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ヒトが持つ「仲間はずれを恐れる本能」── 社会的包摂を求め、社会的排除を恐れる心の起源。 #Sesteem Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

" どんなに冷酷な犯罪者でも、心の奥底では、無垢な赤ん坊を突き動かすのと同じものに飢えているのです:愛と受容です。" ──リリー‪·‬フェアチャイルド

まずはこちらから: 進化心理学/Evolutionary psychologyとは何か

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#01

社会的排除の苦痛


寂しい時、傷つけられた時、仲間はずれにされた時、社会的に疎外された時

そんな時、サピエンスは「胸が苦しい」「心臓が痛む」「胸が張り裂けそう」「心に傷を負った」───etc. などと、自分の心理的な変調を身体的な負傷になぞらえる

これは、たんなる比喩なのか?
つまり、言葉のあやなのか?それとも本当に、身体を損傷した時と同じ苦痛がそこに生じているのだろうか?

2003年、UCLA/カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者ナオミ‪·‬アイゼンベルガーは、この事に興味を抱いた。彼女はこう考えたのだ;

もしかしたら、ヒトが感じる「メンタル(=心)の痛み」は、「フィジカル (=身体・物理的) の痛み」と同質のものなのではないか?


────と。

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