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【ビジネス書解説】「一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方」

こんにちは。
今回は、加藤俊徳さんの「一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方」について解説していきます。

はじめに

「最近、記憶力が落ちてきた」「50代になってから、新しい仕事もなかなか覚えられない、スマホの機種変をしたら慣れるまでに時間もかかるようになった。」そんな悩みを抱えている人は多いと思います。

しかし、記憶力の低下も物覚えの悪さも、加齢による脳の老化が原因ではないです。
理由は人それぞれですが、もしかしたらあなたが仕事に熱心なあまり、脳の使い方に偏りが出ているかもしれないです。
あるいは、得意な脳のルートばかりを使ってきたせいで「脳のおじさん化」現象が起き、脳全体の機能が下がっているかもしれないです。

この本では、効率よく頭が働く勉強法が紹介されています。
この記事では、その中でも僕が厳選した7個を解説していきます。
これから勉強したいと思っている人や、思うように勉強が進まない人におすすめの記事です。
勉強になった、もっと知りたいと思った人は、いいねやコメントを是非お願いします。


具体的なアクションプラン

【1個目】 脳のピークは40代後半から50代。

 

好きなことばかりやりたがるけど、飽きっぽく、ご褒美が用意されていると頑張れるのが、脳の本質的な性格です。

この基本的な性格がベースとなって、脳は個性的に成長していきます。
そしてだんだん、脳にも個性が表れてきます。
脳が個性をより光らせるのは、30代以降です。
就職、昇進、結婚などのライフステージの変化が多いからです。
新しい刺激をたくさん浴びる時期に、脳は急成長を遂げます。

40代以降に脳の力が急激に衰えると感じる人が多いですが、実際は、衰えずに成長して、むしろ旬を迎えます。
仕事でもプライベートでも、悩むことや、決断を迫られることがあります。
その経験値が糧となって、勉強が面白いと感じたり、難しい話を理解したりします。
そして複雑な問題を解決したり、気難しい相手とコミュニケーションをとったりできます。
だから、脳の機能が熟成するのは、むしろ中年以降です。

脳の中には、特に複雑な情報処理を担う、脳細胞のエリート集団がいます。
これを「超脳野(スーパーブレインエリア)」と呼びます。
記憶や理解を担う「超側頭野(ちょうそくとうや)」は30代でピークを迎えます。
視覚や聴覚から入ってきた情報をもとに、分析や理解をする「超側頭野(ちょうそくとうや)」は40代でピークを迎えます。

実行力や判断力を司る「超前頭野」は50代でピークを迎えます。
これらの脳力(のうりょく)は、遺伝ではないです。
後天的に伸ばしていけます。
つまり脳のピークは30〜50代です。
特に、45歳から55歳は脳の最盛期とも言えます。

まさに、学ぶのに絶好の時期です。

「55歳からは下り坂になるのか」と心配した人も安心してください。

超脳野がピークを迎える時期に、脳をしっかり働かせておけば、60代以降も脳はきちんと成長し続けます。
認知症にならない限り、一生頭がよくなり続ける脳が手に入ります。


【2個目】 脳番地の生産性を上げるも下げるも、環境づくり次第。

会社組織でも、花形と呼ばれる部署があります。
一方で、目立たないけど必要不可欠な、縁の下の力持ちのような部署もあります。
脳も同じです。
脳の中で部署のような役割を果たす場所を、それぞれの役割に基づいて「脳番地」と呼びます。

思考系脳番地は、思考・意欲・想像力などを司り、何かを考えるときに働きます。

理解系脳番地は、目や耳から入ってきた情報を理解します。
わからないことに対して、推測して理解しようとする際にも働きます。

記憶系脳番地は、ものを覚えるときや、思い出すときに働きます。 情報を蓄積させて、使いこなします。

感情系脳番地は、喜怒哀楽を感じて、表現します。
生涯にわたり成長を続けて、老化が遅いのが特徴です。

伝達系脳番地は、コミュニケーションを通じて意思疎通を行います。

運動系脳番地は、手・足・口など、身体を動かすこと全般に関わります。
脳の中で、もっとも早く成長を始めます。

視覚系脳番地は、目で見た映像や画像、読んだ文章を脳に集積させます。

聴覚系脳番地は、耳で聞いた言葉や音を、脳に集積させるために働きます。


脳の持ち主である僕たちが、8つの脳番地が役割を十分に果たせる環境を整えることが、成長し続ける脳を育てるポイントです。
脳がよく働けば、持ち主である自分へのリターンも大きくなります。
いわばあなた自身は、優れた脳番地たちで形成された、株式会社ブレインの監査役です。
脳が効率よく働くことで、利益が上がっているか、努力に対して適正な成果が上がっているか、その収支を見守っています。
そして軌道修正を促す役割を持っています。

