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【ビジネス書解説】「強さの磨き方」

こんにちは。
今回は、二重作拓也さんの「強さの磨き方」について解説していきます。

はじめに

「強い人」と聞いて、あなたはどの様な人を想像しますか?
お金や権力を持っている人なのか。
それとも、腕っ節が強い人でしょうか?
「強さ」にはいろんな種類の強さがあります。
そして、いろんな種類の「強さ」の中で、現代を幸せに生き抜くうえで「考える力の強さ」は非常に大切です。
変化が激しく不安定な現代社会では、あらゆる問題が、情報という名の濁流に押し流されています。
そんな状況で大切なのは、情報を集める力ではないです。
誰かの発信している情報に自分を合わせるのではなく、自分の頭で考え、自分で自分をコントロールする力です。

今回の記事では、人間の強さに関する情報を10個のポイントにまとめています。
この本には、書籍に書かれた情報を「答えの提示」として捉えないで欲しい。
あくまでも今回の情報を「問いの共有」と捉え、考えるきっかけにしてほしいと書かれています。
この記事をきっかけに「強さ」について考える意識を持ち、自分なりの答えを見つけてください。
今回の記事を観て参考になった。
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【1個目】 強さとは何か

「強さ」は相対的な概念であり、「こうすれば強くなれます」という簡単な解は出せないです。
例えば、ケンカのめっぽう強い「地上最強の人間」がいたとします。
この時、「地上最強」とは地球があるからこそ成り立つものです。
もし地球がなければ「地上最強」という言葉はないです。
そして、地球が存在したとしても、比較する相手が存在していなければ、強いのか弱いのか測ることはできないです。
あくまでも、地上最強の人間は、地球があり、その人以外の人間がいるからこそうまれる言葉です。

そして、地上最強の人間も環境が変われば弱くなります。
病気を患い(わずらい)、手術をすることになれば麻酔科医の手の中です。
健康でいたとしても、未開のジャングルの中で戦うのなら原住民の方が地の利に長けています。
要は、どんな環境にあるのか次第でも、人の強さは変わります。
だからこそ、強くなるための方法は、「こうすれば強くなれます」という簡単な解は出せないです。
強さとは、「どんな強さを求めるのか」、「どんな状態を強いとするのか」。
この様な条件次第で強さの中身が大きく変わります。
まずは「強さ」に対して、この認識を持ってください。


【2個目】 人類最大の武器

僕たち人間は、地上に存在する多くの動物に比べ、フィジカル面で悲しいくらいに劣っています。
人間と同じ霊長類(れいちょうるい)のチンパンジーやゴリラには鋭く尖った牙がありますが、人間には牙がないです。
多くの野生動物は四足歩行によって、心臓をはじめ、ダメージを受ければ致命傷となりやすい内臓を外から守っています。
それに対して、人間は内臓を守ることなく二足歩行で行動しています。
さらに、人間は多くの野生動物に比べて、圧倒的に動くスピードが遅いです。
要は、人間はフィジカル面では明らかに現存する地上の動物の中で劣っています。

それなのになぜ、人間はこんなにも地上で繁栄することができているのか。
その答えが「脳」です。
人間の脳の重さは、成人であれば1.2キログラムから1.6キログラム。
体重の約2.5パーセントしかないです。
それなのに、脳を構成するニューロンの数は1000億個もあります。
しかも、1つのニューロンは、1000から1万の他のニューロンと連結してネットワークを作っています。
ニューロンのネットワークの数は、もはや天文学的数字で、一説によると宇宙に存在する素粒子の数よりも多いとも言われています。
人間は、このような奇跡的な「脳」を使い圧倒的に劣るフィジカル面の弱さを補うことで繁栄し続けています。

鳥の様に羽があるわけではないですが、脳を使い飛行機を開発したことで空を飛べるようになりました。
走るスピードは、その辺りにいる犬や猫よりも遅いのに、車や新幹線などを開発して高速で長距離の移動ができるようになります。

再度お伝えしますが、人間の最大の武器は「脳」です。
脳を使い考えることで、あらゆる困難を乗り越えてきました。だからこそ、強くなりたいのであれば、強さについて考えてください。
そして、どうすれば強くなれるのか考えてください。

