見出し画像

『仕事は2割がおもしろい』No.04

 私はこれまで他者に、会社名や経歴を話し、最後に相手が「大学はどこですか?」と聞かれ、「大学は出ていません」と答えると、明らかに相手ががっかりする場面に出くわしてきた。
勝手にがっかりされてもな~と思うのだが、それは相手が感じることなので、仕方ないと思っている。
「大学は出ていないんですが、大学院をでています」というと、相手はきょとんとする。
 
 最近の若者と話すと、たいていが大卒だ。
日本は高学歴社会だから、大学を出ていないと仕事を選択する幅が狭まってしまう。
借金してでも、「大卒」の資格を得ないと!と思うのは親世代を含めても、当然の感情だろう。
 
 自分のことに話を戻そう。
私の両親は共働きではあったが、2人とも中卒で所得は低く、食べていくのがやっとという状況だった。
だから、大学進学の相談はできなかったし、しても無駄だと最初からあきらめていた。
高3の夏、教室に合った進学ガイドブックで、「新聞奨学生」という制度があることを知り「これだ!」と思った。
しかしどう考えても、大学4年間を新聞配達をしながら通えるなんて、想像できなかった。
2年なら何とかなるかなと思い、英語の専門学校に行くことにしたのだ。
 
 今の会社では、周りはほとんど大卒だ。
しかも国立大卒がほとんどという部署で仕事をしたこともある。
この時は、本当に肩身が狭かったし、同僚がうらやましかった。
50代になり、子育ても一段落した時、むくむくと勉強したい気持ちが沸き上がってきて、インターネットで社会人の大学入試の情報などを集めた。
その中で大卒の資格、つまり学士が無くても入れる、大学院があることを知った。
大学院は2年。これならなんとか、学費を捻出できるだとうと考えて、家族にも了解をもらうことができた。
30年ぶりの学生は楽しすぎて、逆に仕事がつまらなすぎた。
教室はいつも、老若男女がワイワイガヤガヤとにぎやかだった。
大人になるとあまり新しい友達もできないけど、自分の子どもに近い若者や、バブル経済の華やかな頃を懐かしむように話すおじさまなど、とても楽しい場を経験することができた。
そして何よりよかったのは、会社以外に人脈ができたことだ。
私の世界が広がったのだ。
 
 今、進学や進路のことで悩んでいる若者がこれを読んでいてくれるなら、あなたに伝えたいことがあります。
確かに日本は学歴社会だけど、みんなが行くからと言って、多額の借金をしてまで進学する必要はありません。人生は短いけど、長くもあります。
やりたいことではなく、得意なことを仕事にして貯めたお金で将来、自分のお金で学ぶ道もあります。
家庭の経済状況で、自分の人生をあきらめないでください。
いずれ日本企業も、新卒一括採用で年功序列は消えてなくなるでしょう。
そうすれば、転職も有利になると思います。
その時、自らの意思で学んだ知識は、きっとあなたを助けてくれます。
 
 
 
では、また次回。
おもしろい仕事をしよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?