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〈インタビュー〉 中野区・酒井直人区長

23区の中で最も人口の変動が多く、毎年3万人もの人々が転入出をしている中野区。また、中野区には外国籍を持つ人々も多く、実に120ヶ国にわたる人々が暮らす街です。そんな多様性に富んだ街・中野区で区長を務めている酒井区長にお話を聞きました!(取材者・大西、田村、秋山)

ーー若者の間で、「政治の話をすることは恥ずかしい」と思っている人が多くいるように思います。

原因は何だろうというのは色々考えていかなければいけないと思っていますが、やはり一つは「教育」だと思います。中学や高校で政治を学んだりする機会が少ないのでは?と思っています。私もそうでしたが、歴史を学ぶ時も、弥生時代の卑弥呼とかから学んで、結局、昭和の時代になるとほぼ勉強してないみたいな(笑)

ーー確かにそうですね。私も歴史が好きでしたが、古代史や戦国史にフォーカスしているような感覚はありました。

私は社会の歴史の勉強は近代史から最初にやった方が良いんじゃないかって思っています。いきなり古墳からではなくて、先に昭和から学んで、時代を遡っていくという方法でも良いのかなと思っています。

ーーそういう学び方をしていけば、自分が生きている今の時代に興味を持つことになるということですね。

思い返してみると、当時も政治の話をしない人もたくさんいました。ですが、私としては「政治に関心を持たなければ大学生として恥ずかしい」と思っていましたので、大学という最高学府に学ぶ大学生の皆さんには、関心を持っていただきたいと思いますね。

ーー若者向けの政策という点で、中野区では「若者会議」を開催するなどの取り組みをされていらっしゃいますが、酒井区長の若者に対する考えをお聞かせください。

若者は次世代を担ってもらわなければいけない世代の皆さんなので、当然そこに投資をすべきだと思います。私も中学生になる子どもがいますが、大人になった時、日本をより良い方向にしていける若者の一人になってもらいたいです。
皆さんもご存知かと思いますが、現役世代と今年金をもらっている人たちの間には、大きな「差」があります。若者は昔と違って、老後十分な年金をもらえないーー。そうしたところも若者の皆さんのために、政治が責任を持って変えていかなければいけないと思います。
皆さんに情報を明らかにして、本当にこれで良いのかと問わなければいけません、それが選挙だったりするので、若者会議でもそういう話もしていきたいと思いますし、中学生と話す機会がある時も、忌憚なくそういう話はするようにしています。今の若い人たちは人数が減って上の世代を支えるために大変なことになってるんですよって。

ーー私たち、若者×未来プロジェクトでも、昨年は「スティグマ(差別)」をテーマにした「社会的スティグマ展」(2022)を開催しました。また、団体設立時より、さまざまな議員の方にお話を伺ってきました。

自分たちの世代の意見をちゃんと議会に届けていくという意味では、若い人にはどんどん政治家になってもらった方がいいと思います。もちろん、応援する側でも良いと思います。でも、若い人がどんどん議会に増えていくということが、時代と政治を変えていくのだと思います。

ーー若者の政治参画と同時に、女性議員の少なさも日本全体として指摘されていますが、今回、女性区長も過去最高の6人に増えました。

人口の半分は女性なんですから、女性目線というのも、政治は当然その要素がなければいけないし、若い女性、子育て中の女性などが議員として活躍できる制度が整っていないように思うので、制度を変えるのか、何か手を打って子育て中の議員でもしっかりと議員として活動していける土壌を作っていくべきだと思います。

ーー中野サンプラザについてお聞きします。今、中野サンプラザが新しく生まれ変わろうとしていますが、区長はどんなビジョンをお持ちですか。

元々、国が所有していたものを、民営化がきっかけで区と民間で共同運営をしてきました。当初は若者向けの施設として設立されましたが、宴会場、ホール、ボウリング、プールなど、今では多くの人に親しまれています。あと、中野区民にとっては、新年会を開催する場所とかが中野サンプラザだったわけです。そうした機能をちゃんと引き継いでいきたいなと思いますし、やはり、子育て世代に向けて、子育て支援施設なども入れられたらと検討をしているところです。

ーー最後になりますが、若者に向けてメッセージをお願いします。

政治というのは「無関心ではいられるけど、無関係ではいられない」といいます。私たちの生活に絶対に関係しているんですよ。自分の暮らしの全てのルールを決めているんです。消費税がいきなり15%になるって言ったら「嫌だなあ」と皆さん思うと思います。そういうことを決めているのが選挙なんです。これからも色んな議員さんに会う機会をどんどん作って、ぜひお話を聞いてみてください。


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