そして脳の社長は、意思決定の要である思考系脳番地です。
社長のよき理解者であり、パートナーである常務が理解系脳番地です。
あまり表舞台には出てこないですが、記憶系脳番地は総務部長的な役割をします。
この思考系脳番地、理解系脳番地、記憶系脳番地の3人が、いわゆる株式会社ブレインのトップ3です。
脳に入ってきた情報をもとに、三者が意見交換して、最終的には社長の思考系が決断を下しています。

社長が下した決断をまとめて資料を作成したり、社外に伝えたりするときは広報の伝達系脳番地の出番です。
状況に応じて、トップ3に冷静さを促したり、感情を昂らせたりして、陰で株式会社ブレインを操るのが感情系脳番地です。

社内で情報を集めたいときには、現場での情報収集をメインの仕事とする運動系・視覚系・聴覚系の営業部門に声がかかります。
彼らは現場に赴いて、たくさんのものを見聞きします。

そこで得た情報は思考系・記憶系・理解系へと渡ります。
そしてこの三者がまた相談することを繰り返し行っています。


【3個目】 運動系・視覚系・聴覚系によりよい情報を集めてきてもらうには運動が大切。

脳の成長のために欠かせないのが、新しい情報です。
僕たち人間は、行動することによって刺激を受け、そこから情報を得ます。
行動なくして脳は働かないです。

脳の中で行動を司るのは運動系脳番地です。
手足を動かすだけではなく、ものを見るときや聞くときには筋肉が働くため、見聞きするのも運動系脳番地の役割です。
運動系脳番地は、すべての脳番地のエネルギーの源です。

実は、脳の中でもっとも早く成長を始めるのが運動系です。
赤ちゃんは、運動系脳番地の血流がよい状態で生まれてきます。
赤ちゃんにとっては、泣くことも全身運動になります。
そして、手足をバタつかせて、運動をしながら、皮膚感覚を通じてたくさんの情報を得ます。
そうすることで視覚系脳番地の血流がよくなり、歩くようになると思考系脳番地も働くようになります。

頭がボーッとするときには、まず運動することが大切です。
運動系の働きによって行動を起こすと、それに呼応するように視覚系と聴覚系の脳番地も働き出します。
歩くときには、進行方向に危険がないかを視覚系が確認し、段差などを見つけたらそれをまたぐように運動系に情報をフィードバックします。

聴覚系も同じで、車のエンジン音が聞こえてきたら、近くに車が迫ってきてないか確認するように、運動系や視覚系と連携して働いています。
視覚系と聴覚系の特徴は、情報に対する選択性があることです。
すでに知っているものを見つけ出すことが得意なため、大勢の人混みの中でも親しい人の顔や声を見分けることができます。

過去の経験と照らし合わせて自動で選択することを得意としますが、思考系脳番地から「赤い屋根の家を探して」と言われると、赤い屋根を見つけることができるようになります。
この見つける力を活かすことも大人の勉強法にプラスに働きます。

また、情報収集担当である視覚系と聴覚系の能力は、多くの人の場合、互角ではないです。
目で見る情報に強い人、耳で聞く情報に強い人がいて、より働きのいいほうが理解系脳番地から信頼され、理解系の右腕として働いています。
目からの情報が理解しやすい人は、視覚系理解系のネットワークが発達していきます。
耳からの情報が理解しやすい人は、聴覚系理解系のネットワークが発達していきます。

ここまで紹介したように各脳番地には特性があります。
それぞれの脳番地の関係性が強くなることで、情報伝達回路のネットワークが活発になります。
この脳番地が持っている特性を利用して、それぞれのネットワークを強化していくことが、大人の勉強法の近道です。


【4個目】 僕たちは好きなものしか見ていないし、聞こえていない。

脳は、一見さんお断りです。
目に映るものや、聞こえてくる音をすべて受け入れていたら、あっという間に脳のデータ容量は満杯になるからです。
そのため、必要と思われる情報だけを受け入れます。

情報を得ることでさまざまな脳番地が動き出します。
そのため、脳の機能を高めるには、よく見て、よく聞けるようになることが、最初のポイントです。
見たいものを見る目を育てる、知りたいことを聞き分ける耳を育てることです。

視覚系と聴覚系には、情報を選り好みする選択性が備わっています。
視覚系と聴覚系が好んで情報として取り込むのは、生死に関わること、興味があること、好きなもの、過去に見聞きしたことがあるもの、過去に見聞きしたことに似ているものです。

