かを笑わせてる時だけ 彼らは 物を作っている時だけ お前は お前がやりたい事を やれ 最後の日に欲しい物は 最後の日に欲しいと思えるような この街で生きて来た証」

UVERworld「ALL ALONE」より https://youtu.be/a1XCyYU7Ey4?si=pEbPUaOka7knUKfC 

という一節があります。人によって「幸」と「不幸」の感じ方が異なり、そのレベルも異なるので、悔いなく好きなことをやれ!という、メッセージの曲です。

話を戻しましょう。

では、なぜその違いが生じるのでしょうか?
まず、本来人間が与えられた生きる範囲が決まっているのではないかと考えました。
つまり、「幸」や「不幸」を人間が感知する基準、いわゆる本質があるのではないかと考えたのです。

そして、人間に限らず、物事の本質はその物体や肉体が初めて世の中に誕生した地点にあるのではないかと考えました。

そこで、人間の生年月日に焦点を当て、出生時の本質を考えることにしたのです。
物事は必ず一極二元論の法則に従い2つに分類できるので、図のようになります。

図4、本質を極としたときの一極二元論

本質を「気」と「形」に2つに分類しましたが、なぜそうなるのか理解が難しいかもしれません。

人間の人生は時間と共に推移します。
人間にとっての時間とは、肉体であり、人間の霊魂に有限の時間を与えているのが肉体の存在です。

そう考えると、人間の本質は「霊魂=気」と「形=肉体=目に見えるもの」の2つに分類できるのです。
空の天体も、形とエネルギーによって成り立っているので、人間に当てはめる際に、形は肉体で、エネルギーを霊魂と解釈できます。

そして、霊魂単体で解釈すれば、無限の時間であると言えます。
なぜなら、肉体という有限の時間が滅んでもなお、霊魂は存在し続けるからです。
このような思考から、人間の肉体は有限の時間、霊魂は無限の時間であるならば、人間は時間そのものであり、その本質も時間であると結論付けたのです。

図5、本質が行く先

図5のように、人間の本質が時間であるのならば、本質が生まれて推移していくところに道しるべをつけておけば、時間である本質を間接的に把握できると考えました。
つまり、生年月日とは人間の本質が通過する場所を示していると言えるのです。

人間の本質を列車に例え、出生時の地点を始発駅に例えてみます。
そうすると、列車はどんな形をしていて、どんなモノを載せているか?
始発駅はどこか?都会なのか山奥なのか?

例えば、場所が北の方向で牧畜の国柄であったとすれば、始発の駅には牧畜の関係者や牧畜によって生産された製品がこの列車に乗るでしょう。
その製品は、人口の少ない山間の駅では需要がなく、遠く離れた街の駅では人が集まり、この列車も長い間走ってきた甲斐が出てくるのです。
これが運命であると考えました。

このことから、始発の駅や出発の環境と場所などを知ることで、人間の本質を知ることができます。
そして、本質が分かれば通過する場所と環境によって本質の価値が上がるか下がるかが判断できるのです。

ですから、持って生まれた本質や宿命が、その後の環境によってどうなっていくのかを判断するのが、算命学です。
生年月日が即、その人の運命を決めるわけではありません。


次回は、「人間も宇宙である」という「人間小宇宙論」についてお話しする予定です。
※算命学の原理編は構造のみの紹介にとどめ、その後の具体的な占術の公開は避けます。技術は実際の鑑定でご体感ください。

※対面鑑定は現在、「極楽満月」のみとなっております。
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