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〜難病とはりきゅう〜その24「7/8第19診 魔の土曜日のその後」

前回まで。

これまでのキタムラさんは、段々と調子が上がっていたのだが

なぜか2週連続で、土曜日になると体調が悪化する。という状況に見舞われていて


私もキタムラさんも、キタムラさんのご家族も

「魔の土曜日」と呼んでいた。

いつも土曜日に訪問診療をされているもう1人の鍼灸師の先生が

2週連続で(キタムラさんが)体調不良の為、伺えなかったというメールが入ったので今回はどうなっただろうと思っていた。

  

考えすぎだとも思うのだが、

「もっと治療効果が高ければ、、。こんな状態には合わせずに済んだのに」

と思っていた。



毎週水曜日に行なっているこの治療が

もっと効果的で、土曜日まで持ってくれれば。

そう思っていた。



お正月によく見る駅伝で、

タスキを渡せなかった悔しさや悲しみが良く分かるような2週間だった。





土曜日が過ぎ、先方の先生から

「先日7/4はキタムラ様の体調も落ち着いており訪問ができました。当日は、ご本人及びご主人様も体調が大丈夫か心配されていたそうですが、特に気持ち悪さ等もなく状態は落ち着いているとの事でした。」

と連絡がきた。

本当に嬉しく思った、安堵した。



その後の状態も考えなければならないが

水曜日にはどのようになっているのか。

しっかりと把握して、総合的な手を考えていこうと思った。




当日の様子

当日、キタムラさんは横になってお待ちだった。

娘さんも旦那さんも一緒、いつもと変わらない雰囲気。



前回もそうだが、風がとても強く

高速道路などで中々怖い思いをしながら慎重に向かったのだが

家の中でもその風は感じられ、表の電線などが揺れていた。




今日は、点滴が始まった週で

「また冷えてしまうかもしれないなぁ」と感じながらだった。



横になっていながらも、キタムラさんの顔色はよく


先生!土曜日は全然平気でした!魔の土曜日克服ですね!

と少しおどけた様子で笑顔で話してくれた。



こういった瞬間がとても落ち着く。

治療の中では緊張も有るけれど、こういった瞬間に気持ちが安定できる。




今日のキタムラさんは、少し考え事があったようで

実は色々考えなければいけないことが有って。。

と話始めてくれた。



どうやら、今まで来てくれていたヘルパーさんが来なくなってしまうのだそう。


キタムラさんには訳あって、他のヘルパーさんにも入ってもらう形になったのだが「それであれば私は辞めます」という形で辞められてしまうのだそう


キタムラさんは

入浴介助、食事作りサポートなどが必要で

仕事をしながらサポートをしてくれているご家族だけでなくヘルパーさんが付いていらっしゃる。やはり病的な状況でもあるので、専門家の助けは必須なのだと思う。

新しく入るところは、今までの介助よりも少しサポートが少なく

正直困ってしまう。という理由から引き留めたがダメだった。



【他の人が入る】という理由で

辞めてしまうんだな。ような印象を持ったのだそう。




人とのお付き合いをとても大切にするキタムラさんだから

かなり考えられたのだと思う。




ヘルパーさんが変更になることを考えても

ケアマネージャーの方に頼むとしても、

条件のすり合わせや、予定の調節、新しく来た方との信頼関係構築など負担がかかることは想像できる。

ご家族の方だけでなく、キタムラさんにはとても負担で

引っ越しで環境が変わる際の体への負担も大きかった


誰でも、あると思うのだが

体が疲れていたり、弱っている時に

知らない人が来る事はしんどく感じるだろう。



ましてや、その方に体を預ける訳で有るから負担はとても大きいだろうなと感じた。




キタムラさんは

見殺しにするつもりなのかなって思っちゃいました。でも、負けないように頑張りますね。

とおっしゃっていた。

そう言いながら、涙を落とされた。



今は、キタムラさんも含めて全員で

「病に打ち勝つ」という戦いをしている。

キタムラさんがお一人で背負われた重荷を、皆で分け合っている。



分けあってもなお、戦うのはキタムラさんであることが悔しいが

皆で、精一杯戦っている。




その中の誰かが抜けるというのは、初めての体験だった。

1人で戦うキタムラさんは、こんなに寂しい思いをするのか

それを目の当たりにして、とても切なくなった。



だが、誰かが話した神輿の重さは

他の人間が代わればいいこと。

いつにも増して、笑顔で話せれば、と思った。



今日の治療

今日のキタムラさんはとても足が冷えていた。


最近では一番珍しいほどだった。


右足指の付け根の痛み

左足のふくらはぎは同じように張っていた


今回は、頭のてっぺんが熱かった。

キタムラさんは、考え、悩むとここが熱くなる。



そして、よくよく触ると頭の一部

左頭頂部にぶよぶよとした痛みがあり「古傷があるのでは?」と感じる場所だった。左側だけだった。


今日のお腹は、胸のあたりだけ痛く

なぜか恥骨の痛みはなかった。


背中に鍼をしたあとで、もう一度みるとお腹の痛みはなかったが


頭の左側は痛みが残っていた。


キタムラさんは以前

何度か頭を打っていて、その後遺症として古傷が残っているのだろうと思った。


このまま放置すると、頭ののぼせが引き起こったままで

眠りなどにも影響が出て来ることを考え


古傷の処置をすることにした。



処置をすると、首周りや頭の緊張がスーッと取れて

足の冷たさも引いて来た。


古傷の影響が消えて来ると、こういった変化が出て来るものだ。



次回も、また状況はどうなるのかわからないが

やるべき事は決まっている

キタムラさんの戦いからは目を背けず、一緒に戦い続けようと思う

一つ一つ進むだけだ。





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本プロジェクトではALSという難病の治療を行なっています。
徐々に身体の動きができなくなるという難病で、いまだに治療法が確立されていません。
今回、その症状に対して「東洋医学」とくに鍼灸治療で治癒を狙っていきます。

積聚(シャクジュ)治療という治療法を行なっていますが、東洋的な発想に基づいて体系化された治療で、「古傷」も含めて治療をします。過去、この治療法でALSと向き合った症例は無いのでは無いかと思います。前例が無い挑戦です。
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