人間も動物です。
僕たちが長い歴史上、一番大切なことは命をつなぐことでした。
そのため、これを食べたら危険とか、ここでこういう行動をしたら命の危機があるといった情報は何よりも優先されます。

そして次に好むのは、すでに知っているものです。
たとえば、コンビニで買い物をしているとき、それまでは商品を選ぶのに夢中で音楽が流れていることに気づかなかったのに、好きなアーティストの曲が流れた途端にはっきりと音を認識できます。
また、渋谷のスクランブル交差点のような人混みの中でも、偶然同じタイミングで来ていた知り合いの顔を見つけられるのは、視覚系と聴覚系に選択性があるからです。

僕たちは普段、すべてを見たり、聞いたりしているように感じますが、 実は閲覧や検索履歴に基づいて表示されるWebサイトやSNSの広告のように、もともと自分の関心の高い情報しか脳に入ってこない状態です。

興味があること、好きなもの、見聞きしたことがあるものは、もうすでに記憶の倉庫に格納されている状態です。
脳の中では記憶系脳番地によるモニタリングが常に行われています。
まるでマッチングアプリのように、知っている情報と出会うと「それを見て!」「これを聞いて!」と視覚系や聴覚系に指示を出します。
そのため、僕たちは人混みの中でも、知り合いの顔を見つけることができるし、人混みの中でも声を聞き分けられます。

この脳の特性から、難しい資格試験の攻略法が見えてきます。
勉強でも知識を深めたいと思っている分野でも、それに関するキーワードと、あらかじめ顔馴染みになっておくことが重要です。
最初は全く興味を示さなかった脳も、何度も繰り返し見聞きする情報に、段々と愛着が湧いてきます。
つまり、覚えたい知識と自分の親密度をどんどん上げていきます。

この情報は「顔見知りだ」と脳がジャッジしたら、こっちのものです。
記憶系からの指示で、視覚系と聴覚系が勝手に情報を集めてくれるようになります。
この力をいかに上手に使いこなし、引き寄せる力をより強化していくのが大人の勉強法のコツです。


【5個目】 アウトプットを意識しながら勉強する。

記憶力は、覚える力も重要ですが、それ以上に大切なのは、いつでも覚えたことを引き出せる能力です。
その能力を高めるには、常にアウトプットを意識した勉強法を心がけることが大事です。

8つの脳番地の役割は、インプットとアウトプットに分かれています。
目や耳から情報を取り入れて、理解して記憶することに関連して働く、視覚系・聴覚系・理解系・記憶系脳番地は脳に情報を届け、知識を蓄えるインプットの役割を持ちます。
脳全体の後方に位置しています。

心が動いたり、頭を働かせたり、実際に行動に移したり、誰かに相談したり伝えたりする、感情系・思考系・運動系・伝達系脳番地は、インプットに関連する脳番地が集めてきた情報により、次のアクションを起こします。
そのため、アウトプットに分類されます。
脳の前方にある前頭葉の周辺に位置しています。
脳の後方でインプットした情報を脳の前方へと送り、アウトプットをする、一連の流れがスムーズに行われているとき、脳は活性化しています。

脳の連携プレーを高めるために活躍するのが、伝達系脳番地です。
より効率的に伝達系脳番地を活性化させる方法の一つが、アウトプットをすることです。
インプットの時点からアウトプットを意識して取り組むことが重要です。
伝達系脳番地は、インプット機能をもつ理解系、記憶系、聴覚系の脳番地と密に連絡路を形成しています。
これまでと同じ時間をインプットに使うとしても、インプットの際にアウトプットを意識するだけで、脳連携が強化されます。

脳には、アウトプットのために取り込んだ情報を思い起こそうとしたときのほうがより強く記憶される「出力強化性」が備わっています。
そのため、記憶力の向上にもアウトプットは欠かせないです。
脳全体の機能を維持・向上し、生涯働いてくれる元気な脳を育てていくには、年齢とともにアウトプットの比率を高めていく必要があります。
SNSで発信したり、ノートにまとめて音読したり、インプットをアウトプットにつなげるチャンスは、日常に溢れています。
「自分ならどう考えるか」自分に問いかける癖をつけるとアウトプットの能力が磨かれます。

勉強するときも同じです。
テキストを読みながら、全く知識のない人に伝えるなら、どんな言葉で伝えるべきか?
要点を3つにまとめて書き出すなら、どう分類するべきか?
そんな風に、アウトプットを意識するだけで、脳が活性化していきます。