考えること、脳を使うことが、あなたの最大の武器です。


【3個目】 想像と創造

人間の頭と身体の基本公式は、「前頭前野での運動イメージの想起からスタートし、意図的な運動が具現化する」という一連の流れです。
この基本公式があるおかげで、何もない空き地にビルが立ち、それまで船でしか渡ることのできなかった河川(かせん)に橋がかかります。
そして、憧れの人と話したい。
人前に立って堂々と話ができるようになりたいと願うから、行動が伴い目標に向かって進めます。
人間の基本公式は「脳内で想像した結果が行動となり、その先に、いまとは違う何かを創造する」です。

頭の中で考える想像と、考えたことをアウトプットして何かを作り出す創造です。
この2つの「ソウゾウ」は、2つで1つのセットです。
あなたがこれから創造していく未来は、これからあなたが脳内でつくりだす想像以上にはならないです。
あなたはいま、しっかりと脳を使って自分の未来を想像できていますか?
頭の中で描いた未来を、アウトプットで創造に変換できていますか?
何度もお伝えします。

人間の最大の武器は「脳」です。
ある意味、宇宙をも凌駕するほどの力を秘めたあなたの「脳」を大切にしてください。
大切にするとは、ただ傷つかないように保管するだけではダメです。
自分の未来をより良くするために正しく使ってこそ、脳を大切にしていると言えます。
強くなりたいのであれば、人間の最大の武器である脳を大切にしてください。


【4個目】 弱さを眺める

強さを手に入れたいのなら、自分の弱さについて考えてください。
その理由は次の3つ。
1.弱さと強さは補完し合う関係にあるため
2.強さへのモチベーションは弱さから生まれるため
3.弱くなる要素を減らすため

この3つです。それぞれ解説します。

1つ目「弱さと強さは補完し合う関係」。
これは、弱さを認識できれば、自然と強さが浮かび上がるという意味です。
例えば、パーに開いた手を白い紙の上に置き、空白部分を斜線で埋めると、絵を描いたわけではないのに手の形が浮かび上がります。
弱さを認識すれば強さが浮かび上がるとは、この感覚と同じロジックで強さを認識することです。
強くなりたいのであれば、強さについて考えることと同じくらい、弱さについて考えることが大切です。

続いて2つ目「強さへのモチベーションは弱さから生まれる」。
高校時代に2軍止まりで1軍に上がれなかったバスケットボール選手は弱さをバネに努力して強さを手にしました。
この話は、バスケットボールの神様と称されるマイケル・ジョーダンの実話です。
誰もが認める天才の中には、弱さをバネに強さを手にした人が他にもいます。
例えば、20代後半で聴覚を失ったベートーヴェンは、心の耳で音を聴くようになり歴史に名を残しました。
20世紀最高の天才と称されるアインシュタインは、4歳まで言葉を話せず、7歳まで文字を読めなかったです。
強さのスタート地点は弱さです。
俺は強いと思っている人は、それ以上強くなれないです。
自分の弱さを受け入れ、弱さ克服に励む人が真の強さを手にできます。

最後は3つ目の「弱くなる要素を減らす」。
強さを手にして勝ちたいのなら、負けを理解し、負ける可能性を減らす必要があります。
強いアスリートや勝てるチームほど、負けパターンを想像することが上手いです。
そして、負けパターンにハマらないための対策が上手いです。だからこそ、最終的には勝てるんです。
強さのスタート地点は弱さだと理解してください。
そのうえで、自分の弱さをしっかりと受け入れてください。
その行動が、最終的には、あなたの強さ、勝ちに繋がります。


【5個目】 不安との付き合い方

「何の不安もない日常」。
この言葉を聞くと、なんとなく幸せそうなイメージ持つ人が多いです。
金銭的な不安。
病気や事故への不安。
人間関係への不安。
自分の将来への不安など、あらゆる不安がなくなる。
そして、誰かの顔色を気にすることなく、自分らしく自分の好きなように日常を過ごす。

何の不安もない日常は、一見、最高の生活に思えます。
ただ実は、強さを考えるとなると、何の不安もない日常は最高ではないかもしれないです。
人間が地球上で圧倒的に劣るフィジカルでも生存し繁栄してきたのは不安があったからです。
人間は、日常で感じる不安をバネにテクノロジーや文化を発展させてきたんです。
不安は排除するのではなく、不安とうまく向き合いつつ成長することこそ、真の強さへと繋がる道です。
不安のない日常は、強さを求めるうえでは恵まれた環境ではないです。
言い方を変えると、不安はあった方がいいんです。

ただし、不安はあった方がいいとは言え、不安を恐れるあまりに行動を止めてしまうのは良くないです。
大切なのは、不安を感じることではなく、感じた不安を乗り越えるための行動です。
では、どうすれば不安を乗り越えるための行動ができるのでしょうか?
その答えは感謝です。
人間の脳は大きく2つ、「感情的な脳」と「理性的な脳」に分けられます。

ちなみに、不安を感じる脳は感情的な脳、感謝を感じる脳は理性的な脳です。
そして、感情的な脳と理性的な脳は、2つ同時に活性化することができないです。
これは科学的にも証明されています。
例えば、人が不安を感じている時に感謝する出来事を体験したとします。
そうすると、脳内の血流量が感情的な脳から理性的な脳にシフトすることがわかっています。
感謝は不安を軽減してくれます。
感謝こそが不安を恐れず行動するためのカギです。
真の強さを手にしたいのなら、日常の中で多くの感謝を感じられる人になってください。


【6個目】 遺伝と環境

人の強さは生まれつきの遺伝で決まるのか、育った環境で決まるのか。
この問いの答えは、近年の遺伝子解析や行動遺伝学によって「どちらも関係している」が正しいと結論づけられました。
つまり、強さを身につけるには、遺伝と環境、どちらも大切だということです。

脳内で情報のやり取りを行う神経物質のひとつに、「ドーパミン受容体遺伝子」があります。
そして人間は、持っている「ドーパミン受容体遺伝子」で2種類のグループに分類できます。
2種類のグループとは、正常な遺伝子「DRD4」(ディーアールディーフォー)を持つ人と、突然変異種の遺伝子「DRD4-7R」(ディーアールディーフォーセブンアール)を持つ人です。

ちなみに、突然変異種の「DRD4-7R」(ディーアールディーフォーセブンアール)の遺伝子を持つ子供が、虐待や暴力など、過酷な環境で育つとアルコール依存や暴力的な大人になる傾向があります。
そのため、突然変異種の「DRD4-7R」(ディーアールディーフォーセブンアール)は、長い間、「悪い遺伝子」とされてきました。

しかし、最近の3歳児を対象にした研究で、突然変異種を持つ子供は、周囲に自分のキャンディを分け与えるなど、利他的な性格であるとわかりました。
悪い遺伝子とされていた突然変異種の遺伝子の持ち主がいい環境で育つと、一般的な人以上に親切なGIVER(ギバー)になるとわかりました。

人は生まれながらに遺伝子レベルで違いがあります。
そして遺伝子の違いは性格や体格に違いを生み出します。
ただ、その違いに優劣は存在しないです。
あくまでも、ただ違うだけ。それは個性の一つでしかないです。
そしてその個性が良いものになるのか悪いものになるのかは身を置く環境によって変わります。

例えば、身長の高さを活かしてバスケットボールで活躍する選手がいます。
その一方で、バスケットボールが好きなのに身長の低さで苦労している選手もいます。
ただし、環境が変わればこの苦しみは逆転します。
バスケットボールではなく体操競技においては、身長の低さを活かして活躍する選手がいる一方で、身長の高さで苦しむ選手がいます。

身長が高いのか低いのかは、生まれ持った遺伝による個性、才能です。
そして、遺伝は自分の力で変えることはできないです。
ただし、環境は自分で変えることができます。
強さを身につけたいのであれば、才能を言い訳にせず、自分の個性を強みにできる環境に身を置いてください。


【7個目】 他人の力を活用する

あなたの声はどんな声ですか?
あなたは人と会話をする時、どんな表情で話をしていますか?
あなたの背中はどんな広さですか?
私たち人間は、自分自身について知らないことが多くあります。
そして、どれだけ知りたいと思っても、自分自身では正しく知ることができないことも多くあります。

ただし、強くなりたいのであれば、随時、自分を正しく知る必要があります。
自分にはどんな才能があるのか。
自分はどれだけ成長しているのか。
この様な情報を正しく把握できなければ強くなることはできないです。
では、どうすれば自分自身を正しく把握できるのでしょうか?
その答えは、他人の力を借りることです。

他人はあなたを正しく把握しています。
あなたが人と会話をする時、どの様な表情で話しているのか。あなたがどの様な声をしているのか。
どの様な立ち姿をしていて、あなたの背中がどれだけ広いのか。
他人はあなたを正確に把握しています。

そして他人は、外見だけでなくあなたの才能も客観的に正しく把握することができます。
だからこそ、世界トップクラスの一流アスリートでも、コーチに指導を受け続けているんです。
他の人と比べて、あなたがどの様な特徴や才能を持っていますか?
自分自身を知るために他人の力を借りてください。