脳科学的にいちばんおすすめなのは、 アウトプットを意識しながらインプットをして、そこで考えたことをノートなどに書き出して、誰かに説明するように話すことです。
アウトプットを繰り返すほど、 脳はよく働いて記憶力も高まるため、意識的にやってみてください。


【6個目】 読書で学び直したいときの、効率のいい勉強法。

音読は複数の脳番地を同時に働かせることができ、記憶の定着にプラスに働きます。
しかし、いつでも音読ができる環境にいるとは限らないです。
忙しい人にとって、電車での移動中やカフェでの休憩中は絶好の勉強タイムですが、そんな環境では声は出せないです。

そんなときに活躍するのが伝達系脳番地です。
人の目がある場所で、今読んでいる本の内容を強く記憶に残したいときには、「この後、読んだ内容を別の誰かに説明する」前提で読んでください。
もしくは、「会社に着いたら今読んだ本の内容をパワーポイントでまとめる」でもいいです。
意識するだけで、伝達系脳番地が脳番地全体の監視役となり、通常時より脳番地がしっかりと働くようになります。

そして実際に、電車を降りてから、カフェを出てから、「この本で言いたかったのはこういうこと」「本の感想を伝えるとしたら、こう言おう」と自分なりの考えをまとめます。
これによって、思考系、理解系の脳番地が働きます。

さらに、考えたことをブログに書いたり、ツイッターでつぶやいたりして、そこで文字として書き起こしたものを誰かに話しかけるように声に出して読んでください。
感情系脳番地まで働かせながら音読すると完璧です。
感情系脳番地が動くことで、記憶系脳番地が短期記憶から長期記憶へ移動させてくれる可能性が大きくなります。


【7個目】 脳は期限が大好物。

期限まで余裕がある場合は気が散って、結局期限前日まで何も終わっていない!なんてことも起こります。
時間に余裕がありすぎるときや、終わりが見えないとき、そこに感情が入り込みます。
そして、「飽きたなぁ」と、関係のないことが気になり出して、集中力が無くなります。
脳は怠け者です。
だからこそ、期限を最初に決めてから取り掛かることが大切です。

そして、期限まで短ければ短いほど、脳はフル稼働します。
今日は時間があるから3時間は勉強できると意気込んでも、脳にとっては3時間は長すぎます。
脳が作業しやすい時間は20〜50分です。
苦手分野や、弱い脳番地ほど早く疲れを感じる傾向があります。
そのため、苦手意識のあることは短めに、得意なことは少し長めに期限を設定するのがポイントです。

また、同じ50分を勉強に費やすのでも、時間を10〜20分単位で細かく区切ることで、50分間を通して集中を維持できます。
最初の10分でテキストに軽く目を通す。
次の20分で重要なことを書き出して音読をする。
さらに次の10分で小テストをする。
最後の10分で答え合わせと振り返りをする。
こんなふうに大体の目安を決めておくと、脳は迷うことなくスムーズに働けます。

期限を決めておくメリットとして、記憶力のアップが挙げられます。
記憶を司る海馬は、時間と関連づけることで、迷いなく働いてくれるようになることが脳科学で明らかになっています。
そのため、時間を細かく区切った学習法は、集中力のみならず記憶力も同時に高める一石二鳥の学習法です。
さらに、10分単位で区切るために、何からどうやるか選択しなければならないため、思考系脳番地を強化することにもなり、実際は、一石三鳥になります。

また、大人の勉強法には理解系脳番地を使うことが必要不可欠です。
しかし、理解系脳番地がサボり気味の状態だと、いざという時力を発揮できないです。
理解系脳番地の働きが弱まっている場合、最初に時間を決めて取り組むのが苦手です。

思い当たる人は、「この5分間で鞄の中身を整理する」「今から15分で身支度を整える」など、毎日のルーティンを時間を区切って行うだけで理解系を鍛えられます。
ぜひ試してみてください。

更に詳しく学びたい方は、こちらの動画をみてください♪

解説は以上です。

脳には、生涯をかけても使いきれないほどの「潜在能力細胞」が眠っています。
これを刺激することで、何歳からでも脳は活性化します。
普段、あまり使っていなかった脳番地を使うようにするだけで、脳のネットワークが強化されて脳全体がバランスよく働くようになります。
そして、脳全体の機能が向上しているため、もっと毎日が楽しくなって、自分の可能性を伸ばすことができます。

脳の衰えに関して、年齢はただの言い訳です。
あなたの脳はまだまだ成長し続けます。
人生100年時代を楽しく過ごすには、丈夫な足腰や体力も必要ですが、脳を元気に保つことが大切です。
この記事を参考に、脳を成長させ続けてください。
今回の解説が参考になった人は、いいねやコメントを是非お願いします。


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