【8個目】 知識と行動


脳が最大の武器である人間にとって、強くなるためには知識が必要不可欠です。
この様な話をすると「知識よりも経験が大事」という人がいます。
ちなみに、この考え方を否定するつもりはないです。
実際に、超がつくほどの頭でっかちで経験が伴わない「机上(きじょう)の空論の達人」。
言うだけで行動が伴わない「言うだけ番長」。
この様な人たちからは距離を取るべきですし、あなたがそうなってはダメです。
行動できる人になることは、強くなるうえで大切です。

ただし、行動さえしていれば強くなれるかと言うと、それは話が違います。
強くなるためには行動は必要ですが、行動すれば強くなれるわけではないです。
強くなるためには、正しい行動を継続する必要があります。
そして、正しい行動をするためには、「正しい」と判断するための「知識という判断材料」が必要です。
強くなるためには知識と行動のバランスが大切だと理解したうえで学び続けてください。


【9個目】 2つの学習

人間は「言語化できる学習」と「言語化できない学習」という2つの学習方法を持っています。
「言語化できる学習」とは、ルールや法律、数学の公式を覚えるといった座学による知識習得です。
それに対して、「言語化できない学習」とは、自転車に乗るなどの運動学習によるスキル習得です。

多くの場合、この2つの学習は相互補完関係にあります。
例えば、ピアノを弾く時には、座学で楽譜の読み方やピアノの鍵盤について学ぶ必要があります。
ただし、座学でどれだけ知識をつけてもピアノを上手に弾けるようになるわけではないです。
だからこそ、座学と同時進行で、実際にピアノを弾く運動学習を行います。
自動車の運転も、免許証試験では学科と実技という2種類の試験があります。
これと同じ様に、強さを手にいれるには多くの場合、2種類の学習を同時進行させる必要があります。

ちなみに、一般的には「言語化できる学習」の記憶は顕在意識、「言語化できない学習」の記憶は潜在意識で行われます。
要は、2つの学習は記憶で使う意識に違いがあります。
ただし、学習する際におさえるべきポイントには共通点があります。

その2つとは、「反復」と「修正」です。
言語化できる学習も言語化できない学習は、どちらも繰り返し学習を行うことが大切です。
そして、ただ繰り返すだけではなく、修正すべき箇所があれば修正していく必要があります。
言語化できる学習では、自分の知識が間違えていないかを確認し、間違えていた時には正しい知識に修正します。
言語化できない学習では、どうすればより上手にできるのか、どうすればより良くなるのかを考えて修正することで上達します。

強くなりたいのであれば、言語化できる学習と言語化できない学習。
この2つの学習があることを理解したうえで、反復と修正を繰り返して成長してください。


【10個目】 限界的練習

強くなるための練習では、限界練習を意識して練習してください。
限界練習とは、「才能を後天的に作り出すこと」を目的とした練習で、限界を少し超える程度の負荷を繰り返す練習法です。
例えば、腕立て伏せを50回できる人が、腕立て伏せ50回を1年間繰り返しても、さほど大きな成長は見込めないです。
それに対して、50回できたら次は52回を目指す。
52回できたら、次は55回を目指す。
この様に限界を少し超える負荷をかけ続けたトレーニングを行うと、1ヶ月でも驚くほど成長できます。

成長していまの自分を超えるには、ある程度の苦しさはつきものです。
強くなりたいのであれば、「苦しい→もう嫌だ→やめよう」ではなく、「苦しい→いま、強くなっている→ここを超えたい」と考えてください。
この脳内変換ができれば、あなたは必ず強くなれます。
強くなった先の未来は、あなたが思い描く最高の未来です。

更に詳しく学びたい方は、こちらの動画をみてください♪

解説は以上です。
動物の世界は、強くなければ生き残れない世界です。
そんな世界で人間が生き残ってこれたのは「脳」を最大の武器にしてきたからです。
だからこそ、考える習慣を身につけてください。
いまの時代、簡単に多くの情報を手にできる影響で、自分で考えずにすぐに答えを手にしようとする人が増えています。

これは、人間の最大の武器である「脳」の無駄遣いです。
人間は考えてきたからこそ、フィジカル面の劣等性を補い強くなれたんです。
情報は答えではなく考えるきっかけです。
今回の記事の情報も考えるきっかけに使ってください。
そして、自分なりの強さを追う方法を導き出してください。
そうやって走り抜いた数年後の未来は、必ず最高に素敵な未来になっています。
今回の記事が役にたった。
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